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微生物対策協会

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2025/07/18   

そのまま放置は危険!実家で見つけたカビの健康リスクと対策

夏休みに実家へ帰省した際、「カビ臭い」「壁が黒ずんでいる」と感じたことはありませんか?
【記事を読んで分かること】実家にカビが発生する原因、健康への影響、応急処置や予防策、専門対応まで分かります。
【記事を読むメリット】実家の空気環境を清潔に保ち、安心して家族と過ごせる住まいづくりの知識が身につきます。

夏休みの帰省は楽しみですが、久しぶりに実家に戻ると「どこかカビ臭い」「壁や家具に黒ずみがある」と感じることは珍しくありません。実は、長期間家を空けている間に、換気不足や湿気のたまりやすい環境ができてしまい、カビが繁殖してしまうことが多いのです。では、なぜ夏休みの帰省時にカビが目につきやすいのでしょうか。その理由を詳しく見ていきましょう。

実家が長期間空き家状態になると、窓やドアを閉め切ったままのため、室内の湿気が外に逃げずにたまり続けます。特に夏は気温が高く、湿度も上がるため、結露が発生しやすくなります。湿気が多い環境はカビの大好物であり、畳や壁、押入れの中などに水分がこもることで、カビが急速に繁殖してしまいます。また、雨や風の影響で外部から湿気が入り込みやすい家の構造の場合は、さらに湿度が高くなりやすいことも要因のひとつです。換気がされない家は、空気が淀み、カビにとって最高の温床となってしまうのです。

家族が普段いない実家では、湿気や汚れの蓄積に気づく人がおらず、カビの発生が発見されるまで進行してしまうケースが多いです。冷房や除湿器を使わないことで室内の温度・湿度の管理ができず、カビ菌の活動が活発になります。さらに、家の中にある布団やカーテン、家具の隙間など、見えにくい場所でカビが密かに広がっていることも少なくありません。夏休みの帰省時には、こうしたカビの問題を一気に目の当たりにして驚く方も多いのです。早期発見と対策が重要ですが、まずはこうした環境がカビ発生の大きな原因となっていることを理解しましょう。

カビが生えた実家に長期間滞在することは、体調不良やアレルギー症状の悪化を招く恐れがあります。特に小さな子どもや高齢者、喘息やアレルギー体質の方にとっては注意が必要です。さらに、カビは生活環境にも悪影響を及ぼし、快適な暮らしを阻害する原因にもなります。ここでは、具体的な健康リスクと生活面への影響を詳しく見ていきましょう。

カビは胞子を空気中に飛散させるため、それを吸い込むことで呼吸器系に影響を及ぼす可能性があります。喘息の悪化や咳、鼻水、喉の違和感、鼻づまりなどの症状が出ることもあります。また、カビが引き金となってアレルギー性鼻炎や皮膚炎、結膜炎などを引き起こすケースも少なくありません。特に免疫力が低い高齢者や子どもは、これらの症状に敏感に反応しやすいので、カビのある環境に長時間いることは健康リスクが高まります。カビの胞子は目に見えないため、知らず知らずのうちに体調を崩す原因となるのです。

カビは壁紙や畳、布団、カーテンなどの生活用品にもダメージを与えます。畳は特に湿気を吸いやすく、カビが発生するとシミや臭いの原因になるだけでなく、健康被害も増します。布団や枕にもカビが付着すると、寝ている間に胞子を吸い込みやすくなり、睡眠の質低下や呼吸器トラブルを引き起こすことがあります。また、壁紙のカビは壁の劣化を進め、建物の耐久性にも悪影響を及ぼします。これらの被害は見た目だけでなく、実際の生活の質を大きく損なうため、早急な対処が求められます。

実家でカビを見つけたら、まずは冷静に被害範囲を確認し、拡大を防ぐための応急処置を行いましょう。軽度のカビであれば自力で対処できますが、範囲が広い場合や体調に不安がある場合は、専門業者への相談が必要です。ここでは、カビ発見時にすぐできる具体的な対応策をお伝えします。

まず、カビがどの程度広がっているかをしっかり確認します。壁、天井、床、家具など、目に見える範囲だけでなく、押入れの中や家具の裏など見落としがちな場所もチェックしましょう。作業中は必ずマスクや手袋を着用し、胞子の吸入や直接接触を避けることが大切です。軽度のカビは、エタノールや市販のカビ取りスプレーを使って拭き取りましょう。ただし、塩素系漂白剤は換気が十分でないと危険なので注意してください。除去後は換気を十分に行い、湿気を逃がすことが重要です。

カビは家具の隙間や衣類、収納品にも付着していることがあります。特に布製品はカビが見えにくいため、臭いやシミがないか入念に確認しましょう。カビの生えた衣類は洗濯や漂白で対応可能ですが、広範囲の場合は処分を検討したほうが安全です。家具の表面は掃除機のブラシノズルでホコリを吸い取り、その後に除菌シートやアルコールで拭き取ります。収納スペース内も湿気がこもりやすいので、除湿剤の設置や換気を心がけましょう。カビの再発を防ぐためにも、徹底的な掃除と乾燥が不可欠です。

夏休みなどの長期帰省は楽しいものですが、実家が長期間空き家状態になることでカビの発生リスクが高まります。帰省前や帰省中にしっかりと湿気管理や空気の入れ替えを行うことが、快適な環境を維持するための鍵です。ここでは、具体的な事前対策を紹介します。

帰省前に実家の窓を開けて換気を行うことが基本です。特に梅雨明けや湿度が高い時期は、湿気がこもりやすいため、晴れた日に複数回換気をするのがおすすめです。また、エアコンのドライ運転や除湿機の設置で湿度をコントロールするのも効果的です。帰省中も、こまめに窓や扉を開けて空気の流れを作り、湿気を外に逃がしましょう。押入れやクローゼットの扉を開けて通気を促すことも、カビの予防につながります。

帰省前に除湿剤や防カビスプレーを活用するのもおすすめです。押入れや家具の隙間、冷暗所など湿気がたまりやすい場所に除湿剤を置くことで、カビの発生を抑制できます。シリカゲルタイプや炭入りのものなど、用途に合わせて選びましょう。また、防カビスプレーは壁紙や畳に直接噴霧できるタイプを選ぶと効果的です。ただし、ペットや小さなお子さんがいる場合は安全性を十分確認してから使用してください。加えて、帰省中はこまめな掃除と換気を継続することで、カビの再発を防ぎやすくなります。

実家のカビが広範囲に及んだり、繰り返し発生したりする場合は、専門のカビ除去業者に相談することを検討しましょう。専門業者は、専用の機器や薬剤を用いて徹底的にカビを除去するとともに、再発防止のためのアドバイスや施工も行ってくれます。ここでは、専門業者の活用がもたらすメリットを詳しく解説します。

カビが壁紙や天井、床下に深く根を張っている場合や、カビ臭が消えない場合は、自力での掃除では完全に取り除くことが困難です。また、高齢者や小さな子どもがいる家庭では、強力な薬剤を使うことに抵抗があるかもしれません。そうした場合、専門業者は安全性に配慮した最適な薬剤や方法を選択し、カビの原因を根本から解決します。さらに、カビの広がりや室内環境の状態を科学的に調査・診断できるため、正確な対策計画を立てられます。

多くの専門業者は、空気中のカビ胞子の量や種類を測定する「空気環境検査」サービスを提供しています。これにより、実家の空気の状態を数値で把握し、どこにカビが潜んでいるかを明確にできます。検査結果をもとに、適切な除去方法や換気・除湿のアドバイスが受けられるため、再発防止に役立ちます。また、数値化されたデータは家族や関係者への説明にも説得力があり、安心感を与えることができます。専門業者の活用は、見えないリスクを「見える化」し、確実に安全な環境を取り戻すための有効な手段なのです。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を柱に、健康で快適な住環境の実現を目指す専門機関です。カビや微生物が引き起こす健康被害や建物の劣化といった問題に対し、科学的根拠に基づいた検査と対策を提供し、安心安全な空間づくりを支援しています。

平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」を背景に設立された当協会は、室内空気の「見える化」を通じて、目に見えないカビや微生物のリスクを数値化し、的確な改善策の提案を行っています。特に、高齢者施設や病院、保育施設など健康リスクの高い環境でのカビ対策に注力しています。

カビは空気中を漂い、落下しても死滅せずに再び繁殖する特性があるため、表面的な掃除だけでは不十分です。当協会は専門機器を用いた空気中のカビ菌測定や環境調査を行い、根本的な対策をサポートします。また、施設職員や住民向けの研修・啓発活動も展開し、衛生管理の意識向上に貢献しています。

「目に見えない空気の汚染を、見える化して健康を守る」――これが一般社団法人微生物対策協会の使命です。

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