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2025/05/24   

キッチンのシンク下がカビだらけ?原因と今すぐできる対策ガイド

キッチンのシンク下にカビが発生していた…そんな経験はありませんか?実は、湿気と密閉が原因になっています。
【記事を読んで分かること】カビが生える原因やシンク下の構造的な問題、掃除方法や再発防止のコツ、収納の工夫までを詳しく解説します。
【記事を読むメリット】キッチンのカビを根本から防ぎ、衛生的で清潔な空間を長く保つための具体的なノウハウが手に入ります。

「気づいたらシンク下がカビだらけに…」そんな経験はありませんか?見えにくく手が届きづらいシンク下は、湿気や温度、構造的な問題が重なりやすく、カビが発生しやすい環境になっています。ここでは、シンク下でカビが繁殖する代表的な2つの原因を解説します。

キッチンは、料理や洗い物などで日常的に水を使う場所。特にシンク下は、排水管からの湿気やシンク周辺の温度変化により湿度が高くなりやすいという特徴があります。

【湿気の主な発生要因】

  • シンクの裏側に発生する結露
  • 水仕事によるシンク周辺の蒸気がこもる構造
  • 庫内が閉め切られていて空気の流れがない

さらに、季節の変わり目や梅雨時期は外気との温度差が大きく、結露が発生しやすいためカビの繁殖を加速させる原因にもなります。

カビは「温度20〜30℃・湿度60%以上」で活発になるため、まさにシンク下は理想的な環境なのです。

湿気に加えて、シンク下で特に見逃してはいけないのが水漏れや配管からのにじみ水です。これはカビの発生を一気に進行させる直接原因となります。

【よくあるトラブル例】

  • 排水トラップやパッキンの劣化による水漏れ
  • 配管のつなぎ目からのじわじわした水の染み出し
  • シンク周辺の施工不良による浸水や結露の蓄積

一見乾いているように見える場所でも、棚板の裏や配管まわりにカビが集中しているケースも多く見られます。
しかもこれらは、見た目に変化が出るまで時間がかかるため、「なんとなく臭う」程度のサインでも早めに確認することが重要です。

カビの発生には「湿気」と「空気の流れの悪さ」が大きく関係しています。実は、**収納方法や物の置き方が湿気の逃げ道をふさぎ、カビを誘発しているケースも少なくありません。**ここでは、よくあるNG収納と、見落としがちな使い方の注意点をご紹介します。

シンク下のスペースを最大限活用しようと、ぎっしりと物を詰め込んでいませんか?
実はそれが、カビのリスクを高める原因になっていることがあります。

【NGな収納例】

  • スプレー缶や詰替え洗剤などを隙間なく並べて密閉状態
  • 大きなストック品を奥に積み重ねて収納
  • 収納ボックスやケースを重ねたり、全面を覆ってしまう

これらの使い方は、風が通らず、湿気がこもる温床をつくってしまう結果に。特に、プラスチック製や紙製のボックスは湿気を吸収しにくく、カビやすい棚板と直接触れていることで菌の繁殖を助ける可能性もあります。

【改善のポイント】

  • 物の量を7〜8割にとどめる
  • 収納ケースの底にすのこや除湿シートを敷く
  • 定期的に扉を開けて換気する習慣をつける

意外と見落としがちなのが、洗剤やストック品の“にじみ・液だれ”による湿気の原因です。とくに液体洗剤や漂白剤などは、キャップのゆるみや液ダレにより、棚板にシミとカビを発生させる引き金になります。

【注意が必要な物の例】

  • 食器用洗剤や漂白剤の液漏れ・にじみ跡
  • ボトル底に水分がたまりやすいスプレー容器
  • ストック用のレジ袋・スポンジ・ふきん類が湿ったまま収納されている

【対策ポイント】

  • 洗剤類の下にはトレーや吸水シートを敷く
  • 濡れた布類は乾いてから収納する習慣を
  • ボトルの底は使用後に拭き取る習慣をつける

小さな湿気でも、閉め切ったシンク下では数日でカビの温床になることもあります。収納するアイテム一つひとつを、“湿気をためない・逃がす”という視点で見直すことが、カビを防ぐ近道です。

シンク下のカビは放置すればするほど、木材や壁紙、収納品へと広がっていきます。見つけたらすぐに対処することが肝心です。ただし、掃除方法を間違えるとカビが広がったり、素材を傷めてしまうリスクも。ここでは、シンク下の材質に適した安全なカビ取りの基本と、注意すべき点を解説します。

まずは基本のカビ除去方法から。特に木製棚板や壁紙を傷めず、安全に処理することがポイントです。

【必要な道具】

  • 消毒用エタノール(70〜80%)または市販の防カビスプレー(塩素不使用)
  • マスク・ゴム手袋
  • ペーパータオルまたは布
  • 換気可能な環境

【掃除手順】

  1. カビのある範囲を確認し、掃除前に換気をしっかり行う
  2. マスクと手袋を着用し、エタノールをカビにスプレーして5分ほど放置
  3. 乾いたペーパータオルで優しく押さえて拭き取る(こすらない)
  4. 必要に応じて繰り返し行い、最後に乾拭きして完全に乾燥させる

【注意点】

  • 塩素系漂白剤(カビキラーなど)は木材・シート素材を変色・劣化させる恐れあり
  • 水拭きだけでは除菌・再発防止にならない
  • 掃除後に湿気が残ると再発リスクが高まるため、しっかりと乾かすことが必須

表面だけでなく、棚板内部や木材の繊維にカビが染み込んでしまった場合は、通常の掃除では取り切れないこともあります。そのような時は、広がりを防ぎつつ応急処置を施し、場合によっては交換も検討しましょう。

【応急処置のポイント】

  • 棚板の裏や角に黒ずみが残る場合、紙やすりで軽く表面を削り、再度エタノール消毒
  • 白いカビやふわふわした胞子状のカビは再発率が高いため、重点的に処理
  • カビが広がった収納物は念のため破棄または洗浄・天日干し

【交換が必要なケース】

  • 木材にカビの根が入り込んでいる感触がある
  • 繰り返し掃除してもにおいや黒ずみが取れない
  • カビを取ったあとに木がもろくなっている・変色している

可能であれば、防カビ加工された棚板やシートに交換することで、再発のリスクを大きく減らすことができます。

カビ掃除をしても、原因となる湿気やにおいを取り除かなければ再発は時間の問題。シンク下は密閉されがちなうえ、水気の多いキッチンに位置するため、常に湿度管理と空気の流れを意識することがカビ予防につながります。ここでは、湿気&においを防ぐための実用的な対策法を2つご紹介します。

シンク下のカビ対策において、最も効果的かつ手軽な手段が“湿度を下げる”ことです。市販の除湿アイテムを上手に取り入れることで、カビが好む湿度(60%以上)を下回る状態を維持しやすくなります。

【おすすめの除湿対策】

  • シンク下専用の除湿剤(炭・シリカゲルタイプ)を設置
     → 吸湿量の高い製品を選び、定期的に交換 or 再利用タイプは乾燥処理
  • すのこや通気板を棚板に敷く
     → ボトルや収納ケースの底面に空気が通るだけで、湿気の逃げ場ができる
  • 定期的に扉を開けて“自然換気”する習慣を
     → 料理中や食器洗い後など、空気が動いているタイミングに開放するのが効果的

さらに、キッチンにサーキュレーターや換気扇を活用することで、湿気がたまりにくい空間を維持できます。

湿気対策と並行して、「におい対策」と「菌の増殖抑制」も重要なポイントです。においはカビの発生サインであるだけでなく、カビのエサとなる物質(汚れ・有機成分)が残っている可能性もあります。

【におい・菌対策の工夫】

  • 竹炭や重曹を使った脱臭剤をシンク下に設置
     → 吸湿・脱臭の両方に効果あり。お皿やトレーに入れて置くだけでOK
  • 市販の抗菌シートや防カビシートを棚板に敷く
     → 菌の付着や繁殖を防ぎ、カビの再発リスクを抑制
  • 天然成分配合の消臭スプレーを定期的に使用
     → 柑橘系やティーツリーなど、抗菌効果のあるものを選ぶと◎

注意点として、芳香剤や強い化学臭のある消臭剤は使用を控えた方が無難です。特に食材の近くに設置する可能性がある場合は、無香料・無害タイプを選びましょう。

湿気やにおいをしっかり対策しても、収納の仕方が悪ければ再びカビのリスクは高まります。
「詰め込みすぎず、空気が通る収納」がカビ対策の鍵です。ここでは、通気性を意識した収納レイアウトと、カビ防止に役立つおすすめグッズをご紹介します。

見た目のスッキリ感だけでなく、「湿気がこもらない配置」を意識したレイアウトが重要です。風の通り道を確保するだけで、カビの発生率を大きく下げることができます。

【収納の工夫ポイント】

  • 詰め込みすぎない(収納率80%以下が理想)
  • アイテム同士・壁との間に少し隙間を空ける
  • 上下2段に分けられるラックや突っ張り棚で、空間に高さを持たせる
  • 収納ケースの下に小さなすのこやキャスターを設置して“底上げ”する

これにより、棚板や床面との接触部分に空気の通り道が生まれ、湿気がたまるのを防ぎます。

収納アイテム選びを工夫することで、日常のメンテナンスもラクになり、長く清潔を保てます。

【おすすめグッズ】

  • 防カビシート(抗菌・防臭加工)
     → 棚板に敷くだけで湿気&カビ対策に。洗えるタイプだと繰り返し使えて経済的
  • 引き出し式収納ケース(通気口付き)
     → 湿気をためにくく、中身も取り出しやすい
  • 珪藻土や竹炭の除湿ブロック
     → 小さくて置きやすく、自然素材で安全。においと湿気を同時に対策
  • 中身が見えるラベル管理・透明ボックス
     → 開け閉めを減らして湿気の流入を防ぐ

また、定期的に収納物の見直し・入れ替えを行うことで、カビの「気づかぬ進行」を防ぐことができます。シンク下は“死角”だからこそ、収納も“見える化”が重要です。

一般社団法人 微生物対策協会は、カビの検査と対策を専門に行う非営利団体です。
私たちの生活空間には目に見えないカビや細菌などの微生物が潜んでおり、それらが健康や住宅の劣化に影響を与えるリスクがあることはあまり知られていません。

当協会は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づき、住まいと空気の“見える化”を通して健全な住環境の実現をサポートしています。
特に、カビが発生しやすい**水まわり(キッチン・シンク下・浴室など)**は、放置すれば住環境と健康へのリスクが高まるため、早期の検査と適切な対処が重要です。

主な活動内容

  • 室内空気中のカビ・細菌などの浮遊微生物の測定と分析
  • シンク下・床下・壁内部などの目に見えないカビの可視化とリスク評価
  • 調査結果に基づいた具体的な除去・予防方法の提案とサポート
  • 教育機関や福祉施設などへの啓発活動・研修・環境改善支援
  • 環境保全と健康づくりを支える公的な活動と普及啓発

カビによるアレルギーや体調不良、住宅の劣化は気づきにくく、慢性的な問題につながりやすいものです。
微生物対策協会では、専門的な知識と測定機器を活用し、見えない問題を「見える」状態にして、誰もが安心できる住まいづくりをサポートしています。

あなたの家の空気は本当に大丈夫ですか?
「におう」「カビっぽい気がする」「掃除しても再発する」そんな小さなサインを見逃さず、ぜひ一度、私たちにご相談ください。

微生物対策協会は、あなたとご家族の健康と快適な暮らしを支えるパートナーです。

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