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2025/05/31   

サッシやパッキンに黒カビ発見…正しい除去法と予防術とは?

窓のサッシやゴムパッキンに黒いカビ…放っておくと健康にも悪影響を及ぼします。
【記事を読んで分かること】窓周りにカビが発生する原因と、予防・除去・再発防止の具体策がわかります。
【記事を読むメリット】結露や湿気をコントロールし、窓まわりを清潔・安全に保つための実践的な方法が身につきます。

カビと聞くとお風呂場やキッチンを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は窓周りはカビが非常に発生しやすい場所のひとつです。特に冬から春、そして梅雨にかけては結露や湿気の影響で窓のサッシやゴムパッキン、さらにはカーテンや壁紙にまでカビが広がることがあります。ここではその原因を詳しく解説していきます。

窓まわりにカビが発生しやすい最大の理由は、結露による湿気です。外気と室内の温度差が大きいと、冷たい窓ガラスに室内の暖かく湿った空気が触れることで水滴が発生します。これが「結露」です。この水分が窓枠やサッシ、さらには壁やカーテンに付着し、湿った状態が続くことでカビが繁殖する条件が整ってしまうのです。
また、窓まわりは意外と通気性が悪いことが多く、特に家具が近くにある場合やカーテンで密閉されていると、空気がこもりがちになります。この状態が続くと湿度は下がらず、自然とカビの温床となってしまうのです。

カビは湿気・栄養・温度という3つの条件がそろうと簡単に繁殖します。サッシやパッキンは結露の水分がたまりやすい場所であるだけでなく、ホコリや皮脂汚れがたまりやすい場所でもあります。これらの汚れがカビの“エサ”となり、さらにゴム素材のパッキンは目に見えない凹凸があるため、カビの胞子が入り込みやすいという特徴も。
一度根を張ったカビは、表面を拭くだけでは完全に除去できず、時間が経つほどに黒ずみや悪臭がひどくなることがあります。放置してしまうと窓だけでなく、周囲の壁紙や床にも被害が広がってしまうため、原因を知った上で早めの対策が必要です。

カビの発生は、窓周りの環境だけでなく、私たちの日常の行動習慣によっても左右されます。気づかないうちにやってしまっている“NG習慣”が、カビを呼び込んでいることも。ここでは、窓まわりにカビを発生させやすくする代表的な習慣と、その改善ポイントを解説します。

「カーテンを閉めっぱなしにしている」「冬場は窓を全く開けない」といった行動は、窓周りのカビ発生を促進する大きな要因になります。カーテンを常に閉じていると、窓ガラスとの間に空気がこもり、結露した水分が逃げ場を失ってカビが繁殖しやすくなります。特に厚手の遮光カーテンは湿気が抜けにくく、カーテン自体にカビが付着することもあります。
また、「寒いから窓を開けない」日が続くと、室内の湿気が外に逃げず、窓まわりに集中してしまいます。冬でも1日数分の短時間換気を行うことで、結露とカビの発生を大幅に抑えることができます。

窓のサッシやパッキンは、掃除が後回しになりがちな場所です。しかし、ホコリや汚れが蓄積すると、それがカビの栄養源となり、わずかな湿気でも簡単に繁殖が始まってしまいます。特にサッシの溝やゴムパッキンのすき間はカビの温床になりやすく、黒ずみとして現れた頃にはすでに内部まで根を張っていることも。
また、掃除の際に水分を拭き取らずに放置してしまうのも要注意です。せっかく掃除しても湿気が残れば意味がなく、むしろカビの発生を助長してしまう可能性もあります。掃除の仕上げには必ず乾いた布で水分を取り除くようにしましょう。

カビを予防するために大切なのは、“今すぐ始められる日常の工夫”です。専門的な道具や知識がなくても、換気・除湿・防カビ対策を少し意識するだけで、窓まわりにカビが発生するリスクは大きく下げられます。ここでは、今日から実践できる簡単かつ効果的な対策方法をご紹介します。

カビの最大の原因である「結露」を防ぐには、湿気をためこまないことが何より重要です。朝起きたらまず窓を開けて換気をする習慣をつけましょう。外気と室内の空気を入れ替えることで、室内の湿度が下がり、窓の温度差による結露が軽減されます。
また、換気扇やサーキュレーターを活用して空気の流れを作ることも有効です。湿気がこもりやすい寝室やリビングでは、除湿機やエアコンのドライモードを積極的に使うと、空気中の水分量を効率よく下げることができます。特に冬場は、室温を急激に上げすぎないこともポイント。室温差が大きすぎると、それだけで結露が発生しやすくなります。

市販の防カビスプレーを使うのも、窓まわりのカビ予防に非常に効果的です。掃除のあとにスプレーしておくことで、カビの発生そのものを抑制するバリアを作ることができます。ゴムパッキンやサッシ部分など、カビが出やすい箇所に重点的に吹きかけましょう。最近では天然成分由来で安全性の高い商品も多く、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心です。
また、吸湿シートや除湿パックを窓枠やカーテン裏に設置するのも有効です。これらは空間の湿気を吸収し、結露を防ぐ補助的な役割を果たしてくれます。見た目もスッキリした商品が多いため、インテリアを損なわずに湿気対策ができます。定期的に交換するだけで効果を持続できるのも魅力です。

どんなに注意していても、窓まわりにカビが発生してしまうことはあります。特にゴムパッキンやサッシのすき間などはカビの温床となりやすく、気づいた時には黒ずみが目立っていることも。ここでは、窓まわりに生えたカビを安全かつ効果的に除去する方法をご紹介します。

まずはしっかりと換気をしたうえでマスク・手袋を着用し、カビの胞子を吸い込まないように準備します。軽度のカビであれば、消毒用エタノール重曹スプレーを布に含ませて拭き取るだけでも効果があります。
頑固な黒カビには、**塩素系漂白剤(カビ取り剤)**を使用します。ゴムパッキンにはティッシュを貼り付け、その上からスプレーし、10~15分ほど置いてから水拭きしてください。ただし、変色の恐れがあるため、必ず目立たない場所でテストしてから使用するようにしましょう。使用後は乾いた布でしっかり水分を拭き取り、再び湿気がこもらないように風を通すことも忘れずに。

小さなお子さんやペットがいる家庭では、強い化学薬品を避けたいという声も多いです。そのような場合は、アルコールスプレー(消毒用エタノール)や重曹・クエン酸スプレーなど、比較的安全性の高い自然派クリーナーを使うのがおすすめです。
また、最近では植物由来の防カビ剤や、食品グレードの成分で作られた除菌シートなども市販されており、人体への影響が少ないため安心して使うことができます。重要なのは、「除去したあとも再発を防ぐ」こと。掃除のあとには防カビスプレーなどで仕上げをして、再びカビが生えにくい環境を整えるようにしましょう。

カビを除去したあと、油断していると再び同じ場所に発生してしまうことがよくあります。特に窓まわりは、結露やホコリが蓄積しやすいため、日常的なメンテナンスがとても重要です。ここでは、カビを寄せつけないために習慣にしたいチェックポイントと、再発を防ぐ生活の工夫をお伝えします。

窓まわりは「月に1〜2回」の頻度でチェック・掃除するのが理想です。特に冬と梅雨の時期は結露が起こりやすく、カビの繁殖条件がそろいやすい季節なので注意が必要です。サッシの溝やゴムパッキン、窓枠の角など、カビが好む「すき間」「湿った部分」「ホコリがたまりやすい場所」は重点的に見ましょう。
掃除の際は、掃除機でホコリを吸い取り→中性洗剤やアルコールで拭き→乾拭きして湿気を残さないという流れを習慣化すると、カビを防ぎやすくなります。特に晴れた日を選んで行うと、掃除後の乾燥もスムーズです。

窓のそばに家具をぴったり置いていたり、カーテンが窓に密着していたりすると、空気の流れが遮断され、湿気がこもってしまいます。家具は壁から数センチ離して設置し、カーテンも時々開けて風を通すことで、カビが生えにくい空間になります。
また、観葉植物を窓際に置く場合も要注意。植物の蒸散によって湿気が増え、結露の一因となることがあります。加湿器の置き場所や使いすぎにも気を配りましょう。
湿度が高くなりがちな部屋には、**湿度計を設置して「湿度の見える化」**をすると、タイミングよく換気や除湿ができるようになります。こうした小さな習慣の積み重ねが、カビのない快適な窓まわりを保つ秘訣です。

一般社団法人 微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を専門とする団体です。住環境におけるカビの問題は、健康への悪影響や建物の劣化といった深刻な被害を引き起こします。当協会は、そうしたリスクに対処するために、科学的根拠に基づいた調査・分析・改善提案を行い、安心で快適な暮らしを支援しています。

当協会の活動は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいています。この法律では、アレルギー疾患の予防と軽減のため、生活環境や建築構造の改善を推進することが定められており、微生物対策協会もその理念を実践しています。

主な活動内容は、建物内や車室内における微生物、特にカビの検査と分析です。空気中には目に見えない微細なカビの胞子が浮遊しており、それらの存在を「見える化」することで、より的確な対策が可能になります。
調査によって明らかになったカビの種類や濃度に応じて、最適な除去法や再発防止策をご提案。木材や壁材などに潜む“見えないカビ”も、特殊な検査により明確化し、住まいの安全性を高めるサポートを行っています。

現代の住宅は高気密・高断熱化が進み、湿気やカビが発生しやすい環境になっています。にもかかわらず、目に見えないために放置されがちな「空気の質」や「微生物の存在」。こうした見落としがちなリスクに気づき、対処することが、これからの健康的な住環境づくりには欠かせません。

微生物対策協会は、「健全な住環境で暮らす権利」を守るため、これからも調査・啓発・技術提供を通じて、社会に貢献してまいります。

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