一般社団法人
微生物対策協会

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2022/10/18   

住環境でのカビ

カビは、微生物の一種で「真菌」というグループの糸状菌で、きのこや酵母と同じ属性の微生物です。カビは成長するとコロニーと呼ばれる個体群を作ります。そのため、微生物のカビが見えるのです。

カビは、どんな場所にも生息していますが、とくにカビが発生しやすい原因としては

●ホコリや汚れがある場所

●気温が約25〜30℃の場所

●湿度が70%の場所

があります。汚れや湿気がある場所を好んで発生するため、掃除をしていない場所や水回りは、特に発生しやすい場所となります。

カビは世界に、約3万種類生息していると言われており、微生物の約30〜40%はカビとも言われ、将来的には20万種類に増えるとも言われているそうですが、ここでは、家中のどこにでも発生する「黒カビ」や、放置してしまったごはんやパンに発生することがある「赤カビ」など、日々の生活でよく見かけるカビをご紹介します。

☆ 黒カビ 黒カビは、カビの中でも最も一般的なものです。黒カビにも様々な種類がありますが、「クラドスポリウム」という種類がメジャーで、空気中に多く存在しています。黒カビの特徴としては除菌に弱く、アルコール消毒で簡単に取り除くことができます。毒性はないものの、吸い込むとアレルギーや気管支炎の原因となるので、エアコンなどの掃除はこまめに行う必要があります。

☆ 白カビ 白カビは、食べ物や家の中など様々な場所に発生します。白カビは白くてふわふわしているものや、塊になっているものなど見た目は様々です。白カビは青カビや黒カビの仲間で、中には強い毒性を持つものもあります。しかし、白カビはチーズに使われることもあり、種類によっては食べられることもあるのです。食べられる白カビは、カマンベールチーズやブリーチーズなどに使われています。味のクセはあまり強くなく、比較的食べやすいのが特徴です。

☆ 赤カビ 赤カビは、植物などを腐食させる作用を持つカビの種類です。野菜には「赤カビ病」というものがありますが、これも赤カビによって枯れてしまう病気です。また、毒性があるので人や家畜などが吸ってしまうと中毒症状を発症することもあります。この毒性は「マイコトキシン」と呼ばれるもので、酷い場合は免疫不全や重篤な中毒症状を引き起こすことがあります。お風呂などの水回りに生えるピンク色のカビは赤カビではなく、「ロドトルラ」という酵母菌です。赤カビではなく、中毒性はありませんが、放っておくと黒カビとなるので掃除はこまめに行う必要があります。

☆ 青カビ 青カビは一般的に「ツチアオカビ」とも呼ばれるもので、家の中で湿気が高いところに生えやすいカビです。カビの中でも発生しやすい種類で、食品に生えやすいのもこの青カビです。古くなったパンなどに生えるのもの青カビですが、ゴルゴンゾーラやブルーチーズなどのチーズ類にも使われています。

☆ 緑カビ 緑カビは、畳や木材などの湿気の多い場所で発生するのが特徴です。青カビと似ていますが「トリコデルマ」という青カビとは全くの別物です。トリコデルマは危険性が高く、吸い込んで体内に入ると下痢や腹痛といった中毒症状を起こすことがあります。そのため、カビた畳や家屋の中で生活していると体調不良を起こすことがあります。また、木材に発生してしまうと、劣化や腐敗の原因となります。特に梅雨の時期に発生しやすく、木造住宅にお住まいの方はメンテナンスが必要です。

☆ 黄カビ 黄カビの特徴は、湿度ではなく乾燥した場所に生えるのが他のカビと異なる特徴です。『カビ=湿度の高い場所』というイメージが強いですが、黄カビやオレンジ色のカビはガラスや刀剣・フィルムなど一見カビが生えなさそうな場所に発生します。カメラのレンズが曇るのは、黄カビが原因です。これらのカビは「カワキコウジカビ」という正式名称を持っており、空気中の湿気をエサとして乾燥した場所に生息します。建物だけではなく、青カビが発生できない保存食などの食品に発生することもあるので注意が必要です

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