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微生物対策協会

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2025/03/14   

塩田跡地に家を建てる前に!リスクと対策を徹底解説

塩田跡地に住宅を建てる際には、塩害や地盤の問題、法規制など多くの注意点があります。適切な対策をしなければ、建物の劣化が早まり、思わぬコストがかかる可能性があります。

【記事を読んで分かること】
塩田跡地に住宅を建てる際のリスクと対策、適した建材・工法、法規制のポイント、メリット・デメリット、成功事例について詳しく解説します。

【記事を読むメリット】
塩害を防ぎ、長持ちする住宅を建てるための知識が身につきます。塩田跡地の特徴を活かした理想の住まいづくりが可能になります。

塩田跡地は、かつて塩を生産していた場所のため、土地の性質が一般的な宅地とは異なります。塩害のリスクや地盤の状態を理解し、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、塩田跡地で住宅を建てる際に知っておくべきポイントを解説します。

塩害とは?

塩害とは、土壌や空気中に含まれる塩分が建築材料や植物に悪影響を及ぼす現象です。特に、かつて塩を生産していた塩田跡地では、地中に塩分が多く残っているため、以下のような影響が考えられます。

  • 建物の劣化:鉄筋コンクリートの鉄筋部分が塩分によって錆びやすくなり、建物の耐久性が低下する。
  • 給排水設備の腐食:塩分を含む土壌が水道管や下水管に影響を与え、長期的に腐食の原因となる。
  • 植栽の枯死:庭や敷地に植えた植物が、塩分の影響で育ちにくい場合がある。

塩害対策の方法

① 土壌改良を行う
塩田跡地の土壌には塩分が残っているため、住宅を建てる前に土壌改良を行うことが重要です。具体的には以下の方法があります。

  • 客土(きゃくど):塩分を含まない新しい土を上から入れて、塩害の影響を軽減する。
  • 排水システムの整備:地中の塩分を排出するため、暗渠(あんきょ)排水を整備する。
  • 土壌洗浄:大量の水を使用して土壌の塩分を洗い流す方法。

② 建築材料の選定
塩害に強い建材を使用することで、建物の劣化を防ぐことができます。

  • 鉄筋コンクリートには防錆処理を施す:鉄筋の表面に特殊な防錆塗料を塗ることで、腐食を防ぐ。
  • 耐塩害仕様の給排水管を使用する:ポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレン管を使用することで、腐食リスクを低減できる。
  • 外壁や屋根には耐候性の高い素材を:ステンレスや耐塩害塗料を施した金属素材を使用すると長持ちする。

③ 定期的なメンテナンスを行う
建物の劣化を防ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に以下の点に注意しましょう。

  • 金属部分の防錆処理を定期的にチェックする
  • 外壁や屋根の塗装を定期的に塗り替える
  • 給排水設備の腐食状況を確認し、必要に応じて交換する

塩田跡地の土壌の特徴

塩田跡地の土壌は、一般的な宅地と比較して特殊な性質を持っています。

  • 地盤が弱い:長年にわたる塩分の影響で、地盤が軟弱になっている場合がある。
  • 塩分が含まれている:地中に塩分が残っており、建材や植物に影響を与える。
  • 地下水位が高い:塩田はもともと水を利用する場所だったため、地下水位が高いことが多い。

塩田跡地での住宅建築の注意点

① 地盤調査を必ず行う
塩田跡地で住宅を建てる際は、事前に地盤調査を行い、適切な基礎工事を計画することが大切です。

  • 地耐力調査を実施し、基礎の強化が必要か確認する。
  • 軟弱地盤の場合は、杭(くい)工法や地盤改良工事を検討する。

② 地盤改良を検討する
地盤が弱い場合、以下のような地盤改良を行うことで、安定した基礎を作ることができます。

  • 柱状改良:セメント系固化剤を地盤に注入し、支持力を高める方法。
  • 鋼管杭(こうかんくい)工法:鋼製の杭を打ち込み、建物を支える方法。

③ 浸水対策を考慮する
地下水位が高い塩田跡地では、大雨時の浸水リスクがあるため、以下の対策を検討しましょう。

  • 地盤を高くする:盛土をして建物の基礎を高くすることで、浸水リスクを軽減できる。
  • 排水設備を強化する:周囲に排水溝を整備し、大雨時の水はけを良くする。
  • 地下室の設置は慎重に:地下水位が高い場合、地下室の設計には防水対策が必須となる。

塩田跡地では、塩害による建物の劣化を防ぐために、適切な建材や工法を選ぶことが重要です。特に、金属の腐食対策や湿気対策を考慮することで、住宅の耐久性を向上させることができます。ここでは、塩害に強い建材の選び方と、住宅の長寿命化を実現する工法について解説します。

1. 鉄筋コンクリート(RC造)は要注意!防錆処理が必須

塩田跡地では、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物を建てる場合、特に鉄筋部分の錆対策が重要です。塩分が鉄筋に付着すると腐食が進み、コンクリートの膨張・ひび割れにつながります。

対策としては以下の方法があります。

  • 防錆処理済みの鉄筋を使用する:エポキシ樹脂塗装や亜鉛メッキ処理された鉄筋を選ぶ。
  • コンクリートの水セメント比を低くする:水分が少ないコンクリートは密度が高く、塩分の侵入を防ぎやすい。
  • 表面を塩害防止塗料でコーティングする:耐塩害仕様の塗料を使用し、コンクリート表面を保護する。

2. 木造住宅は適切な防腐処理を施す

木造住宅は、湿気の多い塩田跡地ではカビや腐朽菌のリスクが高いため、適切な防腐処理が欠かせません。

塩田跡地に適した木材の選び方

  • 防腐処理された木材を使用する:加圧注入処理(ACQ処理)を施した木材は耐久性が高い。
  • 人工乾燥(KD材)の木材を選ぶ:水分が少ない木材は腐りにくく、耐久性が向上する。
  • 外壁や柱は塩害に強い素材を使用する:アルミやガルバリウム鋼板を使用すると、腐食を防げる。

3. 金属部材はステンレス・アルミ・ガルバリウム鋼板を選ぶ

塩分を含む空気が金属部分に付着すると、錆びや腐食が進行しやすくなります。そのため、金属素材の選択が重要です。

推奨される素材

  • ステンレス(SUS304・SUS316):耐塩害性が高く、錆びにくい。特にSUS316は海沿いの環境に強い。
  • アルミニウム:軽量で錆びにくいが、強度を考慮しながら使用する必要がある。
  • ガルバリウム鋼板:アルミ・亜鉛・シリコンの合金メッキで、耐久性が高い。

1. 基礎部分の対策(湿気・塩分対策)

塩田跡地では、地下水位が高く湿気がこもりやすいため、基礎部分の施工が重要です。

推奨される基礎工法

  • ベタ基礎を採用する:地盤全体をコンクリートで覆うことで、湿気や塩分の影響を軽減できる。
  • 基礎部分に防湿シートを敷く:地中からの湿気の上昇を防ぎ、カビや腐食を抑える。
  • 基礎の表面に防錆塗料を施す:コンクリートの中性化を防ぎ、塩害による劣化を抑える。

2. 屋根・外壁の防錆・防湿対策

外壁や屋根部分は、塩害や湿気の影響を最も受けやすいため、適切な素材や施工方法を選ぶことが重要です。

屋根の推奨素材

  • ガルバリウム鋼板:軽量で耐久性が高く、錆びにくい。
  • ステンレス屋根:塩害に強く、耐用年数が長い。
  • 陶器瓦:耐久性が高く、塩害の影響を受けにくい。

外壁の推奨素材

  • 塩害対策済みのサイディングボード:防水・防塩仕様の外壁材を選ぶ。
  • モルタル+防水塗装:撥水性の高い塗料を使用し、塩害を防ぐ。
  • 金属サイディング(ガルバリウム鋼板):塩害に強く、メンテナンスがしやすい。

3. 通気・換気システムの導入(湿気対策)

湿気がこもると、建物の劣化やカビの発生リスクが高まります。そこで、通気や換気を意識した設計が必要です。

湿気対策として有効な工法

  • 床下換気を強化する:基礎部分に換気口を増やし、湿気を逃がす。
  • 外壁通気工法を採用する:外壁と躯体の間に通気層を設け、内部結露を防ぐ。
  • 24時間換気システムを導入する:空気を循環させ、湿気をコントロールする。

塩田跡地に住宅を建てる際は、一般的な宅地と異なり、土地利用の規制や環境影響評価などの手続きが必要になることがあります。特に、地盤の安全性や環境保全の観点から、自治体の許可が求められる場合もあるため、事前に確認しておくことが重要です。ここでは、塩田跡地での住宅建築に関する法規制と必要な手続きについて詳しく解説します。

1. 塩田跡地の土地利用区分を確認する

塩田跡地は、もともと工業用地や農業用地として使われていたケースが多く、住宅建築が制限される場合があります。まずは、自治体の都市計画における「用途地域」を確認しましょう。

  • 市街化区域:住宅建築が可能だが、用途地域によって建築制限が異なる。
  • 市街化調整区域:住宅建築が原則として制限されており、特別な許可が必要。
  • 工業地域・準工業地域:住宅建築が制限されることがあるため、用途変更の手続きが必要。

2. 宅地造成許可が必要な場合がある

塩田跡地は元々水を多く含んだ土地であり、宅地化する際には造成工事が必要になる場合があります。造成工事を行う際は、「宅地造成等規制法」に基づく許可が必要となることがあります。

  • 土地の高さを1m以上変える場合:自治体の許可が必要になることが多い。
  • 排水設備の整備が求められることがある:塩分を含んだ水の排出が問題となる場合、特別な排水処理が求められることもある。

3. 環境影響評価(アセスメント)の対象となる場合も

塩田跡地には、湿地や生態系が残っていることがあり、大規模な開発を行う際には「環境影響評価法(環境アセスメント)」の対象となる場合があります。

  • 広範囲の土地改変を伴う場合:地元自治体の環境保護基準を満たす必要がある。
  • 地下水や排水の処理が問題となる場合:地下水汚染を防ぐため、特別な対策が求められることがある。

1. 環境への影響を考慮した開発が求められる

塩田跡地の開発では、周辺環境への影響を考慮することが求められます。特に、以下の点に注意が必要です。

  • 地下水の塩分濃度:掘削工事などによって地下水の流れが変わり、塩害が発生する可能性がある。
  • 動植物への影響:塩田の跡地には湿地が残ることがあり、特定の生態系が形成されていることがある。

2. 住民説明会や意見調整が必要になる場合がある

塩田跡地の開発は、周辺地域の住民に影響を与える可能性があるため、自治体によっては住民説明会の開催が求められることがあります。

住民とのトラブルを避けるために

  • 開発計画を明確にし、事前に説明を行う。
  • 塩害や環境への影響を最小限に抑える工法を採用する。
  • 排水対策や緑化計画など、地域の環境改善にも配慮する。

塩田跡地に住宅を建てることには、土地の価格や立地条件などのメリットがある一方で、塩害や地盤の問題などのデメリットも存在します。購入や建築を検討する際には、それぞれのポイントを正しく理解し、適切な対策を講じることが大切です。ここでは、塩田跡地の住宅のメリットとデメリットについて詳しく解説します。

1. 比較的安価な土地価格

塩田跡地は、宅地としての利用が進んでいないケースが多く、市街地に比べて土地価格が安価なことが一般的です。

  • 広い敷地を確保しやすい → 都市部と比べて、比較的安い価格で広い土地を取得できる。
  • 予算を住宅設備や建築品質向上に回せる → 土地取得費用を抑えることで、建築コストに充てられる。

2. 立地条件が良い場合が多い

塩田跡地は、かつて水の確保が容易な場所に作られていたため、交通アクセスが良い立地にあることが多いです。

  • 海や川に近い → 自然環境を活かした景観の良い住宅を建てられる。
  • 平坦な地形が多い → 造成工事の手間が少なく、バリアフリーな設計がしやすい。

3. 地域の再開発が進む可能性がある

自治体によっては、塩田跡地を宅地として再開発する計画が進められているケースもあります。

  • 新しい住宅地としての価値が向上 → 生活環境が整い、将来的に地価が上昇する可能性も。
  • インフラ整備が進む → 道路や公共施設の整備が進み、住みやすい環境が整うことがある。

1. 塩害による建物の劣化リスク

塩田跡地は地中や空気中に塩分を含んでいるため、金属の腐食や建材の劣化が進みやすいです。

解決策

  • 塩害に強い建材(ステンレス、ガルバリウム鋼板など)を使用する。
  • 鉄筋コンクリートには防錆処理を施し、耐塩害塗装を活用する。
  • 定期的なメンテナンスを行い、錆や劣化の進行を防ぐ。

2. 地盤の弱さと沈下リスク

塩田跡地は水を多く含む地盤が多く、地盤沈下や液状化のリスクがあります。

解決策

  • 建築前に地盤調査を行い、適切な基礎工法を採用する。
  • 杭打ち工法や柱状改良を行い、強固な基礎を作る。
  • 盛土を行い、地盤を安定させる対策を講じる。

3. 湿気やカビの発生リスク

塩田跡地は湿気が多く、カビや結露が発生しやすい環境です。

解決策

  • 床下換気を強化し、通気性を確保する。
  • 外壁通気工法を採用し、建物内部の湿気を逃がす。
  • 24時間換気システムを導入し、室内の湿度を一定に保つ。

4. 災害時のリスク(高潮・浸水)

塩田跡地は海や川に近い場所が多く、高潮や洪水のリスクが高いことがあります。

解決策

  • ハザードマップを確認し、浸水リスクの低い土地を選ぶ。
  • 地盤を高くする(盛土や高基礎工法を採用する)。
  • 防潮堤や排水設備の整備状況を確認し、自治体と連携した対策を行う。

塩田跡地に住宅を建てた事例を見てみると、適切な対策を講じることで安全で快適な住環境を実現しているケースが多くあります。また、近年では環境に配慮した再開発が進んでおり、持続可能な住宅地としての可能性も注目されています。ここでは、実際の成功事例と、今後の展望について詳しく解説します。

1. 瀬戸内エリアの塩田跡地再開発(広島県・香川県)

瀬戸内地方では、かつての塩田跡地が再開発され、住宅地や商業施設として活用される事例が増えています。

成功ポイント

  • 土地の区画整理と地盤改良を徹底 → 盛土や地盤改良を実施し、沈下や液状化のリスクを低減。
  • 塩害に強い建材を採用 → ガルバリウム鋼板や耐塩害仕様のコンクリートを使用。
  • 周辺環境を活かした開発 → 海に近い立地を生かし、リゾート型住宅や商業施設を整備。

✨ 結果:不動産価値が向上し、人気のエリアに!

2. 関東地方の塩田跡地を活用したエコ住宅地

関東地方のある自治体では、塩田跡地をエコ住宅地として再開発。太陽光発電や雨水再利用システムを導入し、環境に配慮した住宅地が誕生しました。

成功ポイント

  • 塩害対策とエコ技術の融合 → 塩害に強い建材を使用し、エコ住宅仕様に。
  • 緑地や公園を整備 → 環境に優しい街づくりを推進。
  • インフラ整備と交通アクセスの向上 → 新しい道路や公共交通機関の整備が進み、利便性が向上。

✨ 結果:持続可能な住宅地として評価され、移住者が増加!

1. 環境に優しいまちづくりが進む

塩田跡地の再開発では、持続可能なまちづくりが求められています。近年のトレンドとして、以下のような要素が取り入れられています。

  • 再生可能エネルギーの活用 → 太陽光発電や地熱利用を導入。
  • 防災対策の強化 → 高台化や排水システムの整備で、災害に強い街づくりを推進。
  • 緑化による環境改善 → 植栽を増やし、塩害や強風を防ぐ工夫。

2. 地域活性化と経済効果

塩田跡地の住宅開発が進むことで、地域の経済活性化にもつながります。

  • 住宅地の整備による移住者の増加 → 人口流入が進み、地域の活性化につながる。
  • 商業施設や観光地の開発 → 海沿いの特性を活かし、観光地としての価値を向上。
  • 地元産業の発展 → 建築業や環境ビジネスが発展し、雇用創出につながる。

✨ 未来の展望:塩田跡地が「新しいまちづくりのモデルケース」になる可能性も!

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を中心に、住環境の安全性向上を目指す団体です。私たちは、カビによる健康被害や建物の劣化リスクに対処し、室内空気の「見える化」によって、健全な住環境づくりを推進しています。

当協会の活動の法的根拠は、平成27年に施行された**「アレルギー疾患対策基本法」**に基づいています。この法律では、アレルギー疾患の予防や症状軽減のために、生活環境の改善や建築構造の見直しが求められています。これを受け、私たちは微生物(特にカビ)による健康リスクの研究や、具体的な対策の普及に努めています。

協会の目的

微生物対策協会の目的は、環境微生物災害から住まいと生活環境を守ることです。室内や車内の空気中には、目に見えない微生物が浮遊しており、健康に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクを認識し、理解を深めることで、公衆衛生の向上や環境保全に貢献していきます。

主な活動内容

🔹 カビの検査・調査:室内空気の測定を行い、浮遊微生物の有無や濃度を可視化します。
🔹 微生物対策の提案:発生したカビの特性を分析し、適切な除去・予防方法をアドバイスします。
🔹 住環境の改善支援:カビによる建物の劣化防止や健康被害対策に関する情報提供を行います。

特に塩田跡地の住宅では、高湿度や塩害によりカビが発生しやすい環境になることがあります。そのため、適切な換気・防カビ対策が欠かせません。当協会では、こうした特殊な環境での微生物対策にも対応し、安全で快適な住まいづくりをサポートしています。

今後も、皆様の健康と快適な住環境を守るため、微生物対策の専門機関として活動を続けていきます。住宅や建物のカビ対策についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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