一般社団法人
微生物対策協会

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2025/05/30   

「ベッド下がカビ臭い?今すぐできる除去と予防の方法」

ベッド下に発生するカビは気づきにくく、健康や家具に深刻な被害を与える恐れがあります。
【記事を読んで分かること】ベッド下のカビの原因・見分け方・除去法から再発防止まで具体的に紹介しています。
【記事を読むメリット】寝室の空気と環境を清潔に保ち、安心して快適な睡眠を得るための実践的な対策がわかります。

ベッド下は、ふだん目にすることが少なく、掃除や換気も行き届きにくいため、湿気がたまりやすくカビが繁殖しやすい環境です。ここではまず、ベッド下に湿気がこもる原因と、気づかぬうちにカビを招いてしまう生活習慣について詳しく見ていきましょう。

ベッドの下は家具や壁に囲まれていることが多く、空気の通り道が確保されていません。そのため、日常的に発生する室内の湿気がたまりやすく、特にフローリングの上に直接ベッドを置いている場合、空気の流れがほとんどなくなってしまいます。

加えて、冬場など暖房を使用する時期は室内外の温度差によって結露が発生しやすく、床やベッド下に水分がたまりがちです。また、湿気は下にたまる性質があるため、室内の水蒸気や汗の蒸発分が床に降りていき、逃げ場を失ってベッド下に滞留してしまうのです。

このようにして湿度が高くなると、カビの好む温度・栄養・水分が揃い、あっという間に繁殖を始めます。空気の流れを意識するだけで、カビの発生を大幅に抑えることができるのです。

カビの原因は湿気だけではありません。日常のちょっとした習慣も、実はカビの発生を助けていることがあります。たとえば、布団を敷きっぱなしにする習慣や、ベッド下に物を収納しすぎている状態は、空気の流れを妨げ、湿気がこもる要因になります。

また、部屋干しをしている寝室では、洗濯物の水分が室内全体の湿度を上げるため、特に床やベッド下がカビやすくなります。さらに、ペットの水や加湿器の蒸気などが直接床に落ちることも、カビの原因になります。

意外と見落としがちなのがベッドマットレスの通気性の低さです。密度の高いマットレスや裏面に通気穴のない製品は、湿気が逃げにくいため、ベッド下に湿気がたまりやすくなります。生活スタイルを少し見直すだけで、カビのリスクを大きく減らすことができます。

ベッド下のカビは、放置すると健康被害や家具の劣化につながるため、早めの発見がとても重要です。ここでは、カビの初期サインの見分け方や、見逃されやすいベッドのタイプ別の注意点についてご紹介します。

カビを見つけるために最も手がかりとなるのが、「におい」と「見た目」です。まずは、カビ特有のツンとした酸っぱいようなにおいが漂っていないか確認しましょう。これは「カビ臭」と呼ばれ、カビの胞子が空気中に拡散しているサインです。

また、ベッド下の床やフレーム部分、マットレスの裏側などに黒やグレー、緑がかった斑点が見えたら、それはカビの可能性が非常に高いです。特にホコリがたまりやすい場所では、カビがホコリに付着して増殖しやすく、ぱっと見では「ただの汚れ」に見えることもあります。

床面だけでなく、ベッド下に収納ケースや段ボールを置いている場合は、それらの底面や接触面にも注意が必要です。湿気がこもる場所には、目に見えるよりも広い範囲でカビが広がっていることがあるため、定期的な点検が欠かせません。

ベッドの種類によっては、カビの発生に気づきにくい構造になっていることがあります。特にローベッドフロアベッドと呼ばれる、床に近いタイプのベッドは、空気の流れが非常に悪く、湿気がたまりやすいためカビの温床になりやすいです。

また、収納付きベッド引き出し付きタイプは、ベッド下に通気の隙間がほとんどないため、湿気が抜けにくくなります。収納スペースに衣類や布製品を入れていると、カビが発生したときに気づかないまま被害が広がってしまうこともあります。

加えて、マットレスとベッドフレームの間も見落としがちなポイントです。通気性の悪いマットレスや、床板がすのこでないベッドでは、この隙間に湿気がこもってしまい、裏面にカビがびっしり生えることもあります。

カビの発生を防ぐには、こうした見えにくい箇所に注意を払い、月に一度でもよいのでベッド下を点検する習慣をつけることが効果的です。

ベッド下にカビを見つけたら、まずは慌てず冷静に対処しましょう。カビは見た目以上に広がっている可能性があるため、丁寧に除去することが大切です。ここでは、自宅でできる安全な掃除方法と、使うべき道具・注意点について解説します。

まず、掃除を始める前にマスク・ゴム手袋・換気は必須です。カビの胞子を吸い込まないようにしながら、作業する空間の空気をしっかり入れ替えましょう。

最初に行うのは、カビの拭き取りです。水に中性洗剤を混ぜたぬるま湯で布を湿らせ、カビのある部分を優しく拭き取ります。この時、こすりすぎると胞子が飛散するため注意が必要です。次に、エタノール(消毒用アルコール)やカビ取りスプレーを使って除菌を行います。吹きかけたら数分置き、その後は乾いた布でしっかり拭き取りましょう。

拭き取りが終わったら、扇風機やドライヤーなどでしっかり乾燥させることが重要です。湿気が残ったままだと再びカビが生えてしまいます。作業後は使った布や手袋などを密封して捨て、手洗いと換気を再度行ってください。

カビ除去に使用する道具は、マスク・ゴム手袋・布数枚・消毒用エタノール・霧吹きボトル・中性洗剤が基本です。カビ専用スプレーも市販されていますが、使用前には必ず目立たない場所で試して、変色などが起きないか確認してください。

塩素系漂白剤は強力ですが、木材やフローリングにはダメージを与えることがあるため注意が必要です。また、狭いベッド下で使う場合は強い臭いがこもりやすく、吸い込むと体調不良を招くこともあるため、十分な換気を行うか、無理せず他の方法を選びましょう。

どうしても手が届かない場所や、広範囲にカビが発生している場合は、無理をせず業者への相談も検討しましょう。自己流で中途半端に終わらせると、根本解決にはならず再発のリスクが高くなります。

カビを取り除いたあとでも、湿気の多い環境が続けば再び発生するリスクがあります。再発を防ぐためには、「湿気をためない仕組みづくり」が必要不可欠です。ここでは、部屋のレイアウトの工夫や、実際に役立つアイテムをご紹介します。

ベッド下にカビを発生させないためには、空気の通り道をしっかり確保することが最優先です。まず、ベッドを壁から少し離して設置するだけでも空気の流れが生まれ、湿気がこもりにくくなります。

また、ローベッドや収納付きベッドなど通気性が悪いタイプは、構造的に湿気が逃げにくいため注意が必要です。ベッドフレームをすのこタイプに変える、もしくは床との間にすのこを敷くことで空気の通り道を作ることができます。

さらに、日中に布団を上げてマットレスの下に風を通す習慣を持つと、寝汗や湿気がこもりにくくなります。寝室自体の換気も重要で、特に雨の日や冬場の閉め切った状態が続かないよう意識的に空気を入れ替えましょう。

湿気対策には便利なアイテムを活用することも効果的です。まず、ベッド下用の除湿シートは手軽に使えるアイテムとして人気です。湿気を吸い取り、色が変わるタイプなら交換のタイミングもわかりやすくなっています。

また、**床との間に敷く「すのこマット」**は、通気性を大幅に改善する定番アイテムです。軽量なプラスチック製から丈夫な木製まで種類が豊富で、ベッドのサイズや重さに合わせて選ぶことができます。

さらに、小型のデジタル湿度計をベッド下に設置すれば、目に見えない湿度の変化を把握できます。湿度が60%を超えるとカビが繁殖しやすくなるため、定期的に確認し、必要に応じて除湿機サーキュレーターで環境を整えましょう。

これらの対策を組み合わせることで、カビが再発しない清潔なベッド下環境を維持できます。

ベッド下のカビは目につきにくいため、「少しぐらいなら大丈夫」とそのままにしてしまう人も少なくありません。しかし、カビを放置することには重大な健康被害や、家財の損傷といったリスクが伴います。ここでは、その影響と注意点について解説します。

カビが繁殖すると、その胞子が空気中に放出されます。この胞子は目に見えないほど小さく、呼吸とともに体内に取り込まれてしまいます。特に、喘息・アレルギー性鼻炎・皮膚炎といった症状を持つ方には強い刺激となり、症状の悪化を招くことがあります。

さらに、ベッドは1日のうち長時間を過ごす場所です。その下にカビが繁殖している状態が続くと、寝ている間ずっとカビの胞子を吸い込むリスクが高まり、健康を脅かす可能性があります。小さな子どもや高齢者、免疫力の低下している方にとっては、特に注意が必要です。

症状が慢性化すると生活の質が下がるだけでなく、医療費の負担も増えてしまうため、早期の対処が非常に大切です。

カビは見た目だけの問題ではなく、木材や布地を劣化させる性質があります。たとえば、ベッドフレームが木製の場合、カビが繰り返し発生することで素材が腐食・変色し、最悪の場合は破損につながることもあります。

また、カビはベッド下だけにとどまらず、床材や壁面にまで広がることがあります。フローリングに黒ずみができたり、畳が湿気を含んでブカブカになるなど、補修・交換が必要になるケースも珍しくありません。

これらの修繕には当然費用がかかりますし、作業のために家具の移動や一時的な生活の制限も必要になることがあります。こうした状況を避けるためにも、「少しカビ臭いかも?」と感じた段階でこまめに確認し、早めに対策を取ることが経済的にも賢明です。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」に特化した専門機関として設立されました。現代の住宅では、カビによる健康被害や建物の劣化が深刻な問題となっており、これらに対応するために、私たちは空気中の微生物を**「見える化」**し、科学的な手法で健全な住環境を守る活動を行っています。

この活動の法的根拠となっているのが、平成27年に施行された**「アレルギー疾患対策基本法」**です。この法律は、アレルギー疾患の予防や症状軽減のために、生活環境の改善を推進することを目的としており、当協会はこの理念に基づき、室内空気の健全化を目指して日々取り組んでいます。

協会の目的は、室内や車室内に浮遊する微生物、特にカビがもたらすリスクを正しく理解し、その認知を広めることで公衆衛生の向上に寄与することです。また、保健医療・福祉・環境保全といった広範な分野にも関与し、人々の暮らしをより安全で快適なものにすることを目指しています。

私たちは、空気中の汚染物質を「見えないから仕方ない」と諦めるのではなく、その有無や濃度を測定し、可視化することで、効果的な対策を可能にしています。特に建物内で多く見られるカビ菌は、空気中を浮遊し、落下しても死滅せず、じわじわと被害を広げていく非常に厄介な存在です。

このため、見えないカビのリスクを早期に把握し、的確な対策を講じることが、現代においては重要な生活防衛手段といえます。当協会では、専門的な知識と技術をもとに、安心・安全な住環境づくりを総合的にサポートしています。

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