2025/06/13
マットレスに黒いシミや嫌なニオイが現れたら、それはカビかもしれません。
【記事を読んで分かること】マットレスにカビが生える原因と掃除・予防法、買い替え判断のポイントが分かります。
【記事を読むメリット】再発を防ぎながら、清潔で安心して眠れる寝室環境を手に入れられます。
1. マットレスにカビが生える主な原因とは?
マットレスに発生するカビは、見た目にはわかりづらいことも多く、気づいたときには広範囲に広がっていることがあります。カビの原因は単に「汚れ」ではなく、湿度や通気性、日々の使い方にも深く関係しています。まずは、なぜマットレスにカビが生えるのか、基本的な原因を確認しましょう。
1-1. 湿気と通気性の悪さがカビの発生源に
カビは「湿気」「栄養」「温度」の3条件がそろうと急速に増殖します。マットレスは人が毎晩寝ることで汗や体温を吸収し、湿度が高まりやすい場所です。とくに湿気がこもりやすい構造のマットレスや、床に直接置いた状態のマットレスは、カビの温床になりやすい傾向があります。
■ 湿気をためやすいマットレスの特徴
- 床に直置きされている
- 裏返しや立てかけをしていない
- 布団乾燥機や除湿器を使っていない
- 通気性の悪い材質(低反発ウレタンなど)
また、部屋の気密性が高く、日中に換気をしていないと、湿度が下がらずカビが繁殖しやすくなります。カビは「60%以上の湿度」「20~30℃の室温」で活発になるため、特に梅雨や冬の結露が多い時期は注意が必要です。
1-2. 日常の使い方に潜むカビリスクとは
マットレスのカビは、「正しく使っていない」ことも原因になります。通気性の良いマットレスでも、使い方次第では湿気が抜けずにカビが繁殖してしまいます。
■ 見落とされがちな習慣
- シーツやカバーを長期間洗わない
- 寝汗をかいてもすぐに布団を干さない
- 起床後すぐにベッドメイクして湿気を閉じ込める
- エアコン・除湿器を使わないまま換気もせず閉め切る
特に注意すべきは「敷きっぱなし」です。マットレスや布団は寝ている間に湿気を吸いますが、敷きっぱなしでは乾く時間がなく、カビが繁殖しやすい状態が続きます。こまめな乾燥や空気の入れ替えを意識しないと、気づかぬうちにカビの温床をつくってしまいます。
2. カビを発見したときの正しい対処法
マットレスに黒い点やシミを見つけたら、それはカビの可能性が高いです。間違った掃除方法ではカビを広げたり、マットレスを傷めてしまったりすることもあります。この章では、安全かつ効果的にマットレスのカビを除去する方法と、やってはいけないNG行動について詳しく解説します。
2-1. 自宅でできるマットレスのカビ掃除手順
軽度のカビであれば、専門業者に依頼しなくても自宅で対処可能です。大切なのは、カビを広げず、吸い込まず、安全に取り除くこと。以下の手順で実践してみましょう。
■ 用意するもの
- 消毒用エタノール(濃度70〜80%)
- 使い捨ての布巾またはペーパータオル
- ゴム手袋・マスク・保護メガネ(できれば)
- 掃除機(HEPAフィルター付き推奨)
- 扇風機やサーキュレーター
■ 手順
- 換気をしっかり行い、マスク・手袋を装着する
- カビが発生した部分にエタノールをたっぷりスプレーし、10分放置
- カビ部分をやさしく押し拭きして取り除く(こすらない)
- もう一度エタノールをスプレーして自然乾燥させる
- 完全に乾いたら掃除機で表面を吸引し、胞子を取り除く
■ 注意点
- 洗剤や水を使うのはNG:湿気が逆効果になる
- こすりすぎない:カビの胞子が広がる原因に
- 拭き取った布巾は密閉してすぐに廃棄する
掃除後は必ず部屋全体を換気し、マットレスを立てかけて裏側まで完全に乾かすことも忘れないようにしましょう。
2-2. 注意すべきNG行動とその理由
「とりあえず拭けばいい」「洗えば大丈夫」と思っていませんか? 実は、間違った対応はカビの再発を招くだけでなく、健康被害を引き起こすこともあります。以下のNG行動には要注意です。
■ やってはいけない対応例
- 濡れタオルで水拭きする
→ 水分がカビの栄養源になり、かえって繁殖を促進します。 - 漂白剤を直接スプレーする
→ 強すぎる成分がマットレスの素材を劣化させたり、子どもやペットに影響を与える恐れがあります。 - ドライヤーで部分的に乾かすだけ
→ 表面だけ乾いて、内部は湿ったまま。見えないカビが増殖する原因に。 - 掃除後にすぐカバーや布団をかける
→ 湿気が逃げず、再発しやすい環境がそのまま残ります。
一見正しく思える行動でも、逆効果になることがあります。カビは「除去」「乾燥」「換気」の3点セットでしっかり対策することが重要です。
3. カビの再発を防ぐ湿気・通気対策の基本
マットレスからカビを取り除いても、環境が変わらなければ再発する可能性が高いです。とくに湿気と空気の滞留は、カビにとって格好の繁殖条件。ここでは、日常的にできる湿気対策と、通気性を高めるための工夫を解説します。
3-1. 日常的にできる除湿と換気のコツ
カビを防ぐには、湿度をコントロールする習慣が欠かせません。特別なことをしなくても、ちょっとした工夫を日常に取り入れるだけで予防効果が高まります。
■ 毎日のルーティンにするべきこと
- 起床後は布団をめくってマットレスを空気にさらす
- 窓を1日1〜2回、10〜15分開けてしっかり換気する
- エアコンの除湿機能や除湿器を活用して室内湿度を50~60%に保つ
- 寝室に湿度計を設置し、数値で管理する
湿気は「目に見えないから」こそ、意識して対策しなければなりません。特に冬場や梅雨時期は、結露や閉め切りがちな環境が湿気をためこみやすいため、日々の換気と除湿が重要になります。
3-2. ベッドフレームやすのこで通気性アップ
マットレスの下に湿気がこもると、掃除してもまたカビが発生してしまいます。そんな時に効果的なのが、「空気の通り道」を作る工夫です。
■ 通気性を高めるためのアイデア
- すのこベッドやすのこマットを使ってマットレスの下に空間を確保
- 脚付きベッドフレームを使って、床との距離をとる
- マットレスを週1回立てて乾燥させる習慣をつける
- ベッド下に除湿シートや竹炭・珪藻土アイテムを設置して湿気を吸収
■ 直置きは避けるべき理由
マットレスを床に直に敷くと、床からの冷気で結露が発生しやすくなり、裏側にカビがびっしり生えるリスクがあります。特に畳やフローリングでは、思っている以上に湿気が溜まりやすいので注意が必要です。
「湿気を逃がす」と「風を通す」、この2つの視点を持って寝室環境を整えることで、カビの再発は大きく防げます。
4. カビが生えにくいマットレス選びと使い方
カビ対策を根本から考えるなら、マットレスそのものの選び方が非常に重要です。素材や構造によって通気性が大きく異なり、日々の使い方次第でカビのリスクも変わります。この章では、カビに強いマットレスの選び方と、正しい使い方について解説します。
4-1. 素材・構造で選ぶ防カビ性能の高いマットレス
マットレス選びのポイントは、通気性・速乾性・防菌性に優れているかどうかです。以下のような素材・構造を選ぶと、カビの発生を抑えることができます。
■ 防カビにおすすめのマットレス素材
- ファイバーマットレス(高反発):中空構造で通気性抜群。水洗い可能なものもあり衛生的。
- ラテックス(天然ゴム):防菌・防カビ性が高い。ただし湿気がこもらない環境が前提。
- ポリエステル綿・メッシュタイプ:速乾性があり湿気が抜けやすい。
■ 避けたほうがよい素材
- 低反発ウレタン:密度が高く通気性が悪いため湿気がこもりやすい。
- 綿入り敷布団(厚手):乾きにくく、湿気が逃げづらい。
また、マットレスの厚みがあるほど内部の湿気がこもりやすいため、分割型や通気構造のマットレスを選ぶのも有効です。
4-2. 正しい敷き方とメンテナンス習慣
どんなにカビに強いマットレスでも、使い方を間違えればカビは生えます。日常的な「使い方とお手入れ」が、防カビの決め手になります。
■ カビを防ぐ使い方の基本
- マットレスは直接床に置かず、ベッドフレームやすのこを活用
- 週1回は立てかけて裏面まで乾燥させる
- 毎朝、布団を開いて湿気を逃がす
- シーツやカバーは週1〜2回洗濯・交換
- 季節の変わり目には布団乾燥機や天日干しでリセット
■ おすすめのプラス習慣
- 除湿シートや竹炭などをマットレス下に敷く
- 湿気がこもりやすい部屋では除湿機を併用
- 寝具専用の防カビスプレーを定期的に使う
使い方次第で、マットレスの寿命と清潔さは大きく変わります。毎日の積み重ねこそが最も効果的なカビ対策です。
5. それでもダメなら?買い替え・業者依頼の判断基準
徹底的に掃除し、湿気対策や通気性も見直したのに、それでもカビが再発する…そんなときは、マットレスの買い替えや専門業者への依頼を検討するべきタイミングかもしれません。ここでは、自己対処では難しいケースの見極め方と、信頼できるプロに任せる基準をご紹介します。
5-1. 買い替えが必要なカビの見極め方
カビの発生が繰り返される場合、それはマットレスの内部にまでカビの根が侵食している状態かもしれません。次のような症状があれば、衛生面から見ても買い替えをおすすめします。
■ 買い替えの判断ポイント
- 黒カビの範囲が広く、10cm以上に拡大している
- カビ臭が消えない、むしろ強くなってきた
- 掃除しても再発を繰り返している
- 使っているとアレルギー症状(咳・鼻炎・かゆみ)が出る
- マットレスの使用年数が5年以上
マットレスは長年使っていると、カビだけでなくダニやホコリも内部に蓄積されていきます。衛生的にも体調的にも、新しいマットレスに買い替えることが最良の選択になることもあります。
5-2. プロに任せるべきケースと業者選びのポイント
「買い替えはもったいない…」という場合は、専門のクリーニング業者に依頼する選択肢もあります。自宅で落としきれないカビやニオイも、プロなら適切な処置が可能です。
■ 業者依頼が効果的なケース
- カビが深く染み込んで取れない
- 寝具全体から異臭がする
- 高価なマットレスなので簡単に買い替えたくない
- 赤ちゃんや高齢者が使うため、徹底除菌したい
■ 業者選びで確認すべきポイント
- 「防カビ処理」「抗菌処理」に対応しているか
- 出張サービスの有無や費用感(目安:1〜2万円程度)
- 施工事例や口コミが掲載されているか
- 洗浄後の乾燥・仕上げ方法までしっかり説明しているか
また、近年ではマットレス専用の宅配クリーニングサービスも普及しており、自宅から手軽に依頼できる業者も増えています。自力で限界を感じたら、早めにプロに任せることで、健康被害のリスクも軽減できます。
一般社団法人 微生物対策協会について
一般社団法人 微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を専門とする団体として設立されました。カビによる健康被害や、建物・住環境の劣化などに対応するため、私たちは室内空気の「見える化」によって、誰もが安心して過ごせる健全な住環境の実現を目指しています。
活動の法的根拠は、平成27年に施行された**「アレルギー疾患対策基本法」**に基づいています。この法律では、「アレルギー疾患の予防および症状の軽減を図るため、生活環境の改善などの対策を推進する」ことが明記されており、当協会はこの理念に沿って行動しています。
当協会の主な目的と活動内容は以下の通りです:
- カビや細菌をはじめとする空気中の微生物調査・検査
- 室内空間や車内環境の微生物によるリスク評価と対策指導
- カビなどによる健康被害や建材の劣化を防ぐ環境改善アドバイス
- 保健医療・福祉・環境保全の専門的視点からの支援活動
- 地域社会や企業に向けた啓発・教育活動
空気中には目に見えない汚染物質が浮遊しており、カビはその中でも最も多く検出される微生物の一つです。特にカビ菌は、落下した場所で自然に死滅することがほとんどなく、放置すれば再び空気中に広がります。そのため、見えるカビはもちろん、見えないカビの存在を検知・対策することが、現代における安心安全な空間づくりに不可欠です。
私たちは、こうした課題に正面から向き合い、確かな検査と科学的根拠に基づく対応で、住まいや施設における衛生環境の向上と微生物災害からの保護を進めています。