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微生物対策協会

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2025/07/12   

ベランダのカビが止まらない…雨水が引き起こす原因と簡単な解決法

雨が降るたびにベランダにカビが発生し、見た目も衛生面も気になりますよね。
【記事を読んで分かること】ベランダにカビが生える原因や雨水との関係、具体的な掃除・予防方法が分かります。
【記事を読むメリット】専門知識がなくても今日から実践できるベランダのカビ対策が身につきます。

ベランダにカビが発生する主な原因のひとつが「雨水」です。特に湿度が高く、日当たりや風通しが悪い場所では、雨が降ったあとにベランダの床や壁が乾きにくくなります。これにより、カビにとって理想的な環境が整ってしまうのです。ここではまず、なぜベランダにカビが生えやすいのか、そして雨水との深い関係について詳しく解説していきます。

ベランダは、屋外にありながら家の構造の一部として使われるスペースです。しかし、その設計上、雨風の影響を強く受けます。特に問題となるのは「湿気の滞留」と「通気性の悪さ」です。ベランダには排水溝がありますが、落ち葉やゴミが溜まって水がうまく流れなくなると、水たまりができやすくなります。これが湿度を高め、コンクリートの表面やサッシ周辺にカビが発生する原因となるのです。また、植物の鉢植えや物干し台の裏など、風が通りにくく乾きづらい場所では、さらにカビが繁殖しやすくなります。カビは湿度70%以上、気温20~30℃前後の環境で活発に増殖しますが、これはまさに梅雨や夏のベランダの環境と一致しています。そのため、ベランダは住宅の中でも特にカビが発生しやすい場所と言えるのです。

雨が降ると、ベランダの床や壁が濡れるのは当然のことですが、問題は「その後の乾き方」です。十分に乾かずに水分が長時間残ると、湿気が蓄積され、カビの温床となってしまいます。特に注意すべきは、ベランダの隅や排水溝周辺、サッシの溝などです。これらの場所には水がたまりやすく、乾燥も遅れるため、カビにとって格好の環境となります。また、雨水には大気中のホコリや花粉、排気ガスなどが混ざっているため、それらがベランダに蓄積すると、カビの栄養源となり、さらに繁殖を助けることになります。つまり、雨そのものだけでなく、「雨による湿気」と「雨が運ぶ汚れ」が、カビの発生と深く関係しているのです。日頃から雨上がりのベランダをこまめにチェックし、早めに水気をふき取ることが、カビを防ぐ第一歩になります。

一口にカビといっても、その種類は非常に多く、見た目や繁殖する場所によって異なる特徴を持っています。ベランダに現れるカビもいくつかのパターンがあり、種類ごとにリスクや掃除方法も異なります。ここでは、ベランダに出やすい代表的なカビの種類と、それぞれが持つ特徴や注意点について解説します。

ベランダでよく見かけるのは「黒カビ」「緑カビ」「赤カビ」の3種類です。
まず黒カビは、コンクリートの床や壁、ゴムパッキンの部分などに多く見られ、頑固にこびりつきやすいのが特徴です。雨水によって湿った環境が続くと、すぐに黒く変色した斑点が広がってきます。
次に緑カビは、植物の鉢の下や日当たりの悪い壁面などに発生しやすく、ヌメヌメした質感を伴うことが多いです。緑色の広がりが見える場合は、胞子が飛散している可能性も高く、放置は危険です。
最後に赤カビですが、これは湿った場所で水気が多く残っている部分に出やすく、特にプラスチック製のプランターや掃除道具の収納ケースの下に出現します。色味が目立ちにくいため、気づかず放置してしまうことも少なくありません。これらのカビはすべて、雨水によってもたらされる湿気を好んで繁殖するため、雨の季節は特に注意が必要です。

カビは色によって性質や健康リスクが異なります。たとえば黒カビは非常にしつこく、建材に根を張ってしまうため、完全に除去するのが難しいタイプです。また、アレルギーやぜんそくの原因になることがあり、小さな子どもや高齢者がいる家庭では特に注意が必要です。
一方で緑カビや赤カビは見た目の変化に気づきやすいため、初期段階で発見しやすいというメリットがあります。ただし、見た目ほど無害ではなく、胞子が空気中に飛散すると、吸い込むことで健康被害につながる可能性もあります。
カビの色や形を見て「あ、ちょっと汚れてるな」と思うだけでは済まされません。見た目が派手なカビほど注意が必要で、逆に薄い色のカビでも繁殖力が高いものがあります。日常的にベランダの変化を観察し、色の違いを見逃さないことが、カビ被害の早期発見につながります。

ベランダにカビを見つけたとき、すぐに業者に依頼しなくても、自分でしっかりと掃除することで対処できるケースは少なくありません。大切なのは「正しい道具」と「適切な手順」を知っておくことです。ここでは家庭にあるものでできるカビ掃除の基本と、実際のやり方について詳しく紹介します。

カビ掃除に必要な道具は、意外とシンプルです。基本的には以下のものを用意すれば十分です。
・ゴム手袋(手の保護)
・マスク(胞子吸入を防ぐ)
・ブラシ(硬めのものがおすすめ)
・スポンジや雑巾
・バケツ
・市販のカビ取り剤または重曹とクエン酸を使った自然派洗剤

ベランダの素材によっては、強力な塩素系カビ取り剤を使うと色落ちや傷みの原因になることがあります。特にタイルや塗装された壁などは注意が必要です。重曹とクエン酸を使えば、素材に優しく安全にカビを落とせます。使用前には、目立たない場所で試しておくと安心です。また、頑固な黒カビには、カビ取り剤をスプレーしてからラップで覆い、30分程度置いてからこすり落とすと効果的です。

掃除は「乾いた状態」で始めるのが基本です。水をまいてからではカビが流れ広がってしまう可能性があるため、まずは乾いた状態でブラシなどで表面の汚れを落とします。次にカビ取り剤をスプレーし、数分〜30分ほど放置してから、スポンジやブラシでこすり洗いを行います。その後、水でしっかり洗い流し、最後に乾いた雑巾などで水分を完全に拭き取ってください。
注意すべきポイントは「必ず換気を良くすること」です。ベランダといえども、作業中に吸い込むカビの胞子や洗剤の成分は体に悪影響を与える恐れがあります。また、掃除後に放置して濡れたままにしておくと、またすぐにカビが再発するので、乾燥までが掃除の一部と考えることが重要です。可能であれば、晴れた日に作業し、終わった後も数時間は換気を続けるようにしましょう。

カビの発生は掃除だけでは防ぎきれません。実は、雨水の排水状態が悪いと、それだけでカビの原因になるのです。水が溜まりやすいベランダでは、湿度が高い状態が続き、知らないうちにカビが発生してしまいます。ここでは、排水の仕組みとそのチェック方法、カビを未然に防ぐための実践的なポイントを解説します。

多くのベランダには「排水口」または「ドレン」と呼ばれる排水設備が設けられています。ここが正常に機能していれば、雨水はすぐに流れて乾燥した状態が保たれます。しかし、排水溝が落ち葉や土、ゴミで詰まっていると水が流れずに溜まり、長時間湿った状態が続いてしまいます。この水たまりが、ベランダのコンクリート表面に湿気をもたらし、カビが繁殖する温床になるのです。
特に秋冬は落ち葉が多くなり、排水口の詰まりが目立ちます。また、風に乗って飛んできたゴミや、植木鉢の土などもカビのエサとなってしまいます。つまり、排水の問題は湿気だけでなく、カビの栄養源も提供してしまうのです。排水の流れが悪いと感じたら、まずは排水溝を目視で確認し、詰まりがないかをチェックしましょう。

雨水によるカビを防ぐには、ベランダ全体の水はけを良くすることが大切です。まず確認すべきポイントは「排水口の清掃頻度」と「ベランダ床の傾斜」です。排水口は月に1〜2回、または落ち葉が多い季節にはこまめに掃除しましょう。ブラシや使い古しの歯ブラシを使って、奥まで丁寧に汚れを取り除くのがコツです。
また、ベランダの床がフラットだったり、逆に水が流れにくい傾斜になっていると、水が一部に溜まりやすくなります。そのような場合には、防水マットの設置や小さな勾配補正材を使って、水の流れを作る工夫が必要です。さらに、ベランダの床材によっては、水を吸収しやすいものもあるため、表面をコーティングすることで水はけを改善する方法もあります。
こうした日常のメンテナンスを怠らないことで、雨が多い季節でもカビの発生を最小限に抑えることができます。

一度掃除をしても、気づけばまたカビが…という経験をされた方も多いのではないでしょうか。ベランダのカビは「根本的な原因」を取り除かない限り、何度でも再発してしまいます。つまり、日常の管理こそがもっとも重要なカビ対策です。ここでは、再発を防ぐためにできる習慣や、長期的に清潔を保つための工夫をご紹介します。

まず意識すべきは、「湿気をためない環境づくり」です。雨が降ったあとには、できるだけ早く水たまりを拭き取り、風通しを良くすることが大切です。たとえば、ベランダに物を置きっぱなしにせず、床全体がしっかり乾くようスペースを空けるようにしましょう。特に植木鉢の下や、収納ボックスの下など、空気が流れにくい場所は湿気がたまりやすいので、こまめに移動や掃除を行うことをおすすめします。
また、晴れた日にはベランダに日光を当てることも有効です。日差しには殺菌作用があるため、定期的に風と光を通すことで、カビの発生環境を断ち切ることができます。さらに、防カビスプレーを使ってコーティングを施しておくと、カビがつきにくくなり再発防止に効果的です。

カビの再発を防ぐには、「汚れをためない習慣」も重要です。月に1回のベランダ清掃を目安にし、排水溝・手すり・壁面・サッシまわりなどを順番にチェックしましょう。掃除といっても大がかりなことをする必要はなく、ホウキでゴミを掃いたり、水拭きするだけでも大きな効果があります。
加えて、季節の変わり目には重点的なメンテナンスを行うのが理想的です。たとえば梅雨入り前や秋の落ち葉が多くなる時期などは、カビの繁殖条件が整いやすいタイミングです。その前に排水口を掃除し、防カビ剤を散布しておくことで、トラブルを未然に防げます。さらに、もしひび割れや防水シートの劣化などが見られた場合には、早めに修繕することも忘れずに。日々の小さな積み重ねこそが、清潔で安心なベランダ環境を長く保つ秘訣です。

一般社団法人微生物対策協会は、住まいと人の健康を脅かす「カビ」を中心とした微生物による被害を調査・分析し、対策を提案する専門機関です。私たちが暮らす室内空間には、目に見えない浮遊物質が数多く存在し、その中には人体に悪影響を及ぼすカビ菌や細菌などが含まれています。協会は、それらの微生物リスクを「見える化」することで、誰もが安心して暮らせる健全な住環境づくりを支援しています。

設立の背景には、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」があります。この法律は、アレルギーを引き起こす環境要因の除去を明確に求めており、協会はその法的理念に基づいて活動を展開しています。具体的には、住宅内や車内などの空気環境を調査し、カビや微生物の種類・濃度を測定。それにより、健康への影響や建物の劣化リスクを科学的に評価し、適切な対策方法を提案しています。

特に建物内で最も多く確認されるのが「カビ被害」です。カビ菌は空気中に浮遊し、床や壁に落下しても簡単には死滅せず、環境が整えばすぐに繁殖を再開します。そのため、カビの種類や発生状況を正確に把握することが、安全・安心な空間づくりには欠かせません。

協会では、カビの「検査」と「調査」を通じて、カビの“見える化”を実現し、家庭や施設での衛生管理に役立つ情報を提供しています。住まいや環境を守るだけでなく、保健医療・福祉・環境保全にも貢献することを目的に、今後も多方面での活動を進めてまいります。

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