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2025/07/14   

クローゼットがカビ臭い!乾燥剤とプロが教える湿気撃退術

クローゼットを開けたとき、カビ臭さや湿気が気になったことはありませんか?
【記事を読んで分かること】カビが発生する原因と、乾燥剤を使った効果的な対策方法、収納の工夫まで分かります。
【記事を読むメリット】クローゼットのカビや湿気を根本から解消し、大切な衣類を守る方法が身につきます。

クローゼットはカビが特に発生しやすい場所のひとつです。普段あまり開け閉めしないことも多く、空気がこもりがちなため、湿気が溜まりやすくなっています。その結果、大切にしていた衣類や革製品にカビが生えてしまい、嫌な臭いやシミの原因になることも。まずは、なぜクローゼットにカビが発生するのかを詳しく見ていきましょう。

クローゼットは密閉性が高く、窓や換気口がない構造のため、内部に湿気がこもりやすいという特徴があります。特に、外気との温度差が大きくなる梅雨時や冬場は、結露が発生しやすく、壁や棚板の裏などに水滴が付着することもあります。こうした状態が続くと、湿度が高くなり、カビが繁殖する絶好の環境が整ってしまうのです。また、壁が外に面しているクローゼットは、断熱が不十分だと壁面が冷やされ、結露が起こりやすくなります。日常生活の中であまり意識されない場所だからこそ、湿気に無防備な状態が続き、知らないうちにカビが広がっているケースが多いのです。

クローゼットの中に収納されている衣類や布製品も、湿気を吸収しやすい性質があります。とくにウールや綿素材の衣類、紙製の収納箱や布カバーなどは、空気中の湿気をじわじわと吸い込み、湿度をさらに高めてしまいます。さらに、雨の日や湿度の高い日に着た衣類を完全に乾かさずにしまってしまうと、それが湿気の発生源となり、内部の湿度が急上昇する原因にもなります。靴やカバンなど、湿ったまま収納されやすい革製品も注意が必要です。このように、収納物そのものが湿気を持ち込んでしまうことで、クローゼット内にカビの温床を作ってしまうことがあるのです。

クローゼット内のカビを「少しだから」と放置していると、気づかぬうちに深刻な問題へと発展する恐れがあります。カビは一度発生すると増殖スピードが早く、衣類や収納物を傷めるだけでなく、健康被害や建物へのダメージにもつながるのです。ここでは、クローゼットのカビを放っておくと起こり得るリスクについて詳しく見ていきましょう。

カビが衣類に付着すると、まず目に見えるシミや変色として現れます。これが素材に深く入り込むと、洗濯しても落ちにくくなり、最悪の場合は処分せざるを得ないこともあります。特に天然素材の衣類はカビの栄養源となりやすく、シルクやウールなどの高級素材は被害を受けやすい傾向にあります。また、カビは胞子を空気中に放出するため、クローゼットを開けた際にその胞子を吸い込んでしまうことがあります。これにより、喘息やアレルギー性鼻炎、皮膚炎といった健康トラブルを引き起こす可能性もあります。カビは見えない場所でも静かに健康を脅かしているのです。

クローゼットに発生したカビを放置していると、その被害は衣類や収納物だけにとどまりません。カビの胞子は空気中に浮遊し、クローゼットの壁や天井、床、さらには隣接する部屋へと広がっていく恐れがあります。特に壁面にカビが定着すると、内部の構造材や断熱材まで浸食してしまい、住宅自体の劣化を早める要因にもなります。また、カビ臭さが部屋全体に広がり、不快な住環境を生むことにもなります。初期の段階であれば簡単に対処できますが、広がってしまうと専門業者による除去作業が必要になる場合も。カビは小さなうちに発見・対処することが重要です。

湿気を抑える手段としてまず思い浮かぶのが乾燥剤です。クローゼットにポンと置いておくだけで湿度対策ができるため、多くの家庭で使用されていますが、実はその「種類」や「置き方」によって効果は大きく変わってきます。ここでは、乾燥剤の選び方から効果的な活用方法までを詳しくご紹介します。

乾燥剤には大きく分けて「シリカゲルタイプ」「塩化カルシウムタイプ」「活性炭タイプ」などがあります。シリカゲルは再利用ができるのが特徴で、吸湿力はやや控えめですが繰り返し使える点が便利です。一方、塩化カルシウムタイプは強力な吸湿力を持ち、水分をしっかり除去してくれますが、使用後は容器に水が溜まるためこまめな交換が必要です。活性炭タイプは吸湿と同時に消臭効果も期待できるため、カビ臭やこもったニオイ対策にもおすすめです。選ぶ際には、クローゼットのサイズや湿気の度合い、交換頻度の手間などを考慮し、自分に合ったタイプを選ぶことが大切です。また、パッケージに記載されている使用面積の目安をしっかり確認することも忘れてはいけません。

乾燥剤の効果を最大限に引き出すには、適切な位置に配置することが重要です。基本的には湿気は下にたまりやすいため、クローゼットの床や下段の引き出しなど、低い場所に設置するのが効果的です。また、衣類や収納物の間にも湿気はこもりやすいので、棚の中や吊るした服の間に吊り下げタイプの乾燥剤を使うのもおすすめです。交換のタイミングは種類によって異なりますが、吸湿後に水が溜まるタイプは中の水位が上限に達したらすぐ交換を。シリカゲルタイプは色の変化(ブルー→ピンクなど)を目安に、再乾燥または新しいものに取り替えましょう。湿度の高い季節や梅雨時には、通常よりも早く効果が切れることがあるため、定期的なチェックが欠かせません。

乾燥剤はカビ予防に役立つ便利なアイテムですが、それだけではクローゼット全体の湿気を完全に取り除くのは難しいのが現実です。特に湿度の高い梅雨時や、密閉性の高い収納空間では、複数の対策を組み合わせることが求められます。ここでは、乾燥剤とあわせて取り入れたい湿気対策を2つご紹介します。

クローゼットの湿気対策には「空気を動かすこと」が非常に重要です。密閉された空間では湿気がこもりやすく、カビにとって絶好の環境になってしまいます。定期的に扉を開け放って換気を行うことが、まず基本の対策です。特に晴れた日には、30分〜1時間ほどクローゼットの扉を全開にし、空気の流れを作るだけでも湿気を飛ばす効果があります。また、クローゼット内に小型のサーキュレーターや除湿器を設置するのも非常に効果的です。さらに、収納ケースの底や背面に「すのこ」を敷いたり、衣類をぎっしり詰めすぎず、5〜10cmほど間隔を空けて吊るすようにしたりすると、空気が流れやすくなり、湿気がたまりにくくなります。

カビ対策には、収納方法にも注意が必要です。湿気を持ち込まないよう、まずは衣類を収納する前にしっかり乾かすことが大前提です。特に汗をかいた後の衣類や、外出から戻った服は、すぐに収納せず一度風通しの良い場所で陰干しすることをおすすめします。また、通気性のないビニールカバーや密閉袋で保管すると、湿気がこもって逆効果になることがあります。代わりに不織布カバーや通気性の良い収納袋を使うと湿気のこもりを防げます。衣類の下に新聞紙を敷く、重曹を小皿に入れて置くといった、手軽な除湿アイデアも有効です。さらに、収納する衣類は詰め込みすぎないこと。空間に余裕を持たせることで、自然な通気が確保され、湿度の上昇を抑えることができます。

どんなに気をつけていても、気づかぬうちにクローゼットの奥でカビが発生してしまうことはあります。そんなときは慌てず、素材や場所に合った方法で確実に除去し、再びカビが生えないよう対策を徹底しましょう。ここでは、衣類や収納空間にカビが出た際の適切な処置方法をご紹介します。

カビが付着してしまった衣類は、まず素材によって対応を分けましょう。綿やポリエステルなど洗える素材であれば、まず屋外でカビの胞子をブラシなどで落とし、その後、酸素系漂白剤を使った洗濯を行います。40℃前後のぬるま湯に漂白剤を入れてつけ置きし、しっかり洗い流すことで、ほとんどのカビは除去できます。カビ臭さが残る場合は、重曹やクエン酸を併用するとより効果的です。ただし、ウールやシルクなど水洗いできない衣類は、無理に自宅で処理せず、信頼できるクリーニング店に相談しましょう。また、広範囲にカビが広がっている、繊維が劣化している場合は、再利用を断念する判断も必要です。着用者の健康や周囲へのカビ拡散を防ぐ意味でも、無理な使用は避けましょう。

衣類を取り除いた後は、クローゼット内のカビを徹底的に掃除しましょう。まずは手袋とマスクを着用し、カビの胞子を吸い込まないように注意を払います。消毒用エタノールをスプレーボトルに入れ、カビの生えている箇所に直接吹きかけて拭き取るのが基本の方法です。エタノールはカビの細胞を破壊する効果があるため、再発防止にも有効です。カビ取り剤を使う場合は、壁紙や木材に対応しているか必ず確認してください。掃除が終わったら、クローゼット内をしっかり乾燥させてから収納を戻します。あわせて、乾燥剤や通気対策も見直し、湿気がこもらないようにしましょう。クローゼットの環境を定期的にチェックし、異変を感じたらすぐに対処することが、カビの再発を防ぐ最良の手段となります。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を専門に行う協会です。カビによる健康被害や、建物の劣化といった問題に対処するため、室内空気中の微生物を“見える化”し、科学的根拠に基づいた対応で、健全な住環境の整備を推進しています。

当協会の活動は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」にもとづいています。この法律では、アレルギー疾患の予防や症状の軽減のために、生活環境や建築構造の改善を推進することが明記されており、当協会もその理念を実践すべく設立されました。

私たちの主な目的は、室内や車内に浮遊するカビや細菌などの微生物によって引き起こされる被害を防ぎ、住まいや生活環境を安全・安心に保つことです。また、環境や健康への配慮を重視し、保健医療、福祉、環境保全など幅広い分野への貢献も視野に入れて活動しています。

特に注目されているのが、カビの検査と調査です。空気中には目には見えない汚染物質が多く存在し、それらが呼吸を通じて人体へ悪影響を及ぼすことがあります。当協会では空気中のカビの種類や濃度を専用機器で測定し、「見える化」することで的確な対策を提案しています。

さらに、建物内で多く見られるカビは、浮遊して落下したあとも死滅せずに増殖を続けます。このため、カビの被害状況を正確に把握することは、健康で安全な生活環境を保つうえで非常に重要です。当協会では、目に見えるカビはもちろん、目に見えないカビの存在までも明確にし、快適な住まいを守るサポートを行っています。

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