一般社団法人
微生物対策協会

ブログ

2025/09/12   

夏が終わっても油断禁物!秋カビの正体と体調不良との関係

秋になると原因不明の体調不良に悩まされていませんか?
【記事を読んで分かること】秋カビが引き起こす健康被害の原因と、その対策法を詳しく解説しています。
【記事を読むメリット】季節の変わり目でも快適に過ごせるよう、秋カビの予防と対処の知識が身につきます。

涼しくなって過ごしやすくなるはずの秋。しかし、「なんとなくだるい」「咳が止まらない」「頭が重い」といった体調不良を感じる人が増える季節でもあります。その不調、実は“秋カビ”が関係しているかもしれません。秋は気温と湿度のバランスが崩れやすく、知らず知らずのうちにカビが繁殖しやすい条件が整う時期なのです。ここではまず、「秋カビ」とは何か、そしてなぜ秋にカビが増えるのかについて詳しく見ていきましょう。

「秋カビ」とは、夏の高温多湿な環境で繁殖を始めたカビが、秋にかけて一気に成長・拡散する現象を指します。表面には見えなくても、空気中にはカビの胞子が漂っており、それを吸い込むことで体調を崩すケースが増えているのです。夏の間にエアコン内部や押し入れ、カーテンの裏などに潜んでいたカビは、気温が下がる秋にかえって活動が活発化することがあります。また、湿度が一見低下しているように見えても、日中と夜間の寒暖差により、室内の湿気がこもりやすくなります。この“目に見えないカビ”が空気中に拡散されることで、健康に影響を及ぼすのが秋カビの怖さです。

秋にカビが急増する背景には、いくつかの要因が重なっています。

1つ目は、昼夜の寒暖差。昼はまだ気温が高く、夜は冷え込むため、結露が発生しやすくなり、湿気が壁や窓周辺にたまりやすくなります。

2つ目は、換気不足。涼しくなって窓を閉めがちになるこの季節は、空気の流れが停滞し、湿気が逃げにくい状態になります。

3つ目は、夏に蓄積された湿気です。梅雨から夏にかけて溜まった湿気が家の中に残っており、それが秋になっても放出されず、カビの栄養源となってしまいます。

そして4つ目は、人の行動変化。秋になると洗濯物の室内干しが増えたり、布団を敷きっぱなしにする時間が長くなることで、床との間に湿気がこもるなど、生活習慣そのものがカビの発生を促すようになってしまうのです。

秋になると「風邪でもないのに体調がすぐれない」と感じる方が増えますが、実はその原因が“秋カビ”であることは珍しくありません。カビは目に見えにくいため気づかれにくいものの、カビの胞子は空気中を漂い、私たちの体に少しずつ影響を及ぼします。ここでは、秋カビによって引き起こされやすい代表的な体調不良についてご紹介します。

秋カビの胞子は空気中に浮遊し、呼吸とともに私たちの体内に取り込まれます。特に影響を受けやすいのが「呼吸器」です。カビの胞子を吸い込むと、アレルギー反応を引き起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、のどの違和感などの症状が現れます。これらは風邪や花粉症とよく似ているため、原因がカビだと気づかないことも少なくありません。また、喘息を持っている方にとっては、カビは発作を引き起こすリスク要因となるため、特に注意が必要です。秋は空気が乾燥し始める時期でもあるため、気道が敏感になっており、カビによる刺激が重なることで症状が悪化しやすくなるのです。

秋カビが与える影響は呼吸器だけではありません。カビの毒素や胞子が体内に入ることで、なんとなくだるい、疲れが取れない、頭が重い、肌荒れがひどくなるといった、原因不明の不調を引き起こすことがあります。これは「シックハウス症候群」の一種としても考えられ、特にカビに敏感な体質の人は、こうした不調を季節の変わり目に強く感じやすいのです。また、免疫力が落ちているときやストレスがたまっている時期には、カビの影響を受けやすくなる傾向があります。肌荒れやかゆみ、目のかすみなど、一見カビと無関係に思える症状も、室内環境が関係している可能性があるため、生活空間の見直しも大切です。

秋カビは家のどこにでも発生する可能性がありますが、特に「湿気がこもりやすい場所」「温度差が生じやすい場所」は要注意です。カビは見えにくいところで静かに繁殖し、気づいたときには健康被害を及ぼしていることもあります。ここでは、秋カビが発生しやすい代表的な場所を2つ取り上げて解説します。

秋になると、布団を敷いたままの時間が長くなったり、洗濯物を室内に干したりと、生活習慣が湿気をためやすい方向に変わりがちです。特に布団の下の床、カーテンの裏、押し入れの中などは、空気の流れが悪く、湿気がこもりやすいためカビの温床となります。たとえば布団と床の間は寝汗や湿気がたまりやすく、こまめに干したり、すのこを使って通気性を確保しないと、すぐにカビが広がってしまいます。カーテンも外からの結露や室内の湿気を吸いやすく、下部や折り返し部分にカビが発生していても気づかないことがよくあります。押し入れやクローゼットも、通気が悪い場所の代表格。除湿剤の設置や定期的な換気を心がけるだけでも、カビの予防になります。

エアコンは夏にフル稼働した後、秋に入って使用頻度が下がることで内部にカビが残りやすくなります。内部が湿ったまま放置されると、カビがどんどん繁殖し、秋になって再び稼働させたときに、カビの胞子が部屋中に拡散されてしまう危険性があります。エアコンを使う前には、フィルター掃除だけでなく、内部の洗浄や点検も大切です。

また、浴室も一年を通じて湿度が高く、秋になってもカビの温床であり続けます。とくにゴムパッキンやタイルの目地、排水口付近はカビが根を張りやすい場所。日常的な掃除では届きにくい部分にまでカビが潜んでいることが多いため、定期的に強力なカビ対策を施すことが求められます。秋カビは一見乾燥しているような場所でも、内部には湿気が残っているケースが多いため、「見えない場所」ほど注意が必要なのです。

秋は気温の低下とともに湿気の見え方が変わる季節。見た目には乾燥していても、室内には夏の湿気が残っていたり、気づかない場所に湿度がこもっていたりします。そんな秋だからこそ、カビを防ぐための行動を日常生活にしっかり取り入れることが大切です。ここでは、今日から始められる簡単で効果的な対策をご紹介します。

気温が下がる秋は、つい窓を閉め切ってしまいがちですが、それが湿気をこもらせ、カビを繁殖させる大きな要因になります。まず意識したいのは**「1日2回以上の換気」**です。特に朝と夜に窓を10〜15分開けるだけでも、空気の入れ替えが行われ、湿気の停滞を防ぐことができます。また、除湿機やサーキュレーターの活用も効果的です。室内の空気を循環させることで湿気の溜まりやすい場所を作らず、カビの好む環境を減らせます。特にエアコンの除湿モードは、秋でも短時間利用することで室内の湿度を調整するのに役立ちます。「もう涼しくなったから除湿は必要ない」と思わず、湿気の意識は秋こそ強く持ちたいポイントです。

掃除はカビ対策において非常に重要な習慣ですが、秋は**掃除の「タイミング」と「場所選び」**がカギになります。まず、湿気の多い早朝や夜間ではなく、日中の湿度が低くなる時間帯に掃除を行うのがベスト。とくに、押し入れの中、窓のサッシ、浴室の壁や天井、エアコンのフィルターなど、「カビが潜みやすいけれど普段手が届きにくい場所」に意識的にアプローチすることが重要です。さらに、アルコール除菌スプレーやカビ防止剤を活用すると、表面に見えないカビの胞子まで抑制できます。掃除を「見える汚れを取る作業」から「カビを予防する行動」に変えるだけで、秋の住環境は大きく変わります。

秋カビの影響による体調不良は、軽度であれば生活改善で改善する場合もありますが、「なかなか良くならない」「家族全員が不調」「原因がわからない」といったケースでは、早めに専門機関への相談が必要です。カビは目に見えない場所にも潜み、知らないうちに健康を蝕んでいる可能性があるため、“見えないリスクを見える化”することがカギになります。

室内に漂うカビの胞子は目視では確認できません。そのため、**空気中のカビ濃度を測定する「室内空気検査」**が効果的です。検査では、特殊な機器を使って空気中に含まれる微生物(カビや細菌)の種類や量を調べ、カビのリスクを「数値」で把握できます。この検査によって、どの部屋にリスクがあるのか、カビの発生源がどこにあるのかを特定できるため、無駄のない対策が可能になります。アレルギーや喘息、慢性的な頭痛や倦怠感に悩まされている場合、医療機関だけでなく、住環境の検査も視野に入れることが、根本的な解決につながる可能性があります。

カビが広範囲にわたって発生していたり、壁や床の内部など見えない場所にまで広がっている場合、自力での除去には限界があります。そうしたときは、専門業者による調査・除去・再発防止対策を検討しましょう。専門業者は専用の機材や薬剤を使って、カビを根本から除去し、再発を防ぐ処置を施してくれます。加えて、家の構造や通気の問題まで含めて調査を行い、必要に応じてアドバイスや改善提案を行ってくれる点も大きなメリットです。「掃除してもすぐに戻ってくる」「見える場所以外にも心配がある」といった状況でお悩みの方は、早めの相談が快適な生活空間を取り戻す第一歩になります。

一般社団法人微生物対策協会は、住まいや暮らしの中に潜む「カビ」などの微生物による被害から、人々の健康と快適な生活環境を守ることを目的に設立された専門機関です。

特に私たちは、「カビの検査と対策」を柱とした活動を行っており、目に見えない空気中の汚染物質を“見える化”することで、健康リスクを早期に発見し、改善するための支援を行っています。私たちの活動は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」を基盤としており、この法律ではアレルギーや疾患の予防のために、建築構造の改善や生活環境の改善が求められています。

現代の住まいでは、密閉性や断熱性が高まる一方で、室内に湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境が増えています。とくにカビは、建物の構造内や空気中に存在するため、見えていない場所で健康被害を引き起こすケースが少なくありません。そこで私たちは、空気中のカビや細菌の検査・調査を行い、「どこに、どの程度の微生物が存在しているのか」を数値化するサービスを提供しています。

検査結果をもとに、建物の状態や空間の使用状況を把握し、より的確で効果的なカビ対策をご提案。さらに、調査だけで終わらせるのではなく、必要に応じて専門的な除去や改善方法もアドバイスいたします。

また、当協会は以下のような目的を持って活動しています:

  • 微生物(主にカビ)による環境災害から生活環境を守る
  • 室内や車内の空気環境に対する正しい理解を広める
  • 公衆衛生の向上を通じて、健康的な住まいづくりに貢献する
  • 医療・福祉・環境保全の分野とも連携し、持続可能な生活を支援する

現代は、見えないリスクにこそ備える時代です。
一般社団法人微生物対策協会は、住む人の健康と安心のために、専門的な知識と技術で「健全な住環境づくり」をサポートし続けています。

ページトップへ
メールアイコン お問い合わせ  電話アイコン 052-908-0058