一般社団法人
微生物対策協会

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2025/11/09   

そのまま放置は危険!コルクにカビが生える理由と正しい対処法

コルクマットにカビが生える原因がわからず、掃除や対策に悩む人が増えています。
【記事を読んで分かること】カビが生える原因から安全な掃除方法、予防策や買い替え判断まで分かります。
【記事を読むメリット】赤ちゃんやペットがいる家庭でも安心して使える、カビ対策の実践的な知識が得られます。

コルクマットはナチュラルな風合いとクッション性から人気がありますが、意外とカビが発生しやすい素材でもあります。とくに梅雨時期や湿度の高い季節は注意が必要です。まずは、なぜコルクにカビが生えてしまうのか、その原因を正しく知ることがカビ対策の第一歩になります。

コルクは天然素材で吸湿性があり、表面には微細な気泡が無数に存在しています。この構造が空気を取り込み、柔らかさや断熱性を生み出す反面、湿気をため込みやすくなります。湿った状態が続くと、カビの胞子がこの気泡内に入り込んで繁殖してしまうのです。また、コルクに含まれる糖質や有機物もカビにとっては絶好の栄養源となります。そのため、通気性が悪く湿気がこもる場所ではカビの温床になりやすいのです。

室内の湿度が60%を超えると、カビの繁殖が活発になると言われています。とくに浴室の近くや窓際など、結露が発生しやすい場所にコルクマットを敷いていると、湿気が滞留しやすくなります。さらに、家具の下や人通りの少ない場所では空気の流れが弱いため、湿気が逃げずカビが発生しやすい環境になります。このような環境要因を把握し、適切に管理することがカビ対策には欠かせません。

カビが生えてしまったコルクマットは、適切な方法で対処しないと逆にカビを広げてしまう可能性があります。安全で効果的な掃除方法を知ることで、カビの再発防止にもつながります。

まず、軽度のカビであればアルコールスプレー(70%程度の濃度)や重曹を使って拭き取る方法が効果的です。表面のカビを柔らかい布で丁寧にふき取り、その後にアルコールで殺菌します。ただし、塩素系漂白剤はコルクを変色させたり傷めるおそれがあるため、使用は避けましょう。また、掃除中は必ず手袋とマスクを着用し、換気を十分に行ってください。

掃除後にやりがちなのが、「すぐに元の場所に戻す」という行為です。湿った状態のまま再設置してしまうと、残った湿気で再びカビが発生することがあります。掃除後はしっかりと天日干し、または風通しの良い場所で完全に乾燥させることが大切です。また、カビ臭さが残っている場合は、消臭スプレーなどでごまかすのではなく、根本的な湿気対策を講じることが必要です。

コルクマットは使い方次第でカビの発生を大幅に抑えることができます。予防こそが最大の対策。日々のちょっとした工夫で、長持ちさせることが可能です。

もっとも基本的で効果的な対策は「換気と除湿」です。定期的に窓を開けて空気の入れ替えを行い、湿度が高くなりやすい季節には除湿器やエアコンの除湿機能を活用しましょう。また、室内の湿度計を設置して、常に60%以下を目安に保つよう心がけると良いでしょう。

週に一度は掃除機で表面のホコリを吸い取り、必要に応じてアルコールスプレーで拭き取り掃除をするのがおすすめです。また、コルクマットの下に防湿シートを敷くことで、床からの湿気を遮断できます。特に賃貸住宅や床下断熱が弱い部屋では、この対策が非常に有効です。マットを定期的に持ち上げて乾燥させることもカビの予防に繋がります。

赤ちゃんやペットが床で過ごす時間が長い家庭では、コルクに発生したカビによる健康被害が特に心配です。敏感な体への影響を防ぐためにも、慎重な対応が求められます。

カビの胞子は空気中に浮遊し、吸い込むことでアレルギー症状や気管支の炎症を引き起こすことがあります。特に赤ちゃんは免疫力が低いため、皮膚炎やぜんそくの原因にもなりかねません。カビが見つかったら、できるだけ早く掃除・除去し、必要に応じて専門業者に相談することも検討しましょう。

赤ちゃんやペットがいる家庭では、掃除の頻度を高め、空気清浄機や除湿器の導入も有効です。特に湿度センサー付きの除湿器は自動で管理できるため便利です。また、天然素材のコルクでも抗菌・防カビ加工された製品を選ぶことで、リスクを減らすことができます。カビが再発しないよう、日々のケアを怠らないことが大切です。

どうしてもカビが落ちない、あるいは臭いが残る場合は、思い切って買い替えを検討することも選択肢のひとつです。適切なタイミングと選び方を知ることで、失敗のない買い替えができます。

カビが表面だけでなく内部まで浸透している場合や、掃除してもすぐ再発する場合は、買い替え時です。黒ずみや異臭が残る場合も衛生的とは言えません。特に小さなお子さんやペットがいる家庭では、健康リスクを考慮して早めの判断を心がけましょう。マットの耐用年数も確認し、数年ごとの定期的な交換を検討するのが安心です。

最近では、防カビ加工を施したコルクマットや、EVA樹脂など水に強くてお手入れしやすい素材も多く出ています。特にEVA素材は水洗いできるため、カビの心配が少なく、クッション性も高いため人気です。見た目にこだわるならウッド調のジョイントマットも良い選択肢です。カビに強い素材を選ぶことで、長期間安心して使えます。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を柱に設立された団体です。カビによる健康被害や建物の劣化など、生活環境に深刻な影響を与える問題に対処するために活動しています。私たちは、室内空気の「見える化」を通じて、人々の健康を守り、健全な住環境を整えることを目的としています。

この取り組みは、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいており、同法では生活環境の改善がアレルギーの予防および症状軽減に不可欠であるとされています。当協会はこの法律に基づき、住まいや車内における浮遊微生物、特にカビの存在を「見える化」する調査・検査を行い、確実な対策を提案しています。

空気中には目に見えない多くの汚染物質が浮遊しており、それらを知らずに吸い込んでしまうリスクがあります。カビ菌は一度落下しても死滅せず、環境次第で再び繁殖するため、早期の発見と正確な対処が不可欠です。当協会では「見えないカビ」から「見えるカビ」まで、その被害状況を明確にし、安心・安全な空間づくりを支援しています。

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