2025/11/11
サイディング外壁に黒ずみや汚れが現れたら、それはカビかもしれません。放置すると建物全体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
【記事を読んで分かること】
外壁にカビが生える原因、窯業系サイディングの注意点、効果的な除去方法と再発防止策を詳しく解説します。
【記事を読むメリット】
この記事を読むことで、外壁のカビ対策に必要な知識と実践的な対応策がわかり、住まいの美観と安全を守れます。
1. サイディング外壁にカビが生える原因とは?
サイディング外壁にカビが付着すると、見た目の悪化だけでなく素材の劣化にもつながるため、早期の対策が必要です。特に北側や日当たりの悪い面に多く見られるこの現象には、明確な原因と対処法があります。
1-1. 外壁にカビがつくメカニズムと主な発生条件
外壁にカビが発生する主な原因は「湿気」と「栄養分」です。サイディング外壁は雨や朝露の影響を受けやすく、通気性が悪い部分には水分が溜まりやすくなります。また、大気中のホコリや花粉などが外壁に付着すると、カビが繁殖するための栄養源となります。さらに、気温が20〜30度程度の時期にはカビが最も活発に繁殖します。特に北側や風通しの悪い場所、日当たりが悪い箇所は、湿気が乾きにくく、カビにとって最適な環境が整いやすいのです。
1-2. カビ・コケ・藻の違いと外観での見分け方
カビ・コケ・藻はすべて見た目が似ていますが、それぞれ異なる性質を持ちます。カビは黒や茶色、グレー系の色で斑点状に発生することが多く、塗装面に根を張って内部まで侵食します。一方、コケは緑色でふわっとした見た目になりやすく、表面に付着する程度で比較的浅い汚れです。藻は緑から青っぽい色で、水分が多い環境に多く発生します。外観では区別しにくい場合もあるため、汚れの色や範囲、ふくらみ具合を確認すると判断しやすくなります。
2. 窯業系サイディングがカビやすい理由を解説
一般住宅で多く使われている窯業系サイディングは、手軽さとコストパフォーマンスに優れていますが、その素材特性からカビが発生しやすいデメリットもあります。
2-1. 窯業系サイディングの素材特性と吸水性
窯業系サイディングとは、セメント質と繊維質を主原料にして作られた外壁材です。この素材は加工がしやすく見た目も多彩に仕上げられる一方で、素材自体が水分を吸収しやすい性質を持っています。特に、表面の塗装が劣化して撥水性が失われると、雨水や湿気を吸いやすくなり、内側にまで湿気が溜まることも。湿気はカビの発生原因になるため、窯業系サイディングでは塗膜の劣化がカビのリスクを高める要因となります。
2-2. カビが繁殖しやすい設置環境や方角とは
カビが生えやすい外壁の場所には共通点があります。それは、風通しが悪く日当たりの少ない場所です。特に建物の北側は日照時間が短いため、外壁が乾きにくく、長時間湿気が残りやすくなります。また、周囲に植栽が多いと風通しが悪くなり、さらに湿度が高まります。エアコンの室外機付近も温度と湿度が偏りやすく、カビが発生しやすいスポットです。これらの環境条件が重なることで、カビが繁殖するリスクが一層高まります。
3. 外壁のカビ除去方法|DIYと業者の違い
外壁にカビを見つけたら、できるだけ早く除去することが大切です。対処法には自分で掃除を行う方法と、専門業者に依頼する方法がありますが、それぞれにメリットと注意点があります。
3-1. 自分でできる外壁カビ掃除の具体的手順と注意点
カビが軽度であれば、家庭用の高圧洗浄機やカビ除去洗剤を使って自分で掃除が可能です。まずは水で外壁の汚れを落とし、その後、カビ取り専用の中性洗剤を塗布して数分間放置します。その後、ブラシなどで擦り洗いをして、最後にしっかり水で流します。ただし、強く擦りすぎると塗装を傷める可能性があるため、注意が必要です。また、高所作業には危険が伴うため、無理のない範囲で行いましょう。
3-2. 専門業者に依頼するメリットと費用の目安
カビが広範囲に広がっていたり、何度も再発している場合は、専門業者に依頼するのが安全で確実です。業者は高圧洗浄機だけでなく、素材に応じた専用薬剤を使用し、根本からカビを除去します。また、カビの原因箇所を調査し、再発防止まで考慮した対策を提案してくれます。費用は範囲によって異なりますが、一般的には数万円から十数万円程度が目安です。相見積もりを取ることで適正価格を判断できます。
4. カビの再発を防ぐためにやるべき予防対策
一度カビを除去しても、放置すればまたすぐに発生してしまいます。長期的に外壁を清潔に保つためには、再発を防止するための予防対策を施すことが重要です。
4-1. 防カビ塗料やコーティングの効果と選び方
再発防止には、防カビ成分が配合された外壁用塗料を使うのが効果的です。防カビ塗料には撥水性が高いタイプや、紫外線に強いものなどさまざまな種類があります。選ぶ際は、外壁の素材や環境に適したものを選ぶようにしましょう。加えて、コーティング剤を使って表面を保護することで、水や汚れの付着を防ぎ、カビの原因をシャットアウトできます。塗装の際には専門業者と相談し、耐候性やメンテナンス周期も考慮すると安心です。
4-2. 定期的なメンテナンスで外壁の清潔を保つ方法
どれだけ良い塗料を使っても、定期的なメンテナンスを行わなければ効果は薄れていきます。外壁のチェックは年に1~2回が理想で、雨跡や黒ずみが出ていないかを確認しましょう。高圧洗浄による定期的な清掃や、必要に応じた部分的な塗り直しも効果的です。周囲の樹木の剪定なども風通しを良くする方法として有効です。こまめな手入れをすることで、外壁の美観と機能性を長く保つことができます。
5. 外壁リフォームや塗装時の注意点とカビ対策
外壁にカビが繰り返し発生している場合、塗装の劣化や素材自体の老朽化が原因の可能性があります。そのようなときには、外壁リフォームや再塗装を検討することが重要です。
5-1. カビ再発防止を意識した塗装や張替えの選択肢
外壁塗装をする際は、単に見た目を整えるだけでなく、防カビ機能を備えた塗料を選ぶことで長期間の安心につながります。また、下地処理を適切に行うことも重要で、カビが残ったまま塗装すると内部で再発する恐れがあります。窯業系サイディング自体の劣化が進んでいる場合は、張り替えや重ね張りなども検討すべきです。現在では、耐候性や防汚性に優れた新素材の外壁材も多く出ており、メンテナンスの手間を大幅に減らせます。
5-2. 外壁リフォームの適切なタイミングとチェックポイント
リフォームのタイミングを見極めるには、目視による劣化確認が大切です。外壁にひび割れや剥がれ、変色がある場合は注意が必要です。また、築10年以上経過している場合は、一度専門業者に診断を依頼するのも良いでしょう。カビの再発が頻繁に起こる、塗装の劣化が見られる、水はけが悪いなどの症状が出ていれば、早めの対処が建物全体の寿命を延ばすことにつながります。
一般社団法人 微生物対策協会について
一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を柱とし、健康と建物を守るための活動を行っている団体です。空気中には目に見えない微生物が存在し、その多くが住環境に悪影響を及ぼす可能性があります。特にカビは、アレルギーや呼吸器疾患などの健康被害だけでなく、建物の構造を劣化させる原因にもなります。微生物対策協会は、平成27年施行の「アレルギー疾患対策基本法」に基づき、生活環境の改善と建築構造の見直しを推進する活動を行っています。
私たちは、住宅や車室内の空気中に浮遊するカビや細菌などを「見える化」し、その濃度や種類を調査・分析します。これにより、適切な対策を提案し、健全で安心できる住環境の実現をサポートしています。カビの問題に直面した際には、ぜひ専門的な知識と技術を持つ当協会にご相談ください。皆さまの暮らしの安心と健康を守るために、私たちは全力で取り組んでいます。