2025/11/13
天然素材の落とし穴?エンジニアードバンブーのカビ問題を徹底解説
エンジニアードバンブーは環境に優しい床材ですが、湿気に弱くカビが発生しやすいという問題があります。
【記事を読んで分かること】
竹材の特徴、カビが生える原因、掃除や除去方法、健康への影響、予防策までを総合的に解説します。
【記事を読むメリット】
エンジニアードバンブーのカビ対策を正しく理解でき、快適で安心な住環境を長く保つための知識が得られます。
1. エンジニアードバンブーとは?人気の理由と特徴
エンジニアードバンブーは、環境配慮型の建材として注目されている竹の複合フローリングです。見た目の美しさと強度の高さから住宅や店舗でも採用が増えていますが、その反面で湿気によるカビリスクについて正しく理解しておく必要があります。
1-1. 天然竹を使った持続可能な建材としての魅力
エンジニアードバンブーは、急成長する竹を使用しており、持続可能性に優れた素材です。天然素材の風合いがありながら、加工により強度や安定性を高めているのが特徴です。木材と比較して硬く、耐久性が高い一方で、湿度の影響を受けやすい面もあります。そのため、使用場所や施工環境によっては注意が必要です。
1-2. 他の床材との違いと選ばれるメリット・デメリット
一般的なフローリング材に比べて、エンジニアードバンブーは割れにくく、エコな素材として人気があります。しかし、木材に比べて吸湿性が高く、通気性の悪い環境下では水分をためこみやすいため、カビや膨張などの問題が起こることがあります。また、表面にコーティングが施されていても、隙間から湿気が内部に入り込むリスクもあります。
2. エンジニアードバンブーが湿気とカビに弱い理由
天然素材である竹は、湿気を吸収しやすい性質があります。エンジニアードバンブーも例外ではなく、湿気対策を怠るとカビが発生しやすくなります。特に日本の気候では梅雨や冬場の結露が影響します。
2-1. 竹材の性質と湿気を吸いやすい構造
竹は植物繊維が細かく密集しており、水分を吸収しやすい特性があります。加工されたエンジニアードバンブーでも、内部に湿気が入り込むと乾きにくくなります。高湿度の環境下では、わずかな隙間から湿気が侵入し、内部の温度・湿度がカビの発生条件を満たすことになります。また、施工時の床下の状態や接着剤の劣化も湿気の温床になることがあります。
2-2. 湿度が高い場所での使用リスクと実例紹介
湿気がこもりやすい場所、たとえば浴室近くの廊下や北側の部屋などでは、実際にエンジニアードバンブーの表面が黒ずんだり、カビ臭がするという報告があります。床材と床下の間に通気層が確保されていない場合や、断熱材の性能が不足していると、結露が原因でカビが繁殖するケースもあります。見た目では分かりにくく、気付いた時には床全体にカビが広がっていることもあるため、定期的なチェックが欠かせません。
3. カビが生えたときの具体的な対処法
カビを見つけた場合、放置せずに速やかに対応することが大切です。表面にとどまっているうちは対処が可能ですが、内部に入り込むと床材の交換が必要になることもあります。
3-1. 表面カビの正しい掃除方法と注意点
まずは乾いた布で表面のホコリや汚れを取り除きます。その後、アルコールやカビ除去専用の中性洗剤を柔らかい布に含ませて軽く拭き取りましょう。強くこすりすぎると表面の塗装が剥がれたり、竹材にダメージを与えることがあるため注意が必要です。掃除後はしっかり乾燥させることが重要です。湿気が残っていると、カビが再発しやすくなります。
3-2. 床下・内部に広がったカビの見つけ方と対応策
カビ臭や目に見える変色がないのに違和感がある場合は、床下や内部にカビが発生している可能性があります。床下点検口から確認したり、専門業者による調査を依頼することで、見えない部分のカビの有無を確認できます。カビが内部にまで進行していた場合は、該当部分の床材を撤去し、床下の乾燥処理と再施工が必要です。カビ除去と同時に、防カビ処理を施すことで再発防止につながります。
4. 健康への影響と見えないカビのリスク
カビは建材を傷めるだけでなく、空気中に胞子を飛ばして人の体にも悪影響を及ぼします。特に床材に使われるエンジニアードバンブーのように表面から見えにくい素材では、知らぬ間に健康リスクが高まっていることもあります。
4-1. カビ胞子によるアレルギーや呼吸器トラブル
カビは非常に小さな胞子を空気中に放出し、それを吸い込むことでアレルギー症状やぜんそく、咳、鼻炎などの症状が引き起こされます。特に小さな子どもや高齢者、アレルギー体質の方にとっては深刻な問題となります。床材から発生するカビは、座ったり寝転んだりする距離が近いため、吸い込みのリスクも高くなります。
4-2. 家族の健康を守るためにできるチェックポイント
目視での黒ずみ確認、足元から感じる湿気、床材の反りや軋みなどは、内部の湿気やカビの兆候かもしれません。また、部屋の空気がこもっているような感覚や、独特のカビ臭があれば要注意です。市販の空気品質モニターを使って、湿度や空気中の微粒子濃度を測定するのも予防に役立ちます。早めの対応が、健康被害を防ぐ第一歩です。
5. 湿気とカビを防ぐ予防策と日常メンテナンス
カビを防ぐためには、日々の湿気管理が何よりも重要です。素材の特性を理解したうえで、適切な環境を整えることが、長く清潔な床を保つ秘訣です。
5-1. 換気・除湿・床下対策など効果的な湿気管理法
部屋の換気は毎日行い、空気がこもらないようにしましょう。湿度が高くなりやすい時期は除湿機の使用が効果的です。また、床下に通気口がある場合は定期的に塞がれていないか確認し、床下換気扇の導入も検討しましょう。家具の下にスノコを置いて空気が通るようにしたり、窓の結露をこまめに拭き取るのも湿気対策になります。
5-2. 防カビ加工・コーティングの活用と定期点検のすすめ
エンジニアードバンブーの表面に、防カビ・防湿コーティングを施工することで、湿気の侵入を抑えることができます。定期的に再塗布を行うことで、長期間効果を持続させられます。また、施工後も定期点検を行い、床材の状態や床下の湿度などを確認することで、カビの兆候を早期に発見できます。年に1回は専門家による点検を受けることをおすすめします。
一般社団法人 微生物対策協会について
一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を柱に活動する専門機関です。住宅や建材の劣化、室内空気の汚染、そして人の健康を脅かすカビに対し、科学的かつ的確な調査・分析・対策を行っています。
平成27年施行の「アレルギー疾患対策基本法」を基に、住環境の改善と健全な建築構造を目指す取り組みを進めており、空気中に浮遊する微生物を「見える化」することで、的確なカビ対策を提案しています。
カビは目に見える部分だけでなく、見えない場所で静かに広がっていきます。当協会では、専用の検査機器や技術を用いて空気中のカビの有無や濃度を測定し、その結果を基に予防や除去、再発防止までを包括的にサポートしています。
エンジニアードバンブーなどの天然素材を安心して使い続けるためにも、正確な知識とプロのサポートが不可欠です。カビの問題でお困りの際は、ぜひ微生物対策協会にご相談ください。皆さまの住まいの「安心」と「健康」を守るお手伝いをいたします。