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2025/11/22   

天井の吸音材にカビが!? 湿気が招く原因と今すぐできる対策

天井からカビ臭がする、吸音材が湿気でカビているかもしれないと不安ではありませんか?

【記事を読んで分かること】
吸音材にカビが生える原因やリスク、対処法、防湿・防カビ対策について理解できます。

【記事を読むメリット】
健康や建物への悪影響を防ぎ、快適で安全な室内環境を保つための実践的な知識が得られます。

吸音材は音を吸収してくれる便利な素材ですが、湿気を含みやすい性質があり、条件がそろうとカビが発生してしまうことがあります。特に天井裏は見えにくく、空気の流れも悪いため、湿気がこもりやすい環境です。吸音性能を保ちつつ、カビを防ぐためには、まずその原因をしっかり理解することが大切です。

住宅や施設の天井裏は、構造上どうしても換気が行き届きにくく、特に断熱材や吸音材が設置されていると空気の流れが遮られてしまいます。そのため、日常生活で発生した湿気が天井に上昇し、吸音材に吸収されることで、内部に湿度がこもってしまうのです。梅雨時期や冬の結露など、季節的な湿度の高まりによってさらにリスクが増します。

吸音材にはグラスウールやロックウール、ウレタンフォームなどさまざまな種類がありますが、これらの多くは繊維質や多孔質構造で、湿気を含むと乾きにくいという特徴があります。特にホコリや有機物が付着していると、カビの栄養源となり、繁殖が進んでしまいます。つまり、素材自体にカビが生えるというよりも、「湿気+汚れ+空気の停滞」という環境が整ってしまうことが問題なのです。

吸音材にカビが発生すると、その影響は単に見た目の問題にとどまりません。空気中に放出されるカビの胞子や、建物内部への影響など、見えない部分で深刻な問題を引き起こす可能性があります。

カビは目に見える状態になる前から、胞子を空気中に放出しています。吸音材にカビが発生すると、エアコンや換気扇を通じてカビの胞子が室内に広がり、呼吸器に悪影響を与えることがあります。特に小さなお子様や高齢者、アレルギーを持つ方がいる家庭では、カビによる健康リスクは非常に大きな問題です。

カビが吸音材に広がると、その性能も低下してしまいます。素材が湿気を含み続けることで、断熱・吸音の機能が損なわれるだけでなく、カビが下地の木材や石膏ボードにまで浸透すると、建物の構造そのものを劣化させる原因になります。長期間放置すれば、修繕や交換が必要になり、費用もかさんでしまうのです。

天井裏のカビは、普段目にすることができないため、気づきにくいのが厄介な点です。しかし、いくつかの兆候を見逃さなければ、早期発見・対処が可能です。

室内に入ったときにカビ臭さを感じたり、天井に黒ずみやシミが見えるようであれば、それはカビのサインかもしれません。特に天井の隅やエアコン周辺は湿気がたまりやすく、カビが発生しやすい場所です。においの変化は、目に見えない部分で問題が進行している合図でもあるので、見逃さずに確認しましょう。

天井裏の吸音材にカビがあるかを確認するには、天井点検口から内部を覗いてみるのが一般的です。また、専門業者に依頼すれば、内視鏡カメラなどを使って正確に調査することができます。さらに、空気中のカビ胞子濃度を測定する「空気質検査」を行うことで、見えないカビ汚染を数値として把握することも可能です。

吸音材にカビが発生してしまった場合、残念ながら完全に除去することは難しく、基本的には交換が必要になります。再発防止のための湿気対策も同時に行うことが重要です。

カビが発生した吸音材は、表面だけでなく内部にもカビが根を張っているため、洗って再使用することはできません。まずは天井を一部開口し、カビが広がっている吸音材を取り出します。その際は周囲に胞子が飛散しないよう、マスクや手袋を着用し、養生を行ったうえで丁寧に作業を行うことが必要です。

新しい吸音材を設置する際には、防カビ処理済みの素材を選ぶことが望ましいです。また、設置前に天井裏の湿気がこもらないよう、換気口の設置や断熱材の調整を行うことで、湿度の安定化が図れます。防湿シートの使用や通気層の確保も、再発防止には効果的な手法です。

カビの再発を防ぐためには、吸音材そのものの選定や、日常的な点検・メンテナンスも欠かせません。施工時の工夫と、定期的なチェックが快適な室内環境を保ちます。

現在では、防湿性や防カビ性に優れた吸音材も多く開発されています。たとえば、撥水加工を施したグラスウールや、抗菌成分を含む高性能吸音パネルなどは、カビの発生を抑える効果があります。こうした製品を選ぶことで、湿度の多い場所でも安心して使用できます。

吸音材のカビ対策には、室内の湿度を適切に管理することが大切です。湿度計を設置して常に60%以下を保つようにし、結露しやすい場所では除湿機を使うのも有効です。また、半年〜1年に一度は専門業者による天井裏点検を行い、早期発見・早期対応につなげることが、建物の健康を守るポイントです。

一般社団法人微生物対策協会は、住環境におけるカビ被害に特化した専門団体です。カビが引き起こす健康リスクや建物の劣化に対応するため、「空気の見える化」による調査と対策を行い、安心・安全な住まいづくりを支援しています。

当協会の活動は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づき、生活環境や建築構造の改善を通じてアレルギー症状の軽減を目指しています。特に、空気中に浮遊するカビや微粒子の測定を行い、それらの数値化と分析によって、的確な防カビ処置を提案しています。

吸音材のように目に見えない場所に発生するカビも、私たちの技術で明確に把握することが可能です。見えないリスクを「見える化」し、専門的な視点から予防・対策・再発防止を実施しています。カビ対策に不安がある方は、ぜひ一度、微生物対策協会の検査とアドバイスをご利用ください。

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