2025/11/24
おしゃれな煉瓦に黒ずみやカビが発生し、美観が損なわれて困っていませんか?
【記事を読んで分かること】
煉瓦にカビが発生する原因、対処法、再発防止のコツまで詳しく学べます。
【記事を読むメリット】
煉瓦本来の美しさを保ちながら、長く快適な環境を維持するための知識が身につきます。
1. 煉瓦にカビが発生するのはなぜ?
煉瓦はおしゃれで重厚感があり、外壁や塀、花壇などに広く使われています。しかし、年月が経つにつれて「黒ずみ」や「緑色の汚れ」が目立つようになった…という経験はありませんか? それらの多くはカビや苔の発生によるもので、見た目を損なうだけでなく、長期的に見れば建材の劣化にもつながる恐れがあります。では、なぜ煉瓦にカビが発生してしまうのでしょうか。
1-1. 多孔質な煉瓦の特性と湿気との関係
煉瓦は粘土を高温で焼き固めた建材ですが、表面には小さな穴(多孔質構造)が無数にあります。この穴があることで呼吸性があり、調湿性に優れるという利点もありますが、逆に「水分を吸い込みやすい」という特徴も持ち合わせています。雨や霧、地面からの湿気などが長時間付着すると、煉瓦の内部にまで水分が染み込み、カビや苔が生える条件が整ってしまうのです。
1-2. 日当たり・通気の悪さが引き起こすカビのリスク
煉瓦の設置場所によっては、日当たりが悪かったり、風通しが悪いことがあります。特に北側の壁や植木の陰になる場所、周囲に建物が密集している場所では、雨水が乾きにくく、常に湿気が残っている状態になります。これがカビや苔にとっては非常に好ましい環境となり、あっという間に黒ずみや緑色の汚れが広がってしまうのです。
2. 煉瓦のカビがもたらす影響とは?
煉瓦にカビが発生すると、見た目の印象が悪くなるだけでは済みません。時間とともに素材そのものや周辺環境、住む人の健康にも悪影響を与える可能性があります。
2-1. 美観の損失と構造への悪影響
煉瓦のカビや苔による黒ずみは、外観を大きく損ないます。せっかく美しく設計された外壁や門まわりも、カビが目立つだけで古びた印象になってしまいます。また、煉瓦の目地や接合部分にまでカビが入り込むと、水分を含んだ状態が続き、凍害やひび割れの原因になることも。こうした劣化が進行すると、修繕や再施工に多大なコストがかかる可能性があります。
2-2. カビによるアレルギーや健康リスクについて
屋外で発生したカビや苔も、風に乗って胞子を室内に取り込むことがあります。特に呼吸器系が敏感な方、小さなお子さまや高齢者にとっては、アレルギー反応や喘息の悪化などの健康リスクにつながることも。また、カビ特有のにおいが気になるというケースも少なくありません。見えない影響があるからこそ、早めの対応が求められます。
3. カビが発生した煉瓦の正しい除去方法
すでにカビが生えてしまった場合、まずは適切な方法で清掃・除去することが大切です。誤った方法でゴシゴシとこすると煉瓦を傷めてしまうため、素材へのダメージを抑えながら、しっかりとカビを落とす手順を知っておきましょう。
3-1. 自分でできる清掃方法と使用すべき洗剤
軽度のカビや苔であれば、家庭用の中性洗剤や重曹水を使って、柔らかいブラシでこすり洗いする方法が有効です。漂白剤やカビ取り剤を使う場合は、必ず目立たない部分で試してから使用し、植物や周囲の建材に影響を与えないよう注意が必要です。清掃後はしっかりと水で洗い流し、乾燥させることで再発を防ぎやすくなります。
3-2. 頑固なカビにはプロの洗浄がおすすめな理由
煉瓦に染み込んでしまったカビや、長年放置してできた苔の層は、家庭用の洗剤だけでは取りきれない場合があります。そのような場合は、外壁クリーニングを専門に行う業者に依頼するのがおすすめです。高圧洗浄機や専用の洗浄剤、防カビコーティングなどを使い、煉瓦の風合いを守りながらきれいに仕上げてくれます。
4. 煉瓦のカビ再発を防ぐための予防策
一度カビを除去したとしても、再発を防ぐ対策を講じなければ、時間とともにまた同じ状態に戻ってしまいます。日々のメンテナンスに加え、予防のための「コーティング処理」や「環境の見直し」が重要になります。
4-1. 防カビ剤・撥水剤の活用と定期塗布のコツ
カビ除去後、煉瓦の表面に防カビ剤や撥水剤を塗布することで、湿気の侵入を防ぎ、再発のリスクを大きく下げることができます。市販の撥水コートや防カビスプレーもありますが、長期的な効果を求める場合は、プロによるコーティング処理が効果的です。年に一度程度の塗り直しを習慣にすると、美観と耐久性を維持できます。
4-2. 通気性・排水性を改善する外構の工夫
煉瓦の周辺環境もカビの発生に大きく影響します。たとえば、壁や塀の裏側に水が溜まりやすい設計になっていないか、通気が妨げられていないかを確認しましょう。また、植木や雑草が密集している場所は、影ができて湿気がたまりやすくなるため、剪定や配置の見直しも有効です。
5. 長持ちする煉瓦メンテナンスの基本習慣
煉瓦は適切に手入れすれば、数十年にわたって使い続けられる非常に優れた建材です。日常的なちょっとした意識と、定期的な点検・処置を行うことで、カビの発生を防ぎ、美しい外観を維持することができます。
5-1. 定期点検と早期対応で劣化を防ぐ
カビの初期症状は、小さな黒ずみや湿ったようなにおいから始まることが多いです。年に一度、春や秋など気候が安定した時期に、煉瓦の状態を点検し、必要に応じて掃除や防カビ処理を施すことが長寿命化の鍵です。カビだけでなく、目地の割れやヒビの有無もあわせてチェックしましょう。
5-2. カビに強い煉瓦や目地材の選び方
新たに煉瓦を施工する際には、防汚・防カビ性のある処理がされた製品を選ぶのも効果的です。特に最近では、撥水加工済みの煉瓦や、水を吸いにくい樹脂系の目地材も販売されており、湿気に強い外構づくりが可能になっています。素材の選定段階から、長期的なメンテナンスコストを考慮することが大切です。
一般社団法人 微生物対策協会のご紹介
一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を専門に行う団体です。カビによる建物の劣化や、住環境の悪化、健康被害などに対応し、住まいの空気環境を「見える化」することで、根本から問題解決を図る活動を展開しています。
当協会の活動は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいており、生活環境の改善を通じてアレルギー症状の予防・軽減に貢献することを目的としています。
煉瓦や外壁のカビは見た目の問題だけでなく、空気中への胞子の拡散によってアレルギーや健康リスクを引き起こす場合があります。協会では、空気中の微生物濃度を測定し、状況に応じた専門的なカビ対策を提案。屋内外問わず、微生物汚染の「見える化」と、具体的な解決策の提供を行っています。
安心・安全な住環境を維持するために、カビの早期発見・正しい対策・定期的なチェックの3ステップが大切です。私たちは、そのすべてをサポートし、健康的な暮らしの実現に貢献します。