一般社団法人
微生物対策協会

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2025/05/01   

エアコンのカビ放置してない?見えないリスクと対策まとめ

エアコンからの風がなんだか臭い…それ、カビのサインかもしれません。
【記事を読んで分かること】この記事では、エアコン内部に発生するカビの原因と、健康リスク、正しい清掃方法までを解説します。
【記事を読むメリット】エアコンを快適・安全に使うために必要な知識と、カビを防ぐ日常の習慣が身につきます。

エアコンを使っていて、ふと「なんだかカビ臭い…」と感じたことはありませんか?そのにおいの正体、実は本当にカビかもしれません。エアコンは、冷たい空気を出す一方で内部に結露を発生させやすい構造をしており、気づかないうちにカビの温床となってしまうことがあります。

ここではまず、なぜエアコンにカビが生えやすいのか、その仕組みとカビを助けてしまう“使い方のクセ”を解説します。

エアコンの内部には、熱交換器(フィン)や送風ファン、ドレンパンなど湿気がこもりやすいパーツがたくさんあります。冷房を使うと、外気との温度差でこれらのパーツに**結露(水滴)**が発生します。この水分が残ったままになると、カビの繁殖に必要な「湿気・温度・有機物」が揃うのです。

さらに、空気中にはホコリや花粉、皮脂、調理時の油などの有機物が含まれており、これらがフィルターを通り抜けて内部に入り込むことで、カビの“エサ”となってしまいます。つまり、掃除をしていないエアコンは、カビが育つための理想的な環境になっているということです。

特に梅雨や夏場の冷房使用中は、1日中エアコンをつけっぱなしにすることで内部が常に湿った状態に保たれ、カビが爆発的に増えてしまう危険があります。

実は、私たちの「ちょっとした使い方」も、カビの繁殖を助けてしまっている可能性があります。以下のような行動を無意識に続けていませんか?

カビを育てるNG習慣

  • 冷房や除湿を使った直後に電源を切る
     → 結露が乾ききらず、内部に水分が残ったままに
  • 1年以上フィルター清掃をしていない
     → ホコリがたまり、湿気と混ざってカビのエサになる
  • エアコンをつけたまま窓を開ける
     → 外気の湿気が室内に入り、カビの繁殖を後押し
  • 電源オフ後、送風・乾燥モードを使わない
     → 内部にこもった湿気を放置することに

こうした習慣を続けていると、エアコン内部にカビが根を張り、表面を掃除しても奥の奥で再繁殖を繰り返す悪循環に陥ってしまいます。

エアコンの清掃とカビ対策は、単なる「見た目のキレイさ」ではなく、空気の質と健康を守るための重要なメンテナンスなのです。

「エアコンから出る風がなんだか変…」そんな違和感を放置していませんか?その空気には、カビの胞子やカビ由来の有害物質が含まれている可能性があります。見えないからこそ油断しやすいエアコン内部のカビですが、実は私たちの健康にじわじわと悪影響を及ぼしていることもあるのです。

ここでは、エアコンのカビが引き起こす主な健康トラブルと、そのリスクが特に高まる人・動物について解説します。

エアコンのカビがもたらす一番の問題は、空気中にカビの胞子が拡散されてしまうことです。このカビ胞子は、目に見えない微粒子となって室内に舞い、呼吸とともに私たちの体内に入り込みます。

これによって起こり得る健康被害は以下の通りです:

  • アレルギー性鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)
  • 気管支喘息の悪化(咳、息苦しさ、発作)
  • シックハウス症候群のような頭痛・倦怠感
  • 肺アスペルギルス症(免疫力の低下した人で重症化)

特にエアコンの風を長時間直接浴びるような環境では、これらのリスクが高まります。カビによる空気汚染は、室内で過ごす時間が長い人ほど影響を受けやすいのが特徴です。

エアコンのカビ被害は、人間だけに限りません。体が小さく免疫が未発達な子どもや高齢者、そしてペットたちにも深刻な影響を与えることがあります。

特に影響を受けやすい存在

  • 乳幼児や高齢者:呼吸器が弱く、カビの胞子に敏感
  • 犬や猫、小動物:床に近い空気層で生活しており、カビ胞子を吸いやすい
  • アレルギー体質の人・動物:すぐにくしゃみ・皮膚トラブルなどが出ることも

カビが原因でペットがくしゃみをしたり、目をしょぼしょぼさせたりするケースは意外と多く、見逃しやすい初期症状の一つです。

また、エアコンを使っている部屋の空気は家全体に広がるため、一台のエアコンにカビがあれば、家中の空気が汚染される可能性もあるのです。

エアコンは毎日のように使う家電ですが、内部の汚れやカビに気づきにくいのが厄介なところです。特に、カビが生え始めた初期段階では見た目には分からないことが多く、においや体調の変化から気づくケースも。ここでは、エアコン清掃の必要性を判断するサインと、掃除に適したタイミングについて詳しく解説します。

エアコン内部のカビが本格的に広がる前に、「あれ、もしかして?」と気づけるポイントはいくつかあります。以下のようなサインが出ていたら、早めの清掃やプロによる点検を検討しましょう。

カビ発生のサイン

  • 運転開始時にカビ臭・生乾き臭がする
     → においの原因は、ほぼ間違いなくカビや雑菌の繁殖
  • 風量が弱くなった、ムラがある
     → フィルターや内部のファンにホコリとカビが付着している可能性
  • 黒っぽい点が吹き出し口に見える
     → カビが表面まで出てきている証拠。要注意!
  • 運転中に咳・くしゃみ・目のかゆみが起こる
     → 空気中のカビ胞子によるアレルギー反応の可能性大

これらのサインがある場合、カビがかなり広がっている可能性もあります。見た目がきれいでも油断せず、「におい」「風」「体調」の変化に敏感になることが大切です。

エアコンの清掃を怠ることで起こるトラブルは、においやカビだけにとどまりません。時間が経つほど内部の汚れが蓄積し、本体の故障や電気代の増加、家全体の空気環境の悪化といった悪影響が広がっていきます。

清掃不足が招く主なトラブル

  • 冷えにくくなり、効率が悪くなる → 電気代が高騰
  • フィルター詰まりやドレンホースのカビで水漏れ・停止エラー
  • モーター・ファンに負担がかかり、故障リスクが上昇
  • カビ胞子のまき散らしで家族の健康被害が続出

つまり、「エアコンの清掃」は単なるお手入れではなく、**快適な生活と安全な空気を守る“メンテナンス習慣”**なのです。

エアコンを長く・快適に・健康的に使い続けるためには、定期的なチェックと清掃が不可欠。次は、その「正しい清掃方法と頻度の目安」について、具体的にご紹介します。

エアコンは内部構造が複雑なため、「どう掃除すればいいのか分からない」「プロに頼まないとダメ?」と思う方も多いはず。しかし実は、日常的に自分でできるメンテナンスと、プロの力を借りるべきタイミングをしっかり使い分けることで、清潔で安心な状態を保つことができます。

ここでは、エアコン清掃の具体的な方法と、その頻度についてご紹介します。

まずは、自分でこまめに行える清掃方法から。
これだけでも、カビの予防や効率の維持に大きく貢献します。

自分でできる掃除ポイント

  • フィルターの掃除(2週間に1回が目安)
     → 掃除機でホコリを吸い取るか、水洗いしてよく乾かして戻す。
  • 吹き出し口の拭き掃除(1ヶ月に1回)
     → 綿棒や柔らかい布で、カビやホコリが付着している部分を拭く。
  • 本体外側の掃除(汚れが目立ったときに)
     → 中性洗剤を薄めた布で軽く拭く。水滴を残さないよう乾拭きも忘れずに。

☑️ ポイント:掃除の前には必ず電源を切り、コンセントを抜くなどの安全対策を行いましょう。

これらの日常ケアだけでも、カビや汚れの広がりをある程度抑えることができます。ただし、内部の熱交換器や送風ファンは素人では届かない場所なので、次に紹介する「プロのクリーニング」も重要になります。

エアコン内部には水分が溜まりやすいドレンパンや、目視できない送風ファンなどがあり、ここにカビが生えると家庭用の掃除では対応できません。このため、年に1回〜2年に1回程度はプロのクリーニングを受けることをおすすめします。

プロクリーニングのメリット

  • 内部を分解して徹底洗浄 → カビ・細菌を根こそぎ除去
  • 高圧洗浄で手の届かない奥まできれいに
  • 臭い、風量、冷えの改善が一度で実感できる
  • 防カビ・抗菌コートの追加オプションもあり

クリーニングの費用相場は、1台あたり8,000〜15,000円程度(家庭用壁掛けタイプ)。複数台を一度に依頼すると割引がある場合もあります。

業者選びのチェックポイント

  • 口コミや評判が良いか(SNSや比較サイトを確認)
  • 損害保険に加入しているか(万が一の故障対応)
  • エアコンの機種に対応しているかを事前確認

特に「夏や冬の使用前」や「においが気になったとき」は、プロに任せるタイミング。安心して空気を吸える環境に戻すためにも、定期的なプロ清掃を取り入れましょう。

せっかくエアコンを掃除しても、使い方を間違えればまたすぐにカビが繁殖してしまうこともあります。特に、湿気が多い季節や冷房・除湿を多用する夏場は、ほんの少しの油断がカビの再発につながります。ここでは、**日常のちょっとした工夫でカビを防ぐ“使い方のコツ”**を紹介します。

エアコン内部のカビ発生を防ぐうえで最も重要なのが、使用後の内部乾燥です。冷房や除湿モードを使用すると、エアコン内部は水分を含んだ状態になります。このまま電源を切ってしまうと、湿ったままの環境が保たれ、カビの温床になってしまうのです。

再発防止のおすすめ習慣

  • 冷房や除湿を使った後は、30分〜1時間だけ「送風モード」で運転する
  • 「内部クリーン」機能がある場合は自動運転に任せる(使用後に作動する設定になっているか要確認)
  • 長時間の使用後は、室内も窓を開けて換気し、湿気を逃がす

この乾燥習慣をつけることで、エアコン内部のカビ繁殖を根本から防ぐことができます。

日常的なフィルター掃除も、カビ予防には欠かせません。ホコリがたまった状態で運転すると、カビのエサをまき散らしているようなもの。週に1回、最低でも月に2回はフィルターをチェック・清掃しましょう。

また、室内の湿度もエアコンのカビ発生に影響します。特に梅雨や冬場の結露時期は、湿度が高まりやすく、壁や天井にもカビが広がるリスクがあります。

湿度コントロールのコツ

  • 湿度計を設置し、50〜60%の範囲内を目安に管理
  • エアコンのドライモード(除湿)を活用して湿気を抑える
  • 室内干しをする場合は、除湿機やサーキュレーターと併用して乾燥時間を短縮
  • 定期的な部屋の換気や、家具の裏側の湿気チェックも忘れずに

このように、エアコンのカビは「掃除+使い方+湿度管理」の3つの視点で予防することが重要です。ほんの少しの意識と工夫で、清潔で快適な室内空間を維持することができます。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を中心に、室内環境の健全化を目指して活動する専門機関です。住宅や施設、車内などの空間において、目に見えないカビや浮遊微生物がもたらす健康被害や建物へのダメージを防ぐため、空気中の微生物を“見える化”する調査・検査を行っています。

この活動は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいています。この法律では、アレルギー疾患の予防や軽減のために、生活環境の改善が重要であると明記されており、当協会はその実現に向けて、建築構造の改善提案や空気質の評価を通じた支援を行っています。

特に注目すべきは、空気中に漂うカビの胞子や細菌の存在です。これらは目には見えませんが、呼吸とともに体内に取り込まれ、アレルギーや喘息、皮膚トラブルなどさまざまな健康被害を引き起こすことがあります。加えて、カビは建材を劣化させる原因ともなり、住宅の価値を損なう大きなリスク要因でもあります。

当協会では、専門の調査機器を用いて、空間内の微生物濃度を数値として把握し、それに基づいた的確な改善アドバイスや除去対策を提案。カビが発生しやすい環境の把握から、再発防止のための生活習慣改善までをトータルでサポートしています。

また、カビ対策は住宅に限らず、ペットを飼っている家庭や、幼児・高齢者がいるご家庭、医療・福祉施設などでも重要視されています。見えない空気環境にこそ配慮が求められる今の時代、微生物対策協会は“安心・安全な暮らし”を支えるパートナーとして、多方面からの支援を行っています。

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