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2025/05/20   

フローリングの黒カビに注意!見逃しがちなサインと安全な掃除法

フローリングにうっすら黒い点…それ、カビかもしれません。放置すると健康や床材への影響が心配です。
【記事を読んで分かること】カビが発生する原因、掃除方法、再発を防ぐ対策や安全なアイテムの選び方がわかります。
【記事を読むメリット】木材を傷めずにカビを除去し、清潔で安心な住まいを保つための知識とテクニックが身につきます。

フローリングは一見、清潔で乾燥しているように見えますが、実はカビが発生しやすい場所のひとつです。特に湿気がこもりやすい季節や、日常生活の中のちょっとした習慣が、カビの繁殖を促す要因になります。ここでは、なぜフローリングにカビが生えるのか、その代表的な原因を2つの視点から解説します。

カビの発生には「温度」「湿度」「栄養分(ホコリや皮脂など)」の3要素が必要です。フローリングでは、これらが意外と簡単に揃ってしまうのです。

たとえば次のような日常行動が、カビの温床をつくってしまいます:

  • 室内での洗濯物の部屋干しによる湿気の蓄積
  • 窓際の結露によって床まで水が垂れて放置される
  • 飲み物や食べ物をこぼしたまますぐに拭かない
  • 室内での加湿器の長時間使用や換気不足

このような状態が続くと、フローリングの板と板の隙間、家具の裏、敷物の下などに湿気がたまり、カビが発生しやすくなります。

実はフローリングの素材によっても、カビの生えやすさは異なります。
一般的に住宅に使われるフローリング材には次のようなものがあります:

  • 合板フローリング:木目シートの下に接着剤を使った層があり、湿気を吸収しやすく、カビやすい
  • 無垢材フローリング:自然素材で調湿性はあるものの、汚れやすく吸水性が高いため、カビが内部に浸透しやすい
  • クッションフロアやビニル床材:表面は水に強いが、下地に湿気がこもると裏からカビが繁殖するケースも

また、日光が当たりにくい場所や風通しの悪い部屋では、乾燥しきれないまま湿気が残り、カビが定着しやすい床環境になってしまうのです。

つまり、フローリングは表面が硬くて丈夫そうに見えても、内部や隙間に湿気がたまることでカビが発生しやすい素材でもあるということを覚えておきましょう。

カビは目に見える黒い点や斑点だけがサインではありません。早期発見が掃除や対処のカギとなるため、見落としやすい初期の兆候を知っておくことが重要です。また、カビ掃除はやり方を間違えると、かえって広げてしまうリスクもあるため注意が必要です。

カビは目で見える前に、におい感触の変化で発見できることがあります。以下のサインがある場合は、床のカビ発生を疑いましょう。

【カビの初期サイン】

  • 足元がなんとなく湿っぽい、ベタつく
  • フローリングに黒・緑・白っぽい小さな点が浮き出ている
  • モワッとしたカビ臭が部屋にこもっている
  • 敷物や家具を動かすと、床に色の変化やヌメりがある

特に、ラグの下、ベッドやソファの下、壁際の隅など、空気の流れが少ない場所は要注意。定期的に家具をずらす・持ち上げるなどしてチェックしましょう。

カビ掃除の際にやってしまいがちなNG行動として、水拭きだけで済ませる、乾かさずに放置する、カビをこすって広げてしまうといった例があります。これではカビの胞子が空中に舞い、周囲に拡散してしまう恐れがあります。

【安全にカビ掃除を行うための注意点】

  • 掃除中は窓を開けてしっかり換気
  • マスク・手袋を着用して、カビの胞子を吸い込まないようにする
  • 乾いた布やペーパーでそっと拭き取り、広げないように処理
  • 濡れた雑巾は再利用せず、使用後はすぐ廃棄か殺菌する

また、カビが広範囲に広がっている、表面だけでなく床材の内部まで浸透している疑いがある場合は、無理せず専門業者に相談するのが安心です。

カビ掃除は、カビの「程度」や「範囲」に応じた方法を選ぶことが大切です。誤った掃除法は木材を傷めたり、カビをかえって広げてしまうリスクにもつながります。ここでは、軽度のカビから頑固な黒カビまで、状況別のおすすめ掃除法を2パターンに分けてご紹介します。

カビがまだ表面だけにとどまっている軽度な状態であれば、刺激の少ない自然派の洗浄剤での掃除が可能です。特に小さなお子さんやペットがいる家庭では、安心できる方法で除去するのが理想です。

【必要なもの】

  • 消毒用エタノール(アルコール濃度70〜80%が目安)
  • 重曹スプレーまたはペースト
  • 乾いた雑巾やペーパータオル
  • ゴム手袋・マスク

【掃除手順】

  1. カビのある部分を乾いた布でポンポンと優しく押さえて拭き取る
  2. エタノールをスプレーし、5〜10分ほど置いて殺菌
  3. 乾いた布でしっかり拭き取り、その後風通しの良い状態で完全に乾燥させる
  4. 汚れが残る場合は、重曹をペースト状にして塗布→こすらず数分放置→拭き取る

※重曹は研磨作用があるため、光沢のあるフローリングには使用を避け、目立たない場所でテストしてから使用してください。

黒カビが濃く広がっていたり、フローリングの隙間や木材の中にまでカビが浸透しているような場合は、アルコールや重曹では除去しきれません。より強力な対策が必要になります。

【必要なもの】

  • 酸素系漂白剤(粉末タイプをお湯で溶かして使用)
  • スポンジやブラシ(柔らかいもの)
  • 雑巾や乾いた布
  • 換気設備と保護具(マスク・ゴム手袋)

【掃除手順】

  1. 漂白剤をお湯で溶かし、濃度を守って薄める(強すぎると木が傷む)
  2. カビ部分にスポンジで優しく塗布し、10分ほど放置
  3. 水拭きでしっかり薬剤を取り除き、乾拭き→送風でしっかり乾燥

※塩素系漂白剤(カビキラー等)はフローリングには木を変色・変質させるリスクが高いため非推奨です。

【それでも取れない場合は?】

  • 床材の下までカビが入り込んでいる場合は、張り替えやリフォームが必要なケースも
  • 専門のカビ除去業者に相談し、カビの根を断つ処置を依頼しましょう

せっかくカビをきれいに取り除いても、環境が変わらなければ再発してしまうことは珍しくありません。そこで大切なのは、「カビが再び生えにくい環境をつくること」です。ここでは、掃除後に実践したい日常の工夫とアイテム活用法をご紹介します。

フローリングの再カビ化を防ぐ最大のポイントは、床に湿気をためない生活習慣を身につけることです。

【湿気対策の基本ルール】

  • 朝晩1回ずつ、5〜10分の換気を習慣化(窓を2方向開けて空気を流すと効果的)
  • 室内干しは避けるか、除湿機・サーキュレーターを併用
  • 飲み物や水をこぼしたら、すぐに乾いた布で拭き取る&乾拭きで仕上げる
  • 家具の裏や床との接地面を定期的に掃除&風を通す
  • カーテンの結露を放置しない:カーテン→床への水垂れがよくある原因です

また、床にじかに敷くマットやカーペットの使用も要注意。特に通気性が悪い素材は、湿気を溜めてしまうため、定期的に干すか、撥水加工されたタイプを選ぶのがおすすめです。

湿気とカビの対策には、市販の防カビ・除湿アイテムをうまく活用するのも効果的です。

【おすすめアイテムと使い方】

  • 防カビスプレー(アルコール or 天然成分配合)
     → カビが出やすい場所に週1〜2回スプレー&乾拭き
     → 特に梅雨や結露が増える季節は重点的に
  • 炭・珪藻土などの調湿アイテム
     → フローリングに近い場所(棚の下・ソファの下)に設置
     → 湿気とにおいを吸収し、再利用できるタイプも豊富
  • 小型除湿機や除湿シート
     → ラグの下や押し入れ、家具の裏などに設置するだけでカビ予防に効果大

これらのグッズは「置くだけ」「スプレーするだけ」で手軽に使えるものが多く、忙しい家庭でも継続しやすいのが魅力です。掃除後すぐの予防処置が、カビを寄せつけない最大の鍵となります。

カビ掃除や日々のフローリングケアでは、使用する洗剤や道具が安全であることがとても大切です。特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、成分や残留性にも注意する必要があります。ここでは、安心して使える自然派アイテムと、逆効果になりかねないNG掃除法をご紹介します。

安全性を重視するなら、化学薬品を使わないナチュラル洗剤がおすすめです。刺激が少なく、誤って触れたり舐めたりしても危険性が低いため、家庭内でも安心して使用できます。

【おすすめアイテム】

  • アルコールスプレー(食品用エタノールなど)
     → 殺菌・防カビに優れ、揮発性が高く床に残らない
  • 重曹水スプレー
     → 軽い汚れやカビの初期段階に効果的。消臭効果も◎
  • クエン酸スプレー
     → 湿気と相性のいい水回り近くの床掃除に。石けんカスや尿成分の除去にも
  • 竹炭や珪藻土の調湿グッズ
     → 無臭・無害で置いておくだけで除湿&カビ予防ができる

【道具の選び方】

  • 拭き取り用のマイクロファイバークロス
     → 吸水性が高く、繊維の奥まで汚れを絡め取る
  • 毛足のやわらかいモップ
     → フローリングの表面を傷つけず、手軽に乾拭き・水拭き両用可能

市販の「ナチュラルクリーニング用洗剤」も近年は多数登場しており、**“子どもOK”“ペットにもやさしい”**といった表示があるものを選ぶと安心です。

せっかく掃除をしても、やり方や洗剤の選び方を間違えると逆効果になることがあります。特に次のような方法は注意が必要です。

【NG掃除法の例】

  • 塩素系漂白剤(カビキラーなど)をそのまま床に使用
     → フローリングが変色・変質する恐れがあり、化学臭も残りやすい
  • 水拭きだけで済ませる
     → 湿気が残り、逆にカビの原因に。必ず乾拭きまで行うことが重要
  • 強くこする・硬いブラシを使う
     → 木材表面を削ってしまい、汚れやカビが入り込みやすくなる

【よくある誤解】

  • 「見た目がきれいなら大丈夫」→ 実は内部や隙間にカビが…
  • 「1回掃除すればOK」→ 湿気の多い時期は再発しやすいため、継続的なケアが必要

家族の健康と住まいを守るためには、**「強力さ」よりも「継続しやすさ」と「安全性」**を重視した掃除方法が大切です。

一般社団法人 微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を柱に、住まいと健康を守るための活動を行っている専門団体です。
カビは見える場所だけでなく、床材の内部や壁の裏など目に見えない部分にも潜み、住宅の劣化や健康被害を引き起こすリスクがあります。

当協会は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」を法的根拠とし、空気中の微生物や住環境に潜むリスクを**“見える化”して改善すること**を目的に設立されました。

主な活動内容:

  • 室内空気中や建材の表面に存在するカビ・細菌の検査と測定
  • 専門機器による浮遊菌・付着菌の可視化と分析
  • 結果に基づいた除去・抑制・予防策の提案と支援
  • カビに関する講演・啓発活動・調査研究の実施

特に注力しているのは、住まいや職場、教育施設などの室内空気の健全化です。例えば、カビの温床となりやすいフローリングの下地や壁内部、クローゼット、押し入れなど、一般の方では気づきにくい場所でのリスク評価と改善提案を行っています。

また、空気の汚染レベルやカビの種類・濃度を数値で明らかにすることで、確かな根拠に基づいた対策が可能になります。これは、単なる「掃除」ではなく、科学的アプローチによる住環境の質向上です。

「なんとなくカビ臭い」「家族が咳をしやすい」など、小さな異変の裏に潜む微生物の問題に対し、当協会は迅速かつ丁寧に対応し、快適で安心な暮らしを実現するサポートを提供しています。

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