一般社団法人
微生物対策協会

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2025/06/25   

【要注意】ホテルのカビ苦情が急増中!見えない不衛生の正体とは?

ホテルの宿泊で「カビ臭い」「体調が悪くなった」などの苦情が増えています。
【記事を読んで分かること】ホテルでカビの苦情が多発する理由や実際の事例、正しい対策方法がわかります。
【記事を読むメリット】不衛生なホテルを見分け、安心して宿泊できるための知識が身につきます。

ホテルにおけるカビの苦情は、年々増加傾向にあります。清潔で快適な空間を求めて訪れる宿泊客にとって、カビ臭や目に見えるカビの存在は強い不快感や不信感につながります。では、なぜホテルではカビが発生しやすく、それが苦情に発展しやすいのでしょうか。まずはその根本的な原因から紐解いていきます。

ホテルは建物の構造上、カビの発生条件が揃いやすい環境といえます。まず挙げられるのが「湿気」です。浴室、トイレ、エアコン内部など、常に湿気がこもりやすい場所が多数あります。特に浴室付きの客室では、換気が不十分だと湿度がこもりやすく、壁や天井にカビが発生することも珍しくありません。

また、チェックアウト後に一時的に無人状態になる客室は、空気の流れが止まり、湿度が上がりやすくなります。さらに、ビル全体の空調システムに依存しているホテルでは、個別の部屋で湿度管理がしにくいケースもあります。これに加え、建物の経年劣化や漏水・結露があると、カビの温床となってしまうのです。

カビによる苦情は、見た目だけにとどまりません。まず多いのが「カビ臭さ」に関する苦情です。部屋に入った瞬間の異臭により、不快感を覚える宿泊者は少なくありません。これは空調内部やカーテン、壁紙の裏などに発生したカビが原因で、目に見えなくても臭いで存在が分かるケースです。

次に、「目に見えるカビの存在」も苦情の原因になります。壁や天井、浴室のタイルなどに黒い斑点状のカビがあると、衛生管理の甘さが疑われ、ホテルへの信頼が一気に下がります。また、カビに対するアレルギーを持つ方や小さな子どもを連れた家族にとっては、健康被害のリスクを感じるため、より深刻な問題となります。こうした理由から、ホテルでのカビ被害は「ただの見た目の問題」にとどまらず、宿泊者の快適性と信頼性を大きく損なう要因となっているのです。

実際に宿泊客から寄せられたカビに関する苦情は、ネット上の口コミやレビューサイト、SNSなどに多く見られます。内容は多岐にわたり、「不快だった」というレベルから「健康被害を受けた」と深刻なものまであります。ここでは、そうした実例をもとに、どのような苦情が寄せられているのかを詳しく見ていきましょう。

口コミサイトなどを見ると、「部屋に入った瞬間にカビ臭くて驚いた」「浴室の天井に黒い斑点があった」「エアコンから不快な臭いがして眠れなかった」といった声が目立ちます。こうした投稿は、一度書き込まれるとインターネット上に長く残り、ホテルの評判を大きく左右します。

また、清掃が行き届いていない印象を持たれると、カビ以外の面でも「衛生面が心配」とネガティブな連想が広がってしまいます。あるレビューでは「子ども連れで利用したが、部屋の空気が重くて喉が痛くなった」といった体調に関するコメントも見られ、ホテル選びに慎重な人ほど敏感に反応する要因となっています。

カビは見た目や臭いの不快感だけでなく、人体への影響も無視できません。とくに、アレルギー性鼻炎や喘息を持っている人にとっては、カビの胞子が症状を悪化させる可能性があります。宿泊中に「くしゃみが止まらなかった」「喉がイガイガした」という体験談も報告されています。

また、エアコンの内部にカビが繁殖していると、空調をつけた瞬間に胞子が部屋中に拡散されることがあります。これは特に夏場や梅雨時期に多く、連泊すればするほど体調への影響が強くなるとされます。こうした実例は、ホテルにとって単なる清掃ミスでは済まされず、信頼性やリピート率を著しく低下させる重大なリスクとなっているのです。

カビによる苦情が多いホテルには、いくつか共通する管理上の問題点があります。見た目だけを整えていても、根本的な湿度管理や建物構造の対策が不十分であれば、カビはすぐに再発してしまいます。ここでは、実際に苦情が寄せられるホテルに見られる、カビ対策の落とし穴を紹介します。

カビの発生は、清掃や換気の質に大きく左右されます。苦情の多いホテルでは、部屋ごとの換気チェックが定期的に行われていなかったり、浴室やエアコン内部の清掃が形式的で済まされているケースが目立ちます。見える範囲だけ掃除して、天井裏や壁の裏など「見えない部分」を放置していると、カビはそこで静かに広がっていきます。

また、スタッフの教育不足も大きな要因です。カビが「ただの汚れ」と思われてしまうと、軽視されがちです。苦情の多いホテルでは、清掃スタッフがカビの発見や報告を怠ることも多く、結果的に根本的な対策が取られず、被害が広がります。清掃チェックリストに「カビの有無確認」が含まれていないことも問題です。

構造的な問題も、カビ発生の根本要因となります。特に築年数が古いホテルでは、防水処理が劣化していたり、壁内結露が発生していたりするケースが多く、知らないうちにカビが繁殖していることがあります。苦情が寄せられて初めて問題が発覚するという例も少なくありません。

さらに、湿度の管理が適切に行われていないことも問題です。エアコンや除湿機に頼るだけで、湿度センサーなどの導入がされていないホテルでは、湿度の「見える化」ができず、対策が場当たり的になりがちです。湿度が60%を超えると、カビの成長が加速すると言われており、日々の環境管理がとても重要なのです。

カビに関する苦情は、ホテルのイメージと信頼性を大きく左右する重要な問題です。しかし、適切な対策を講じることで、カビの発生を防ぎ、宿泊者からの不満や健康被害のリスクを最小限に抑えることが可能です。ここでは、ホテルが実践すべき具体的なカビ対策について解説します。

まず最も基本でありながら効果的な対策が「清掃と点検の徹底」です。特に浴室やエアコン内部、壁の隅や天井など、カビが発生しやすい場所を重点的に点検し、見逃しを防ぐ体制を整える必要があります。カビは目に見えない段階でも湿気があれば成長を始めるため、日々の細かな点検が重要です。

さらに、清掃スタッフへの教育も欠かせません。カビの初期兆候や発生しやすい箇所についての知識を共有し、報告体制を明確にしておくことで、早期発見・早期対処が可能になります。定期的なチェックリストの導入や、報告書の運用など、管理体制の強化も対策の一部として不可欠です。

空気中に漂うカビ胞子は目に見えず、気づかないうちに健康被害を及ぼすことがあります。そこで効果的なのが、「空気の見える化」です。最近では、空気中のカビの有無や濃度を測定する検査機器やサービスが充実しており、数値によって室内環境の衛生状態を把握することができます。

また、カビが発生してしまった場合は、安易に自社対応せず、専門業者に依頼するのが安全です。市販の除菌剤では表面のカビは一時的に消せても、根本的な菌糸までは除去できないことが多く、再発のリスクが残ります。プロの技術による根本対策と予防措置を行えば、宿泊者からの信頼も高まり、口コミ評価にも好影響を与えるでしょう。

旅行や出張の際に、カビのある部屋に当たってしまうと気分が台無しになってしまいます。だからこそ、宿泊前にしっかりとした情報収集と確認をして、カビ対策が行き届いたホテルを選ぶことが大切です。ここでは、カビ被害を避けるためのホテル選びのポイントを解説します。

まず注目すべきは「ホテルの衛生管理に関する情報開示」です。公式サイトや予約サイトで、「空気清浄」「除菌」「定期清掃」「カビ対策」などの表記があるかどうかをチェックしましょう。特に、客室の清掃ポリシーや設備の衛生状態を具体的に説明しているホテルは、内部管理がしっかりしている可能性が高いです。

また、新しい建物やリノベーション済みのホテルは、湿度対策や空調設備が最新のものになっていることが多く、カビのリスクも低減されます。加えて、部屋タイプに「窓付き」や「換気可能」といった情報が記載されていれば、湿気がこもりにくい環境である可能性が高いです。

口コミサイトやレビュー欄は、実際に宿泊した人の生の声が反映されているため非常に参考になります。検索窓に「カビ」「臭い」などのキーワードを入れて、過去に同様の苦情が投稿されていないかを確認しましょう。少しでも「カビ臭かった」「空気が悪かった」といったコメントがある場合は、避けた方が無難です。

また、衛生評価の星の数や清潔感に関する平均評価点もチェックしましょう。点数が高いホテルは、清掃や空気環境への配慮が行き届いている可能性が高く、カビのリスクも低くなります。宿泊前にこうした情報を事前に確認することで、不快な思いをせずに安心して宿泊することができるのです。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」に特化した専門団体です。私たちは、カビによる健康被害や建物の劣化といった問題に正面から向き合い、室内空気の「見える化」を通じて、すべての人にとって安心・安全な「健全な住環境」の実現を目指しています。

その活動の根拠となるのが、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」です。この法律では、「アレルギー疾患の予防や症状の軽減を目的に、生活環境や建築構造の改善を進めること」が求められており、私たちの取り組みはまさにこの方針に沿ったものです。

協会の具体的な目的は、環境中の微生物による災害から住まいや生活環境を守ることにあります。住宅や自動車内など、目に見えない浮遊微生物がもたらすさまざまなリスクに対し、正しい知識と対策を広めることで、公衆衛生の向上、保健医療や福祉、環境保全にも寄与しています。

特に近年は、カビの被害が深刻化しています。空気中には目に見えないカビの胞子が常に漂っており、床や壁などに落ちても自然には死滅しません。このため、私たちは独自の検査技術でカビの有無や濃度を測定し、室内の「空気環境」を数値として可視化します。これにより、適切な対策を講じるための判断材料が得られるのです。

また、検査結果に基づいて、必要な除去や予防策を専門的にご提案し、清潔で安心できる空間づくりをサポートします。見えないカビの存在を明確にし、快適な暮らしを守るために、私たちは今後も全国各地で活動を続けてまいります。

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