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2025/04/06   

衣替えでカビを防ぐ!失敗しない5つのポイントを徹底解説

せっかくの衣替えなのに、カビで服が台無しになった経験はありませんか?
【記事を読んで分かること】衣替えの際にカビを防ぐための準備、収納法、湿気対策が詳しく分かります。
【記事を読むメリット】大切な衣類をカビから守り、清潔で快適な収納環境を整える知識と実践法が身につきます。

衣替えのタイミングは、気温や湿度が大きく変わる時期と重なります。その変化にうまく対応できないと、クローゼットや押し入れの中で湿気がこもり、大切な衣類にカビが発生してしまうことがあります。まずは、なぜ衣替えの時期にカビが発生しやすくなるのか、その原因と背景を見ていきましょう。

春から梅雨、秋から冬など、衣替えの多い時期は、外気と室内の温度差が大きくなる季節です。この温度差が結露を引き起こし、収納スペースに湿気がこもりやすくなります。特に、日当たりの悪い押し入れやクローゼットでは、空気の流れが悪いため、一度たまった湿気がなかなか抜けません。
また、冬物の衣類は厚手で湿気を吸いやすい素材が多く、きちんと乾燥させずに収納してしまうと、内部に水分が残ったまま密閉されてしまいます。これがカビの栄養源となり、気づかないうちに衣類全体に広がってしまうのです。
つまり、季節の変わり目は湿気が増えやすく、衣類も傷みやすい「カビの危険シーズン」と言えるでしょう。

カビが発生するには、「湿度」「温度」「栄養源(ホコリや皮脂など)」の3つの条件が揃う必要があります。収納前の衣類には目に見えない汗や皮脂が付着しており、これがカビにとって格好のエサになります。
さらに、湿度が60%を超え、気温が20〜30℃になるとカビ菌が活発に繁殖します。この条件は、ちょうど衣替えのタイミングである春や秋の室内環境とぴったり一致してしまうのです。
つまり、しっかりと洗濯やクリーニングを行わずに収納したり、収納スペースの換気を怠ると、カビが発生するリスクは一気に高まります。知らないうちにお気に入りの服にカビが…という悲劇を防ぐためには、このメカニズムを知っておくことが非常に大切です。

カビを予防するためには、収納する前の「ひと手間」がとても重要です。どんなに高価な防カビグッズを使っても、衣類や収納場所が湿ったままだと意味がありません。ここでは、衣替え前に必ずやっておきたい2つの基本的な準備について紹介します。

まず、収納前の衣類を一枚ずつ確認しましょう。目に見えるカビの斑点がある場合は、そのまま収納せず、必ず適切な洗濯かクリーニングを行う必要があります。また、見た目がきれいでも、汗や皮脂が付着していると、それがカビの栄養源になってしまいます。
特に注意したいのは、冬物のコートやセーター、マフラーなど。これらは一度しか着ていなくても、表面に花粉やホコリが付着している可能性が高いため、収納前には必ず洗濯またはクリーニングを行いましょう。
また、完全に乾かすことも非常に重要です。生乾きのまま収納すると、クローゼット内に湿気がこもり、カビが広がる原因になります。天気の良い日に日陰干しをして、風通しを良くしてからしまうようにしましょう。

衣類がいくら清潔でも、収納スペース自体が湿気ていては意味がありません。衣替え前には、クローゼットや押し入れの中を必ずチェックし、乾いた布で棚板を拭く、掃除機でホコリを吸うなどの基本的なお手入れを行いましょう。
湿気が気になる場合は、除湿剤を新しいものに交換するのも大切です。特に木造住宅や北向きの部屋は湿気がこもりやすいため、繰り返し使えるタイプの除湿剤や、炭素材の消臭・調湿剤を活用すると効果的です。
また、収納スペースに物を詰めすぎないこともポイントです。隙間がないと空気が流れず、湿気がたまりやすくなります。衣類と衣類の間に手のひら一枚分くらいの空間を作るように意識して、風通しの良い収納を心がけましょう。

衣類をきれいにして湿気対策をしても、収納方法が間違っていればカビの発生を完全には防げません。ここでは、衣類の種類に応じた収納の工夫と、防カビグッズを効果的に活用するポイントを紹介します。ほんの少しの配慮で、大切な衣類を長く清潔に保つことができます。

衣類は素材や形状によって、適した収納方法が異なります。例えば、ウールやカシミヤなど天然素材の衣類は湿気に弱く、カビが発生しやすい傾向があります。これらは通気性の良い不織布の衣類カバーに入れて、ハンガーにかけて収納するのが理想です。
一方、Tシャツやインナー類などの軽衣類は、たたんで収納ケースに入れる場合が多いですが、このときもケース内の詰め込みすぎに注意が必要です。ぎゅうぎゅうに詰めてしまうと、空気の流れが悪くなり、湿気がこもってしまいます。適度に余裕をもたせ、上下の層の間にすのこや除湿シートを挟むと湿気の分散にもつながります。
さらに、収納ケースはプラスチック製よりも通気性のある布製タイプが望ましく、床から直接置かず、5cmほど浮かせて設置すると湿気の上昇を防ぐことができます。

防カビ対策として市販の防湿・防カビグッズを使うのは非常に有効ですが、使い方にコツがあります。まず、除湿剤や防カビ剤はクローゼットや収納ケースの「下の方」に置くのが基本です。湿気は下にたまりやすいため、空気の流れを考えながら配置するとより効果を発揮します。
また、置き型タイプのほか、つり下げ型や貼り付け型などさまざまな種類があるため、収納場所の形に合わせて使い分けると良いでしょう。特に梅雨前や冬の終わりには新しいものに交換するのが理想です。使用期限をチェックし、古くなったものは早めに取り替えることで、効果を継続させることができます。
さらに、自然素材を使った防湿グッズ(備長炭、珪藻土、竹炭など)は繰り返し使えるものが多く、コストパフォーマンスにも優れています。こうしたアイテムを上手に取り入れることで、環境にも優しい収納空間を作ることが可能です。

衣類をきれいにし、収納方法も工夫しても、衣替え後の環境管理を怠ると、時間が経つにつれてカビが発生してしまうことがあります。収納して終わりではなく、その後の「湿気コントロール」と「定期チェック」が、カビを防ぐうえで重要なカギとなります。

衣類が収納されている空間の湿度は、常に60%以下をキープするのが理想です。特に湿気がこもりがちな梅雨や夏場は、湿度が70%を超えることもあり、油断できません。そんなときに活躍するのが、湿度コントロールのためのアイテムです。
たとえば、クローゼット内や押し入れ用の小型除湿機や、湿気を吸収するシリカゲル、炭素材の調湿アイテムは、手軽で効果的。中でも繰り返し使えるタイプは経済的で、エコにも配慮できます。また、湿度計を設置して、収納空間の状態を「見える化」しておくと、湿気の変化にすぐ気づけて安心です。
衣類だけでなく、収納空間全体の空気を意識しながら湿度を管理することが、長期的なカビ予防には欠かせません。

カビ対策において非常に大切なのが、「定期的な換気」です。しかし、収納スペースは普段あまり開けないことが多く、空気がよどんだままになりがちです。その結果、湿度が高止まりしてしまい、知らぬ間にカビが広がっている…というケースも少なくありません。
理想的には、週に1〜2回、扉を全開にして10〜15分ほど換気するだけでも効果があります。特に晴れた日の午前中など、空気が乾燥しているタイミングで行うのがベストです。
また、クローゼット内の衣類を少し動かしたり、収納ケースの蓋を開けておくなど、空気が流れるように意識するだけでも湿気対策になります。忙しい日々の中でも、ちょっとした時間を使って「風を通す習慣」をつけることで、カビ知らずの収納を保つことができます。

どれだけ気をつけていても、カビが発生してしまうことはあります。そんなときは焦らず、正しい方法で対処することが大切です。ここでは、衣類にカビが生えてしまった際の効果的な対処法と、再発を防ぐためのポイントを紹介します。

まず、衣類にカビを発見したら、できるだけ早く他の衣類とは分けて処理しましょう。軽度のカビであれば、洗濯で対応できる場合があります。衣類のタグに表示されている洗濯方法を確認し、可能であれば酸素系漂白剤を使ってつけ置き洗いを行うと効果的です。
漂白剤を使用する際は、色落ちの心配があるため、目立たない部分でテストしてから全体に使うようにしましょう。また、すすぎ後はしっかり乾燥させ、天日干しをすると紫外線の殺菌効果も得られます。
しかし、カビの根が深く入り込んでいたり、ニオイが強く残っている場合は、自宅での洗濯では完全に落としきれないことも。その際は、プロのクリーニング店で「カビ除去対応」をお願いするのが安心です。

一度カビが生えた衣類は、再発しやすい傾向があります。そのため、除去後も湿気管理と保管方法の見直しがとても大切です。まず、収納する前に衣類が完全に乾いているかを再確認し、収納場所の除湿剤や防カビグッズは新しいものに交換しましょう。
また、収納スペース内の通気性を改善するため、衣類を詰め込みすぎないようにすることも重要です。定期的な換気と、湿度計を活用して60%以下を維持する努力を続けることで、カビの再発を防ぐことができます。
さらに、カビが生えてしまった原因を分析し、洗濯や乾燥、収納の流れの中に見落としがなかったかを振り返ることで、今後の予防につながります。「ちょっとだけ大丈夫だろう」という油断が、大切な衣類をダメにしてしまう原因になることも。少しの工夫と注意を重ねることで、清潔で快適な衣替えを実現できます。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」に特化した専門機関です。カビによる健康被害や建物の劣化被害が年々深刻化するなか、当協会は室内空気の状態を「見える化」することで、住まいの安全性と快適さを守る活動を行っています。私たちの目的は、目に見えない空気中の微生物リスクを科学的に評価し、確かな対策を実施することです。

この活動は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいています。この法律では、アレルギー疾患の予防や軽減のために、生活環境や建築構造の改善を促進することが求められており、私たちの取り組みはその理念と密接に連携しています。

微生物対策協会では、空気中に漂うカビやその他の微生物を調査・測定し、その濃度や種類を明らかにします。建物内の微生物被害のほとんどはカビによるものであり、特に目に見えないカビは、見落とされやすい反面、深刻な健康リスクにつながる可能性があります。カビは一度落下しても自然に死滅することは少なく、環境が整えば再び繁殖します。そのため、被害の早期発見と正確な対策が非常に重要です。

私たちは、安心・安全な空間づくりが求められる今の時代に、「健全な住環境」を実現するための知識と手段を提供し続けています。一般のご家庭はもちろん、施設や企業など、幅広い現場でカビや微生物に関するご相談に対応しております。健康と建物を守るために、確かな知識と経験を持つ私たちにぜひご相談ください。

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