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微生物対策協会

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2025/09/25   

集中豪雨後はカビに注意!放置が招く重大トラブルとは?

集中豪雨のあと、部屋がカビ臭いと感じたことはありませんか?それ、放置すると大きなトラブルの原因になります。
【記事を読んで分かること】集中豪雨後に増えるカビの原因とリスク、予防・除去の方法、プロへの相談の目安までが分かります。
【記事を読むメリット】健康と住まいをカビから守るために、今すぐ実践できる対策と判断ポイントが身につきます。

近年、異常気象の影響で集中豪雨が頻発し、住宅や建物の中に大量の雨水が入り込むケースが増えています。水が引いたあと「やれやれ、これでひと安心」と思ったのも束の間、数日後に発生するのが“カビ”の問題です。カビは見た目以上に厄介で、健康被害や建物の損傷といったトラブルの原因となります。この章では、なぜ集中豪雨のあとにカビが急増するのか、そして放置した場合にどのような被害が起こるのかを解説します。

集中豪雨によって室内に雨水が入り込むと、床・壁・家具・建材の隙間に水分が染み込みます。この水分がすぐに乾かないと、室内の湿度が高い状態が長く続き、カビにとって絶好の繁殖環境が整います。

カビは以下の条件がそろうと爆発的に増え始めます:

  • 湿度が60%以上
  • 気温が20〜30℃(特に梅雨・夏・初秋に多い)
  • ホコリや汚れなどの**有機物(栄養源)**がある

つまり、集中豪雨によって家の中に水分が入り込み、気温も高く、掃除も行き届かないままだと、カビは24〜48時間以内に発生し始めるのです。

特に注意が必要なのは、床下や壁の内部、天井裏、家具の裏側など、目に見えにくい場所。表面が乾いているように見えても、内部には水分が残っており、気付かないうちにカビがどんどん広がってしまうことがあります。

集中豪雨後のカビを放置すると、単に「見た目が悪い」「臭いがする」といったレベルでは済みません。深刻なトラブルへと発展することもあります。

💥 カビが引き起こす主なトラブル:

  • 健康被害
     → カビの胞子を吸い込むことで、喘息・咳・鼻水・皮膚炎などを引き起こします。小さなお子さんや高齢者、アレルギー体質の方は特に注意が必要です。
  • 建物の劣化
     → 木材・石膏ボード・断熱材にカビが根を張ることで、腐食が進み、建物の耐久性が低下します。最悪の場合、リフォームや建て替えが必要になることもあります。
  • 再発・悪臭
     → 一度発生したカビは根が残りやすく、完全に取り除かないとすぐに再発します。特に「カビ臭」は強く、生活の快適さを損ないます。
  • 保険適用外の損害
     → カビによる被害は多くの場合、火災保険ではカバーされず、自己負担での修理が必要になることも。

集中豪雨は自然現象のため防ぐことは難しいですが、その後の対応でカビ問題を最小限に抑えることは可能です。次章では、そのためにまず「何をすべきか」を具体的に解説します。

集中豪雨が過ぎ去ったあと、ほっとするのも束の間、家の中ではすでにカビの準備が始まっています。カビは「発生してから対処する」よりも、「発生する前に防ぐ」ことが圧倒的に効果的です。ここでは、集中豪雨のあとの初動対応のポイントと、意外と見落としやすいカビの発生箇所をわかりやすく整理しました。

集中豪雨後、家の中の湿気をそのままにしておくと、24〜48時間以内にカビが発生し始めます。そのため、時間との勝負。以下の手順に沿って、できるだけ早く行動しましょう。

✅ カビを防ぐ初動対応チェックリスト:

  1. 家全体の通気を確保する
     → 晴れていれば窓を全開に。雨の日は換気扇を回し、扇風機・サーキュレーターを使って空気を動かします。
  2. 濡れた家具やカーペット、畳をすぐに移動
     → 屋外で乾燥させるか、廃棄を検討。水を吸ったまま放置するとカビの温床に。
  3. 床や壁の水分をしっかり拭き取る
     → 水が残っていると表面乾燥しても内部は湿ったまま。できるだけ吸水シートや雑巾で拭き取りましょう。
  4. 除湿機・エアコン(ドライモード)を稼働
     → 湿度を60%以下に保つことでカビの繁殖を抑えます。
  5. 濡れた本・紙類・布製品を速やかに処置
     → 乾かすか、場合によっては処分も視野に。カビは紙や布に深く根を張ります。
  6. 電源周りは必ず安全確認のうえ触る
     → 浸水の程度によっては感電リスクあり。不安なら業者に相談を。

この「最初の数時間〜1日」の対応が、後のカビ被害の大きさを左右します。

「見た目は乾いてるし、臭いもないから大丈夫」と思っても、カビは目に見えないところで静かに広がっています。以下のような場所は特に注意が必要です。

🔍 見落とされやすい“隠れカビ”ポイント:

  • 壁紙の裏側や石膏ボードの内部
     → 表面に変色がなくても、裏でカビが繁殖しているケース多数。
  • 床下収納や畳の裏
     → 通気が悪く、水分がこもりやすい。確認が難しい分、放置されがち。
  • 押し入れ・クローゼットの壁面
     → 湿った空気が滞留しやすく、木材や布団にカビが移ることも。
  • カーテンやカーテンレール周辺
     → 結露が発生しやすい場所はカビの温床になりやすいです。
  • エアコン内部(フィルターや吹き出し口)
     → 湿気+ホコリ=カビの好条件。乾燥後に必ずフィルター掃除を。

こうした場所は見えづらく、カビ臭がして初めて気づくケースも多いため、早い段階で点検と処置をしておくことで、後々の健康被害や再発のリスクを減らせます。

集中豪雨のあと、カビが発生してしまった場合でも、すぐに専門業者を呼ばなくても自分で対処できるケースはあります。特に、発生して間もない浅いカビなら、適切な方法で除去すれば再発も防げます。この章では、自宅で安全に行えるカビ取りの基本手順と、再発を防ぐために日常でできる予防策を解説します。

市販のカビ取り剤は、浴室用や住まい全体用などさまざまな種類がありますが、使用方法を間違えると健康被害や素材の劣化を招くこともあります。以下のポイントを押さえて、安全・確実にカビを除去しましょう。

✅ カビ取りの基本ステップ:

  1. 作業前に必ず防護対策をする
     → マスク(N95推奨)、ゴム手袋、長袖長ズボン、保護メガネなどを着用。
  2. 部屋の換気を徹底する
     → 窓を開け、扇風機などで空気を動かしながら作業します。
  3. カビ部分を湿らせてから拭く
     → 乾いたままこすると、胞子が舞い上がる可能性があるため、最初に軽く湿らせます。
  4. カビ取り剤やアルコールを使って拭き取り
     → 塩素系(漂白剤系)は強力ですが素材を傷めることもあるため、使う場所に応じて中性・アルカリ性などを選びます。
  5. 乾いた布でしっかり拭き上げる
     → 水分を残すと再びカビの原因になります。
  6. 使い終わった布やスポンジは密閉して処分
     → 他の場所へカビ胞子を持ち込まないようにしましょう。

⚠️ 使用時の注意点:

  • 他の洗剤と絶対に混ぜない(有毒ガス発生の危険あり)
  • 壁紙や木材など吸水性のある素材への使用は慎重に
  • 濃度が強すぎると変色・腐食の恐れあり
  • 布製品に生えたカビは基本的に再利用不可。処分を検討

特に、臭いやカビの色が残っているからといって強くこすり過ぎないことが大切です。表面のシミより、根の除去と再発防止が優先です。

一度カビを取り除いても、環境が変わらなければすぐに再発するのがカビの厄介なところ。再発を防ぐためには、湿気対策と空気の流れを意識した日常習慣が重要です。

💡 実践すべき予防習慣:

  • 室内の湿度は50〜55%をキープ
     → 湿度計を設置し、除湿機やエアコンのドライ機能で調整。
  • 家具や収納は壁から5cm以上離して設置
     → 壁との間に空気が流れるスペースをつくるだけで湿気のこもりを防げます。
  • 押し入れ・クローゼットは定期的に開放・換気
     → 除湿剤を常設し、晴れた日は開放して湿気を逃しましょう。
  • 浴室や洗面所などの水回りは使用後に拭き上げ・換気を徹底
     → 湿ったまま閉め切るとカビの温床に。
  • アルコールスプレーで週1回の拭き掃除を習慣に
     → カビの胞子を物理的に除去し、繁殖を防止します。
  • 換気扇やエアコンのフィルターを月1で掃除
     → ホコリはカビの栄養源。空調設備も清潔に保ちましょう。

カビは「掃除しやすい家」「空気が流れる家」に発生しづらくなります。
普段のちょっとした工夫が、集中豪雨のような自然災害後でも被害を最小限に食い止めるカギになるのです。

カビの怖いところは、目に見えるものだけではないという点です。壁紙や天井、家具にうっすら黒ずみがあればすぐに気づけますが、壁の裏、床下、天井裏、空気中などに存在する「見えないカビ」は、気付かないうちに健康や建物に深刻な被害を与える可能性があります。この章では、目に見えないカビのリスクをどのように察知し、どう調べればいいのかを詳しくご紹介します。

「なんだか部屋がカビ臭い」「掃除しても臭いが取れない」「家にいると咳やくしゃみが出る」——
これらはすべて、見えない場所にカビが存在しているサインかもしれません。

🛑 カビの存在を疑うべきサイン:

  • 湿ったようなにおい、土っぽいにおいが続く
     → 特に雨が降った後や湿度の高い日に強くなる場合は要注意。
  • 壁紙が浮いてきたり、波打っている
     → 壁の内部に湿気がこもり、カビが繁殖している可能性あり。
  • 家族にアレルギー症状(咳、くしゃみ、鼻水、かゆみ)が出ている
     → カビ胞子の吸引による健康被害の典型です。
  • 天井や床に黒ずみやシミがあるが、拭いても消えない
     → 表面ではなく、内部からのカビが染み出している可能性があります。

これらの兆候がある場合、見える部分だけを掃除しても根本解決にはなりません。内部や空気中のカビの有無を、専門的に調べる必要があります。

目に見えないカビを特定するには、「カビの見える化検査」という方法があります。これは専門業者が行う科学的な調査方法で、住宅の空気や建材を分析し、カビの種類・量・発生源を明らかにします。

🔬 主な見える化検査の内容:

  • 空気中のカビ胞子測定(エアサンプリング)
     → 室内の空気を採取し、カビ胞子の数・種類を分析。目に見えないカビの存在を数値化できます。
  • 拭き取り検査(スワブテスト)
     → 気になる場所の表面を綿棒で拭き取り、付着したカビを培養・分析します。
  • 壁内・床下の湿度チェック/赤外線サーモグラフィー
     → 直接見えない場所の湿気の分布を視覚的に確認できます。湿度の高い部分はカビが発生している可能性が高いです。

✅ 検査を受けるメリット:

  • 隠れカビの場所と範囲を正確に把握できる
  • 再発防止のための対策がピンポイントでできる
  • 健康被害や臭いの原因を“見える形”で理解できる
  • 除去後に「安全な状態」かどうかを確認できる

「見えるカビは取ったけど、まだ臭う」「体調不良の原因が分からない」など、漠然とした不安を抱えている方には、カビの見える化は非常に有効な手段です。

「掃除してもまたカビが出てくる…」「臭いがずっと消えない…」「家族が体調を崩しがちになった…」——
それ、もしかするとプロの手を借りるべきタイミングかもしれません。カビは見えない場所や内部に根を張るため、表面的な掃除では対応しきれないケースが多くあります。ここでは、どんなときに専門業者に頼るべきか、そしてそのメリットについて詳しくご紹介します。

以下のような状態が見られる場合は、自力対応では限界を超えている可能性が高いです。

❗ 専門業者に依頼すべき主なケース:

  • 掃除をしても同じ場所にカビが何度も再発する
     → 内部構造にカビが浸透しているサインです。
  • カビ臭が家中に広がり、消臭剤でもごまかせない
     → 空気中にカビ胞子が充満している恐れがあります。
  • 壁紙や天井にシミ・変色が広がっている
     → 壁の中や天井裏にまでカビが繁殖している可能性あり。
  • 家族に咳や鼻炎、皮膚のかゆみなどの体調不良が起きている
     → マイコトキシン(カビ毒)による健康被害のリスク。
  • 床下や天井裏など、自分では確認できない場所に不安がある
     → 見えない場所ほどリスクが高く、早期対応が必要です。

特に冠水・集中豪雨の被害があった場合は、被害が表面化する前に、調査・対策を行うことが重要です。

専門業者は、カビ問題を「見える化 → 除去 → 再発防止」まで、科学的かつ実用的な方法で対応してくれます。

🛠 専門業者による主な対応内容:

  1. カビ調査・見える化検査
     → 空気中・壁内・床下のカビの有無と範囲を明確化。
  2. 適切な薬剤によるカビの根本除去
     → 市販品では届かない奥のカビまで徹底除去。
  3. 建材への防カビコーティング
     → 再発防止のための長期持続コーティングを実施。
  4. 除湿・換気のアドバイスや環境改善提案
     → 家全体の空気環境を整えることで、再発しにくい住まいへ。
  5. 施工後のアフター検査・報告書
     → 作業結果を数値と写真で確認できるため、納得と安心が得られます。

✅ 専門業者に依頼するメリット:

  • ✔ カビ問題の根本的な解決ができる
  • ✔ 健康へのリスクを早期に軽減できる
  • 再発リスクが格段に低下し、長期的に安心
  • 見えない被害に先手対応できる
  • ✔ 自分で悩む時間と労力を大幅に削減できる

費用はケースによって異なりますが、再発を繰り返すことでかかる時間・費用・健康被害を考えると、結果的にコストパフォーマンスが高いといえます。

一般社団法人 微生物対策協会は、カビの検査と対策を専門に行う団体として設立されました。集中豪雨や水害、日常生活の中で見過ごされがちな「カビ問題」に対し、科学的根拠に基づいた調査と適切な対策の提供を通じて、皆さまの健康と住環境を守ることを目的としています。

当協会の活動は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいています。この法律では、アレルギーの発症や悪化を防ぐために、生活環境の改善や建築構造の見直しが重要であるとされており、当協会ではこれを受けて、室内の空気環境や微生物汚染に焦点を当てた取り組みを推進しています。

🔍 主な活動内容:

  • 室内空気の微生物調査・カビ検査
  • カビや細菌による健康被害リスクの**「見える化」**
  • 住宅や建物におけるカビの除去・予防提案
  • 関連する法制度や衛生知識の啓発活動
  • 環境保全と公衆衛生の向上を目的とした調査研究

カビは空気中に胞子を放出し、人の目には見えない場所でも広がり続けます。特に冠水や浸水の後は、壁の中や床下、断熱材の奥などにカビが残りやすく、通常の掃除や換気だけでは完全に除去することができません。

当協会では、空気中に浮遊するカビ胞子の濃度や種類を科学的に測定・分析し、「見える化」することでリスクを明確化します。そのうえで、必要に応じて専門業者と連携し、建材に適した除去方法や防カビ処理を提案。住まいの再発防止にも貢献しています。

🏠 私たちの想い

「カビが見えないからこそ、対策が遅れる」
「体調不良の原因がカビだったと気づくのはいつも後」
だからこそ、見えないカビを可視化し、科学で安全を守るのが私たちの使命です。

カビや微生物による住環境リスクにお困りの方、集中豪雨や水害のあとに不安を抱える方は、ぜひ一度、微生物対策協会のカビ検査サービスをご検討ください。
快適で安全な暮らしのために、私たちはあなたの住まいを「見えないところから」守ります。

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