2025/09/05
リフォームを考えているけれど、カビが心配…そのまま進めても大丈夫なのでしょうか?
【記事を読んで分かること】
リフォーム前に確認すべきカビのリスク、調査方法、再発防止のリフォーム計画が分かります。
【記事を読むメリット】
リフォーム後にカビ被害で後悔しないための具体的な対策と、事前調査の重要性が理解できます。
1. リフォーム前にカビ問題を見逃すとどうなる?
「見た目はきれいにリフォームできたけど、なぜかカビ臭が消えない…」
そんな声が少なくありません。リフォームは住まいを快適に生まれ変わらせる大きなチャンスですが、カビ問題を見逃したまま進めてしまうと、せっかくのリフォームが失敗に終わる可能性もあります。この章では、カビを放置したままリフォームすることで起こるリスクや、実際に起きたトラブル事例をご紹介します。
1-1. カビの放置がもたらす健康・構造への悪影響
リフォーム前にカビがあったにもかかわらず、それを除去・調査せずに工事を進めてしまうと、カビの温床がそのまま閉じ込められてしまうことになります。すると、見た目はきれいでも、空気中にカビの胞子が漂い続けるという、目に見えない危険な状態が続いてしまうのです。
カビはアレルギーや喘息、過敏性肺炎などの健康被害を引き起こすリスクが高く、特に子どもや高齢者がいる家庭では深刻な影響を及ぼします。さらに、カビが構造内部に根を張っていると、木材の腐食や断熱材の劣化など、建物の寿命にも関わる問題が発生します。
リフォームは一度行うとやり直しがききにくいため、カビの存在を軽視することなく、計画段階での調査と対応が不可欠です。
1-2. リフォーム後にカビが再発するケースの実例
実際にあった事例として、「壁紙と床を張り替えたが、2ヶ月後に同じ場所にカビが再発」「システムキッチンを導入したが、下からカビ臭が漂ってくる」など、リフォーム後に再びカビの問題に悩まされるケースが報告されています。
これは、リフォームによって表面的な部分は新しくなっても、カビの原因となる湿気や結露の根本が改善されていなかったために起こることです。
また、下地のカビを処理せずにフローリングを施工したり、防水処理が不十分なまま浴室をリフォームしたりした場合にも、同様のトラブルが発生しやすくなります。
リフォーム後に「またやり直し」では、費用も時間も二重にかかってしまいます。だからこそ、カビは“見えなくても調べる”ことが重要であり、最初の段階でしっかりと対策することが、後悔のない住まいづくりにつながるのです。
2. カビはどこに潜んでいる?調査が必要な場所とは
リフォーム前にカビの調査を行う上で重要なのは、「目に見えない場所にこそカビは潜んでいる」という意識です。表面的にはキレイでも、内側や見えにくいところでカビが繁殖していると、リフォーム後すぐに再発する可能性があります。この章では、見逃しがちなカビの発生箇所と、そこに現れるサインについて詳しく解説します。
2-1. 壁の中・床下・天井裏など見えないカビの危険性
家の中で最もカビが潜みやすいのは、壁の内部・床下・天井裏です。これらの場所は普段の生活では直接確認することができず、湿気がたまりやすいため、知らぬ間にカビが大量に繁殖していることもあります。
特に注意が必要なのが、結露しやすい北側の壁や、断熱性が低い部分、浴室の隣接箇所などです。こうした場所は温度差による結露が発生しやすく、壁材の裏や床下地の中でカビが進行しているケースが多く見られます。
また、外からの雨漏りがあった部位や、過去に水回りのトラブルがあった箇所も、高い確率で内部にカビが残っている可能性があります。これらは見た目で判断しにくいため、専門的な機器を使った調査が推奨されます。
2-2. 表面だけじゃない!内部に広がるカビのサイン
内部のカビを見極めるためには、いくつかの“サイン”を見逃さないことが大切です。たとえば…
- 壁紙の一部が浮いている、または変色している
- クロスの継ぎ目や角に黒ずみがある
- 部屋に入ったときにカビ臭さを感じる
- 押入れや収納内が湿っぽく、すぐカビが生える
- 床の一部が軋んだり、柔らかく感じる
こうした現象がある場合は、見えている部分以上に、壁や床の内部でカビが広がっている可能性が高いです。
また、住んでいて原因不明のアレルギー症状が出るときも要注意です。空気中にカビの胞子が漂っていると、目には見えなくても健康被害として表れるケースがあります。
リフォームの際にこれらの兆候を無視してしまうと、新しい内装材にまでカビが侵食し、短期間で劣化することも。だからこそ、事前のカビ調査は“費用”ではなく“将来の安心への投資”と捉えるべきなのです。
3. リフォーム前に実施すべきカビの調査方法
カビが目に見える場合はもちろん、見えない場合でもリフォーム前には**「本当にカビがないのか」「どこまで広がっているのか」**を調べておくことが不可欠です。ここでは、プロに依頼する本格的な調査から、自分でもできる初期チェックまで、カビ調査の方法を紹介します。
3-1. 専門業者による空気中のカビ測定と素材検査
本格的にカビの状態を確認するには、専門業者による調査が最も確実です。特にリフォームを予定している場合、構造内部の状態を正確に把握することが後々のトラブル回避につながります。
専門業者では、以下のような検査を行います:
- 空気中のカビ胞子の測定:室内の空気をサンプリングし、浮遊しているカビの種類や量を調査します。数値化されることで「見えない汚染」が明らかになります。
- 素材検査:壁紙の裏や木材などの素材表面を採取し、顕微鏡や培養検査でカビの有無・種類を確認します。
- 湿度や結露の確認:赤外線カメラや温湿度計などの機器を使って、構造内の結露リスクも同時にチェックします。
このような調査を行うことで、リフォーム前に発生源を突き止め、適切な除去・対策を講じることが可能になります。カビを知らずに閉じ込めてしまうリスクを未然に防ぐ、大切なステップです。
3-2. 自分でもできるチェックポイントと注意点
専門調査を依頼する前に、自分でもできる簡易チェックもあります。以下のポイントを確認し、気になる箇所があれば業者への相談を検討しましょう。
- 壁紙や天井の変色、浮きがないか
- 押し入れ、収納、床下に湿っぽさやカビ臭がないか
- 結露がよく起こる窓付近や壁の内側が冷たくなっていないか
- 家族に原因不明の咳や鼻水、皮膚のかゆみがないか
- 以前に水漏れや雨漏りがあった場所が再発していないか
これらのチェックで異変を感じたら、リフォーム前に立ち止まり、調査を挟むことが重要です。
DIYや表面だけの修復で済ませてしまうと、構造内部のカビが残り、数ヶ月後に再び問題化するリスクが高まります。
特に、「壁を壊すリフォーム」「水回りの改装」「床下の補修」など、構造に手を加えるケースでは、調査の有無がリフォームの成否を左右すると言っても過言ではありません。
4. カビを元から断つリフォーム計画の立て方
せっかくリフォームするなら、「見た目をきれいにするだけ」で終わらせず、住まいの根本的な問題=カビの原因を解決する設計にすることがとても重要です。この章では、カビを再発させないためのリフォーム計画の立て方と、実際に成功している事例をご紹介します。
4-1. カビ除去と構造改善をセットで考えるべき理由
カビが発生するのは、単に汚れていたからではなく、住まいの構造や通気性、断熱性に問題があるケースが少なくありません。つまり、カビの発生には必ず「原因」があり、そこを取り除かないと、表面だけリフォームしても再発するリスクが高いのです。
リフォームを成功させるためには、次のような視点が重要です:
- カビ除去工事と並行して、原因箇所の構造改善を行う(断熱材の入れ替え、防湿シートの追加など)
- 通気の悪い箇所に換気経路を設ける、もしくは換気設備を強化する
- 結露が起こりやすい部位には断熱性能を強化する(内窓設置、壁材の変更など)
- カビが再発しないような建材選びを意識する(防カビ性能のある壁材や床材など)
これらの要素を設計段階からしっかり取り入れることで、リフォーム後も長期にわたって清潔で快適な空間を保つことができます。
4-2. カビ対策を組み込んだリフォーム事例紹介
例えば、以下のようなリフォーム事例では、カビを根本から解決しつつ、住まいの快適性も向上しています。
● 事例①:北側の寝室に繰り返しカビが発生していた家
- 原因:外気との温度差による壁内の結露
- 対応:リフォーム時に断熱材を全面交換し、壁の内側に調湿シートを追加。さらに窓を二重サッシに変更。
- 結果:冬場でも結露がほぼゼロになり、カビの再発なし。空気のこもりも軽減され快適に。
● 事例②:浴室周辺の壁内にカビが侵食していたマンション
- 原因:ユニットバスと壁の隙間から湿気が侵入
- 対応:解体後にカビ除去処理を施し、防水施工と換気扇の強化を実施。防カビ性能のある壁パネルを採用。
- 結果:浴室のニオイが消え、清潔感が持続。メンテナンスも簡単になった。
このように、カビ対策とリフォームは切り離して考えず、セットで対応することが、安心・快適な住まいの実現に直結します。
5. リフォーム成功のカギは「事前の見える化」
カビのリスクを残したままリフォームを進めてしまうと、せっかくの工事が無駄になることもあります。だからこそ、リフォーム前に「カビの存在と原因を見える化する」ことが成功の第一歩です。この章では、見える化がなぜ重要なのか、そして信頼できるサポート体制についてお伝えします。
5-1. 調査データをもとにした安全・快適な住まいづくり
リフォーム前にカビの調査を行うことで、どこに、どの程度カビがあるのかが数値や画像で明確に把握できるようになります。これにより、感覚的な判断ではなく、科学的根拠にもとづいた対策・設計が可能になります。
見える化されたデータがあれば、次のようなメリットがあります:
- リフォーム業者との共有がスムーズになる(見落とし防止)
- カビの原因箇所にピンポイントで対策を集中できる
- 必要以上の工事を避けてコスト削減にもつながる
- 調査前と調査後で空気環境の改善を比較できる
特に健康面に不安がある家庭や、過去にカビで失敗した経験がある場合には、事前の見える化による安心感は大きな意味を持ちます。
5-2. 微生物対策協会のサポート活用で安心リフォーム
カビ問題に関して、信頼できる第三者の調査機関を活用することで、より正確で公平な判断ができます。
そのひとつが、一般社団法人 微生物対策協会です。
同協会では、空気中や建材表面に潜むカビの状態を**数値で“見える化”**し、調査報告書として提供しています。このレポートはリフォーム業者と共有することも可能で、カビの再発リスクを回避するための設計提案やアドバイスも受けられます。
また、カビの除去処理が完了した後の再測定によって、リフォーム後の空気の安全性も確認できます。こうした流れを踏むことで、見た目だけでなく、空気環境まで整ったリフォームが実現できます。
「せっかくのリフォームを後悔したくない」「見えないカビの不安をなくしたい」という方は、リフォーム前にぜひ一度、カビの“見える化調査”を検討してみてください。
一般社団法人 微生物対策協会とは
一般社団法人 微生物対策協会は、カビの検査と対策を専門に行う団体です。住まいや生活環境に潜む見えないカビのリスクから、人々の健康と安全な暮らしを守るために設立されました。
この協会の活動の根拠となっているのは、**平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」**です。この法律では、「アレルギー疾患の予防および症状の軽減のために、生活環境や建築構造の改善を推進すること」が明記されており、協会はその理念に基づいて、空気中のカビや汚染物質の調査・可視化・対策を行っています。
■ 協会の主な活動内容:
- 空気中の微生物調査(見える化)
→ カビの有無・種類・濃度を専門機器で数値化 - 住宅・車室内のカビ調査と報告書の発行
- 健全な住環境をつくるための教育・啓発活動
- カビ除去後の安全確認や対策アドバイス
カビは単なる見た目の問題にとどまらず、呼吸器疾患やアレルギーなどの健康被害を引き起こす原因にもなります。特に住宅内部では、床下や壁の中などの見えない場所で繁殖していることが多く、気づかないうちに家族の健康を脅かしているケースもあります。
協会では、そうしたリスクに対して、「数値」と「データ」に基づいた科学的な調査を行い、根本原因を明確にしたうえで、正しい対策を提案しています。
また、リフォーム前や購入前の住宅におけるカビ調査にも対応しており、安心して暮らせる空間づくりをサポートしています。