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2025/10/13   

建築現場で見つかるカビの生えたLVL材、その原因と解決法とは?

LVL材にカビが生えているのを見つけたけれど、このまま使っても大丈夫か不安になりますよね。

【記事を読んで分かること】
LVL材にカビが生える原因、安全性、正しい対処法と予防策を詳しく解説しています。

【記事を読むメリット】
カビの危険性を理解し、安心して建材を扱える知識と判断力が身につきます。

住宅や建築物の構造材として使われることが多いLVL(エルブイエル)材は、軽くて丈夫な特徴があり、施工のしやすさから人気の高い建材です。しかし、その一方で「カビが生えやすいのでは?」という声も少なくありません。特に湿気が多い現場や保管環境では注意が必要です。ここでは、LVL材の基礎知識と、なぜカビが発生するのかをわかりやすく解説します。

LVLとは、「Laminated Veneer Lumber(ラミネーテッド・ベニヤ・ランバー)」の略称で、日本語では「構造用単板積層材」と呼ばれます。薄くスライスされた木材(単板)を繊維方向を揃えて何層にも接着し、圧力をかけて成形された建築用の木質材料です。

最大の特徴は、ムラのない強度と安定性です。天然木のような節や反りの影響を受けにくく、長さや厚みの調整も自在なため、梁(はり)や桁(けた)、土台などの構造材として幅広く使われています。また、工場で均一に加工されるため、品質にばらつきが少ないのも魅力です。

しかし、木材である以上、水分や湿気には弱く、保管状況によっては吸湿しやすいという性質も持っています。この点が、後ほど説明するカビ発生のリスクと深く関わってきます。

LVLは木材を何層にも重ねて作られているため、内部にわずかな空気の層が存在することがあります。さらに、接着剤による接合で密度が高まることで、湿気がこもりやすく、乾きにくいという弱点も生じます。

こうした性質に加え、保管場所の湿度が高かったり、雨ざらしのまま放置されていたりすると、木材の表面や内部に水分が溜まり、そこにカビの胞子が付着することで繁殖が始まります。特に梅雨時期や冬場などは要注意です。

カビが発生する環境としては「湿度70%以上」「温度20~30℃」「栄養(木の成分やホコリなど)」が揃ったときが典型例で、これはまさに建築現場や資材置き場で起こりがちな状況です。つまり、LVLそのものが「カビが生えやすい」というよりも、「条件次第でカビが生えるリスクが高い」ということです。

LVL材は非常に便利な建材ですが、カビへの対策もセットで考えることが、安心・安全な施工のために重要です。

建築現場や倉庫で、ふと見かけたLVL材にカビが生えていたら「このまま使っていいの?」「人体に害はないの?」と心配になる方は多いでしょう。ここでは、カビが発生したLVL材の安全性について、人体への影響や建築基準の観点から詳しく解説します。見た目だけで判断せず、正しい知識を持つことが大切です。

一口にカビといっても、実はさまざまな種類が存在します。中には目に見えないレベルで空気中に浮遊しているものもあり、建材に付着して発育することで目視できる「黒ずみ」や「斑点」になります。

一般的に建材に発生しやすいカビは、黒カビ(クラドスポリウム)や青カビ(ペニシリウム)、**白カビ(アスペルギルス)**などで、これらは湿気と栄養源(木材の成分)を好みます。これらのカビが長期間放置され、胞子が空気中に広がると、アレルギー症状や喘息、皮膚炎などを引き起こすこともあります。

特に免疫力の弱いお子さんや高齢者がいる家庭では注意が必要です。作業中にカビを吸い込んでしまうと、職人さん自身にも健康被害を与えるリスクがあります。そのため、カビが確認されたLVL材を使用する際は、まずはカビの程度や種類をしっかりと確認し、安全性を判断することが重要です。

現時点では、建築基準法において「カビが生えた建材を使用してはならない」という明確な規定は存在しません。しかし、実務上は「構造強度」「衛生面」「美観」の3つの観点から、使用可否を慎重に判断する必要があります。

まず、構造強度に影響があるかどうかが最も重要です。カビが表面的なもので、LVLの芯材まで影響していない場合は、使用が可能なこともあります。しかし、カビが長期間放置されていたり、材が腐朽している場合は、強度が著しく落ちており、再利用は避けるべきです。

次に衛生面。前述のとおり、カビの胞子は空気中に飛散しやすく、居住空間に使われる建材であれば、住人の健康を損なう可能性があります。特に室内に露出する場所や湿度の高い場所に使用するのは避けた方が良いでしょう。

最後に美観の問題です。表面のカビは除去しても、色素沈着などでシミのような跡が残ることがあります。見た目にこだわる空間での使用には向きません。

つまり、「カビが生えたLVL材を使えるかどうか」は、劣化の度合いや使用箇所、目的によって変わるということです。最終的には、専門業者や建築士の判断を仰ぐのがベストでしょう。

現場や倉庫でLVL材にカビを発見したとき、適切な対処を行わなければ、建材としての価値を損なうだけでなく、周囲の環境にも悪影響を及ぼします。ここでは、専門業者による対応方法と、緊急時に自分でできる処置方法の両方を紹介します。状況に応じた判断が、コストと安全性の両面で非常に重要です。

カビが広範囲に及んでいる場合や、木材の内部にまで根を張っている可能性がある場合には、専門業者による除去対応が必須です。専門の建材クリーニング業者は、カビの種類や材の状態を診断した上で、適切な薬剤と機材を使用し、安全かつ確実に除去作業を行います。

主な手順としては、

  1. カビの状況確認
  2. カビ除去剤の塗布と洗浄
  3. 必要に応じてサンダーなどで表面を削る処理
  4. 乾燥処理
  5. 防カビ処理の仕上げ
    という流れが一般的です。

このプロセスを経ることで、見た目だけでなく再発防止の効果も期待できます。さらに、人体に有害なカビの胞子を飛散させないよう、養生や換気対策をしながら慎重に作業が行われるため、安全性も確保されます。

注意点としては、一度カビが根を張った木材は完全に元の状態に戻すのが難しいケースもあるということ。見た目が改善しても、内部劣化が進行している場合には、処理後も構造材として使えないことがあります。専門業者に依頼する際は、処理後の使用可否の判断も含めて相談することが重要です。

カビの範囲が小さく、表面にうっすらと黒ずみが見える程度であれば、自分で除去する方法も一応は存在します。ただし、十分な知識と安全対策を講じる必要があります。

まず、市販されているカビ取り剤(アルコール系または次亜塩素酸系)を用意します。カビが付着している部分にスプレーし、一定時間放置した後、雑巾やブラシでこすり落とします。最後に乾拭きし、しっかりと乾燥させるのがポイントです。

ただし、この方法にはいくつかのリスクがあります。

  • 完全に除去できず、再発する可能性が高い
  • 薬剤の使用により木材を傷めてしまう可能性がある
  • 換気が不十分だと、作業者がカビの胞子を吸い込むリスクがある
  • 見た目が綺麗でも、木材内部にカビが残っていることがある

また、木材に使ってよい薬剤の種類や濃度を間違えると、建材としての性能を損なう可能性もあります。作業後には、防カビスプレーなどで処理をしておくことも忘れずに行いましょう。

このように、自分で処理する場合は**「軽度なカビ」「短期間で使い切る用途」など条件を絞ることが前提**です。構造材や住宅内部に使用するLVL材であれば、迷わず専門業者に相談することをおすすめします。

LVL材は非常に優れた建材ですが、湿度や保管状況によってはカビが発生しやすいという一面もあります。せっかくの資材を無駄にしないためにも、日頃からの予防が重要です。ここでは、カビを未然に防ぐための保管方法や湿気対策、さらには防カビ加工された製品の選び方までを紹介します。

LVL材を保管する際に最も注意すべきポイントは、湿度と通気性の管理です。特に梅雨時期や雨の多い季節は、屋外保管を避け、屋根付きで風通しの良い場所に置くことが原則です。

一時的に屋外で保管せざるを得ない場合は、防水シートなどで覆い、雨水が直接かからないようにしましょう。ただし、シートで完全に密閉してしまうと逆に湿気がこもり、内部に結露が発生することもあるため、部分的に風が通るような工夫も必要です。

また、直接地面に置くのはNGです。地面からの湿気が上がってきて、木材の底面からカビが発生しやすくなります。パレットや角材を敷いて、地面との間に空間をつくることで、湿気の影響を最小限に抑えることができます。

さらに、倉庫内に保管する場合でも、定期的な換気と除湿機の活用が効果的です。温度・湿度計を設置して、湿度60%以下を保つことが目安になります。

現在では、防カビ処理が施されたLVL材も多く出回っており、屋内外を問わず安心して使用できる製品も増えています。こうした製品には、製造段階で防カビ剤が練り込まれていたり、表面にコーティング処理がされている場合が多いです。

選ぶ際には、製品ラベルやメーカーの仕様書を確認し、「防カビ処理済み」「防腐防蟻処理済み」と記載されているかをチェックしましょう。また、使用環境に応じて「屋内用」「屋外用」「高湿度環境対応」など、適切なタイプを選定することが重要です。

たとえば、住宅の床下や水まわりの構造材として使う場合は、湿気対策のために防カビ処理済みのLVL材がほぼ必須といえるでしょう。多少コストが上がったとしても、長期的に見れば材料の劣化や再施工のリスクを避けられるため、結果的に費用対効果は高くなります。

また、防カビ性能の高い製品でも、施工後の通気性や湿気管理が不十分だとカビが発生する恐れがあるため、製品選びだけでなく、設置環境の整備も合わせて行うことが求められます。

建物の解体やリフォーム工事の現場では、内部に使用されていたLVL材にカビが発生しているケースが少なくありません。特に築年数の古い住宅では、湿気や雨漏りの影響で見えない部分にカビが広がっていることもあります。ここでは、そうした現場での適切な対応方法と、小林興業だからこそ提供できる安心のサポート体制についてご紹介します。

解体やリフォーム工事の最中にカビの生えたLVL材を発見した場合、**まずやるべきことは「作業員の安全確保」と「カビの拡散防止」**です。特に粉塵や胞子が舞いやすい解体現場では、マスクやゴーグルの着用が必須となります。

次に、カビの生えている範囲や程度を目視で確認し、他の建材や構造部分にまで影響が及んでいないか調査することが重要です。可能であれば写真を撮影し、後の記録や報告にも備えておきましょう。

除去が必要と判断された場合は、状況に応じて現場で簡易的な処理(消毒・除去)を行うか、材ごと撤去して新しいものと交換する対応を検討します。カビが広がっている状態での工事続行は、作業効率の低下や健康被害のリスクを高めてしまうため、即時の判断が求められます

また、カビが発生した原因が雨漏りや結露、換気不足であった場合には、構造全体に同様の問題が広がっている可能性もあるため、慎重な対応が必要です。

有限会社小林興業では、解体工事の現場においてカビの生えた建材やLVL材への対応実績も多数ございます。現場での目視点検から、必要に応じた部分解体、そしてカビによる影響を最小限に抑えるための迅速な対応を行っています。

特に当社は、重機だけに頼らない「人力解体」にも対応可能な体制を整えているため、狭小スペースや住宅密集地などの難しい現場でも柔軟な対応が可能です。作業員はカビや粉塵への衛生対策を徹底しており、養生・防塵シートの設置から搬出時の飛散防止処置まで丁寧に実施しています。

また、カビが発生した建材の回収・運搬・適正処理までを自社グループで一貫対応できる点も、他社にはない大きな強みです。産業廃棄物処理を専門とする関連会社「エムコバヤシ」と連携し、石膏ボードや木くずなどの中間処理も自社施設で対応可能です。

リフォームや解体を機にカビの不安を解消したい方、建材の状態に不安を感じている方は、ぜひ早めに当社へご相談ください。プロの目線で現場を診断し、安全かつ確実な対応をご提案いたします。

有限会社小林興業は、広島県を中心に活動する総合解体工事の専門業者です。中大型ビルの大規模解体から、戸建て住宅、カーポート、庭石の撤去など小規模な工事まで、豊富な実績と高い技術力であらゆるニーズに対応しています。最近では、一般住宅の解体依頼も増加しており、個人のお客様からのご相談にも丁寧に対応しています。

私たちの強みは、狭小地や重機が入らない場所での人力による解体も可能な点です。住宅密集地や商業施設の近隣といった、騒音や振動への配慮が求められる現場でも、広島県内トップクラスの近隣対応力を誇ります。

また、解体だけにとどまらず、産業廃棄物の収集・運搬・処理、リサイクルまでを一貫して対応可能です。関連会社「エムコバヤシ」との連携により、石膏ボード、コンクリート、木くずなどを適正に中間処理する施設を自社で保有しており、環境負荷の低減にも貢献しています。

さらに、不用品回収や遺品整理、引越し後の残置物撤去などにも対応可能ですので、解体工事に付随する細かなニーズもまとめてご相談いただけます。

対応エリアは、
広島県福山市、尾道市、府中市、庄原市に加え、岡山県笠岡市など、地域に根ざしたサービス展開を行っています。

安全・迅速・丁寧な解体工事と、信頼できる対応力で、多くのお客様にご満足いただいています。カビのある建材や老朽化した建物でお悩みの方は、ぜひ一度、有限会社小林興業へご相談ください。

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