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2025/09/09   

引越し先にカビが!? 契約前に絶対チェックすべきポイントとは

引越し先にカビがあったら…と心配になる方は少なくありません。住み始めてから気づいても手遅れになることも。
【記事を読んで分かること】引越し前にカビの有無を見抜く方法、内見時や契約前後に確認すべきチェックポイントが分かります。
【記事を読むメリット】カビの被害を未然に防ぎ、快適で健康的な新生活を安心してスタートするための実践的な知識が得られます。

新しい住まいを選ぶとき、間取りや家賃、駅からの距離などを重視する方が多いですが、「カビが発生しやすいかどうか」は見落とされがちです。しかし、カビが出やすい物件に引越してしまうと、健康被害や生活ストレスの原因になる可能性があります。特にアレルギー体質の方やお子さまのいる家庭では注意が必要です。ここでは、カビが発生しやすい住まいの特徴について詳しく見ていきましょう。

一見キレイに見える部屋でも、実はカビが出やすい「見えない問題」を抱えていることがあります。たとえば、過去に雨漏りや結露のトラブルがあった物件では、壁の内側や天井裏に湿気がこもってカビが発生しやすくなっています。

また、築年数が古い建物であれば、断熱性や気密性が低く、外気との温度差で結露が発生しやすくなる傾向があります。特に北向きの部屋や、1階の角部屋などは日光が入りづらく、湿気が抜けにくいため要注意です。

さらに、前の入居者が長期間住んでいなかった場合、空気が滞留して湿気がたまりやすく、見えないカビが広がっている可能性もあります。管理会社が清掃をしていても、カビ菌は目に見えない状態で残っていることがあるため、注意が必要です。

カビの発生は、物件の構造や間取りにも大きく左右されます。たとえば、窓が少ない間取りや、風通しの悪いワンルームタイプは、湿気がこもりやすくカビの温床となりやすいです。また、収納スペースが壁で囲まれているタイプも、換気が十分にできず、カビの発生が多く見られます。

加えて、浴室やキッチンに換気扇がない、もしくは性能が低い物件も湿気がこもりがちです。とくにユニットバスのように浴室とトイレが一体型になっている場合は湿気の逃げ場がなく、壁や天井にカビが付きやすくなります。

このように、物件選びの段階で「湿気がこもりやすいかどうか」「換気が十分にできる構造か」を意識するだけで、カビのリスクを大幅に減らすことができます。

引越し前に行う「内見」は、住まい選びの大きな判断材料になります。実はこの内見のタイミングこそ、カビの有無を見極める絶好のチャンスです。きれいに見える部屋でも、よく見るとカビが潜んでいることは珍しくありません。ここでは、見落としがちなカビのサインと、内見時にチェックしておくべきポイントをご紹介します。

まずチェックすべきなのが「壁」と「天井」、そして「収納スペースの奥」です。壁紙が一部浮いていたり、黒っぽいシミや斑点が見える場合、それはカビの初期症状である可能性があります。特に天井の隅や窓際、家具を置いていたと思われる跡などはカビが出やすい場所です。

また、収納の奥は空気がこもりやすく湿度が高いため、カビが発生していても気づきにくい箇所です。内見時は必ず扉を開けて、中をライトで照らすかスマートフォンのライトで細かく確認するようにしましょう。荷物がなく空の状態でも、においや湿っぽさを感じたら要注意です。

カビの兆候は、見た目だけでなく「におい」でも分かります。部屋に入った瞬間、「カビ臭い」「湿っぽいにおいがする」と感じた場合は、目に見えないカビが存在しているサインかもしれません。換気が十分にされていない部屋では、こうしたにおいがこもりやすくなっています。

さらに、窓の数や大きさ、風の通り道、日当たりの良さも大切な判断材料です。部屋の中に自然光がしっかり入り、窓を開けたときに空気の流れを感じられるか確認してみましょう。カビは湿気を好むため、日光が差し込む場所や風通しの良い空間では発生しづらくなります。

におい・風通し・日当たりの3点を意識して内見するだけでも、カビのリスクを大きく減らすことができます。

内見では気づかなかったけれど、いざ住み始めてみたらカビが発生していた…というトラブルは意外と多く、しかも深刻です。特に賃貸物件では、「これは自分の責任?それとも管理会社?」と迷う場面もあります。ここでは、入居後にカビが見つかった場合の責任の所在と、冷静に対応するためのポイントを解説します。

賃貸契約においては、基本的に「建物の構造や設備に原因があるカビ」は貸主(大家または管理会社)側の責任、「住み方や換気不足によるカビ」は借主(入居者)側の責任とされることが多いです。

たとえば、引越してすぐに天井や壁にカビが見つかった場合は、前の入居者の使用状況や建物の不具合が原因であることが多く、この場合は大家や管理会社に連絡し、対応を求めることができます。

逆に、数ヶ月経過してから発生したカビは、生活スタイルや換気不足、家具の配置などに起因することもあり、そうなると入居者側の責任とされて修繕費を請求される場合もあります。だからこそ、入居直後に「カビの有無」をよく確認し、あった場合はすぐに写真を撮って証拠を残し、管理会社に報告することが大切です。

カビが発覚した場合、まずやるべきは「冷静な証拠の確保と記録」です。スマートフォンでカビの箇所を複数角度から撮影し、できれば発生状況をメモに残しておきましょう。その上で、管理会社や大家に以下のような形で連絡するのが効果的です。

📩 例文:
「〇月〇日に入居しました〇〇と申します。〇〇(例:クローゼット内)に黒カビのような汚れを発見しました。写真も添付いたしますので、ご確認のうえ対応をご相談させていただけますでしょうか。」

このように丁寧かつ事実ベースで伝えることで、トラブルを避けながらスムーズな対応につなげることができます。無理に自分で除去しようとすると、余計に広がったり、責任が曖昧になるリスクもあるため、まずは専門的な判断を仰ぐことが大切です。

新居での生活をスタートさせるタイミングは、カビ対策を講じる絶好のチャンスです。カビが発生してしまう前に、しっかりと対策を行っておけば、長期間にわたり快適で清潔な住まいを保つことができます。ここでは、引越し直後にすぐ実践できる、効果的なカビ予防のポイントをご紹介します。

カビ対策で最も重要なのは、湿気をためないことです。引越し直後の部屋は、まだ空気がこもりがちで湿度が高くなっていることが多いため、最初の1週間は積極的に換気を行うことが大切です。

具体的には、1日2回以上は窓を全開にして10〜15分ほど風を通すようにしましょう。特に朝晩は外気が乾いている時間帯なので、より効果的です。また、浴室やキッチンは使用後すぐに換気扇を回し、扉は開けたままにしておくと湿気のこもりを防げます。

さらに、湿度が高くなりやすい梅雨や夏場には、除湿機やサーキュレーターの活用もおすすめです。新生活のスタート時にしっかり湿気対策をしておけば、後々のカビ被害を大きく減らせます。

家具の置き方ひとつでも、カビ予防に大きな差が出ます。たとえば、**壁にぴったりくっつけて大型家具を設置すると、空気の流れが遮られ、背面に湿気がこもってカビが発生しやすくなります。**そのため、5cm以上の隙間を空けて設置することを心がけましょう。

また、カーテンの選び方にも注目を。**厚手で通気性の悪いカーテンは、窓ガラスに発生した結露を閉じ込めてしまい、カビの温床になります。**できれば、通気性の良い素材や防カビ加工されたカーテンを選ぶのが理想的です。

さらに、ベッドやソファなど床に接する家具の下にも空気の通り道を作ることで、湿気のこもりを防げます。引越しのタイミングでの家具配置は、見た目だけでなく「空気の流れ」を意識してレイアウトすることが、長い目で見てカビ予防につながるのです。

カビのない快適な住まいを手に入れるためには、事前の確認と準備がカギになります。内見時や引越し当日に何をチェックすればよいのか、どんなアイテムを持っておくと安心なのかを事前に把握しておくことで、見逃しや対応の遅れを防ぐことができます。ここでは実際に使えるチェックリストと、おすすめの持ち物をご紹介します。

内見や契約の前後で使える「カビチェックリスト」は次のような内容です。紙に書き出して持参するか、スマホのメモに入れておくと便利です。

✅ 壁紙に黒ずみやシミがないか(特に角・窓まわり)
✅ 天井に変色やカビ跡がないか
✅ 収納の奥にカビ臭や湿気がないか
✅ 浴室・キッチンの換気扇が正常に動くか
✅ 窓ガラスに結露の跡が残っていないか
✅ 日当たりと風通しは良好か
✅ カビ臭さ・湿った空気を感じないか
✅ 隣の建物との距離が近すぎないか(通気に影響)

これらを1つずつチェックすることで、目に見えないリスクを事前に見抜くことが可能になります。見つけた点があれば、必ず写真を撮って記録しておきましょう。

引越し当日、荷ほどきと同時にカビ対策も始めましょう。以下のようなグッズを用意しておくと、初日から安心して過ごせます。

🧰 おすすめグッズ一覧

  • 除湿剤(クローゼット・押入れ用):すぐに湿気対策ができる
  • 防カビスプレー:浴室や窓周りにあらかじめ噴霧しておく
  • アルコール除菌シート:カビの初期段階にも効果あり
  • 防カビカーテン・マット類:湿気がこもりやすい場所に使用
  • 小型除湿機:電源が確保できるなら初日から使うのが理想

特に「何となく湿気がこもっている」と感じた場合は、その場で対策できるよう、これらのアイテムを段ボールの一番上に入れておくとスムーズです。

事前の備えと確認をしっかり行えば、カビトラブルは未然に防ぐことができます。新生活の第一歩を、安心・快適に始めましょう。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を主軸に活動している専門機関です。カビによる健康被害や建物の劣化など、見えない微生物による環境トラブルに対して、科学的な視点から解決策を提供することを目的に設立されました。

私たちの活動の根拠となっているのは、平成27年に施行された**「アレルギー疾患対策基本法」**です。この法律では、アレルギー症状の予防や軽減のために、生活環境の改善や建築構造の見直しが求められています。当協会はこの理念に基づき、「室内空気の見える化」を通して、健全な住環境づくりを推進しています。

空気中には目に見えないカビの胞子や汚染物質が浮遊しており、それらが私たちの健康に悪影響を与えることがあります。微生物対策協会では、そうした目に見えないリスクを検査・測定・可視化することで、現状を把握し、的確な対策を講じるお手伝いをしています。

特に、建物内で確認される微生物被害の多くが「カビ」によるものであり、カビ菌は空気中を浮遊し、落下したあとも長時間生存するという特徴があります。そのため、表面的な清掃だけでは解決できず、被害状況の正確な把握と専門的な対策が求められます。

当協会では、見えるカビ・見えないカビの両方に対応し、住まいの安心・安全を守るために、住宅・施設・車内など幅広い空間の検査と調査を実施しています。今後も、保健・医療・福祉・環境保全の各分野と連携しながら、公衆衛生の向上に貢献する活動を続けてまいります。

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