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2025/09/22   

「秋雨のせい?部屋がカビ臭い…」その原因と今すぐできる対策5選!

秋雨の時期になると部屋がなんとなく臭う、そんな経験はありませんか?その原因はカビかもしれません。
【記事を読んで分かること】秋の長雨が引き起こすカビと臭いの関係、その対策方法、プロの検査・施工について解説します。
【記事を読むメリット】臭いやカビに悩まされない快適な室内環境を秋から冬にかけて維持するための具体的な方法が分かります。

秋は気温が下がり始めると同時に長雨が続くため、室内の湿度が上昇しやすくなります。この湿気が、カビの繁殖にとって最適な環境をつくり出してしまいます。さらに、夏の終わりに掃除を怠った場所や、エアコンの内部などに残った湿気が温床となり、カビが一気に増殖してしまうケースも多くあります。特に秋雨前線が活発になる時期には注意が必要です。

秋雨の季節になると、連日の雨によって外気の湿度が高くなります。そしてその空気が家の中に流れ込むことで、室内の湿度も自然と上がってしまいます。カビは湿度が60%以上で活発に繁殖し始め、70%以上になると一気に増える傾向があります。特に押し入れやクローゼット、浴室、キッチンの隅などは空気の流れが悪く、湿気がこもりやすいため、カビが発生しやすい「ホットスポット」となります。また、気温が下がり始める秋は窓を開ける時間が減るため、換気不足も重なり、カビにとって好都合な環境が整ってしまうのです。

カビが繁殖しやすい環境は、「湿度」「温度」「栄養分」の3つの要素が揃ったときです。湿度は先ほど述べたように60%以上、温度は20~30度が最も活発に増える範囲です。まさに秋の室温と重なります。そして栄養分とは、埃や皮脂汚れ、食品のカスなど、日常生活で自然に発生するものばかり。つまり、掃除が行き届いていない部屋や、風通しの悪い場所には、この3要素がそろってしまいやすく、気づかないうちにカビが繁殖しているケースが多いのです。見た目には分からなくても、壁紙の裏や家具の裏など、目に見えない場所でじわじわと増えていくのがカビの怖いところです。

秋になると、なんとなく部屋が「かび臭い」「ジメッとした臭いがする」と感じることが増えてきます。それは、気のせいではありません。カビは目に見える場所にだけ発生するとは限らず、壁の裏や家具の裏側など、普段目が届かないところでも増殖し、その際に特有の臭いを放つのです。ここでは、カビによる臭いの特徴や、間違った対策と正しい対応について解説します。

カビ臭は「土っぽい」「ぬめった布のような」「古い押し入れのような」臭いと表現されることが多いです。これらの臭いの正体は、カビが出す微細な胞子や代謝によって生成される揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれるものです。特に秋雨の影響で湿度が高まると、この臭いが空気中に充満しやすくなります。消臭スプレーなどで一時的に臭いをごまかすことはできますが、カビ自体を取り除かない限り根本的な解決にはなりません。臭いが気になり始めたら、「どこから発生しているのか」「臭いの強さが日によって変化するか」などをチェックし、カビの発生源を特定することが重要です。

「消臭スプレーを使っても全然効かない…」という声は少なくありません。これは当然のことで、市販の消臭剤はあくまで臭いをマスキング(隠す)するだけで、カビの原因物質を分解・除去するものではないからです。特に、壁紙の裏や天井裏、カーペットの下などに潜むカビは、見えない上に手も届かず、根本的な処理が必要になります。また、芳香剤などの香りとカビ臭が混ざることで、かえって不快感が増すこともあります。対策としては、まず臭いの原因を「カビ」と特定し、表面的な対処よりも、除湿・換気・清掃など、臭いの元を断つことが最も効果的な方法です。さらに、専門業者による「カビの見える化検査」を受けることで、より正確な対応が可能になります。

秋雨の時期は気温が下がり、窓を閉めたまま過ごす時間が増えるため、室内の湿度が上がりがちです。これがカビと臭いの大きな原因となります。日常的にできる「正しい換気」と「効果的な除湿」を取り入れることで、カビの発生を防ぎ、室内の空気環境を改善することが可能です。ここでは、実践しやすい具体的な方法をご紹介します。

換気は「ただ窓を開ける」だけでは効果が薄く、タイミングや開け方によって大きく差が出ます。おすすめは、朝と夕方の2回10〜15分程度の「短時間・全開換気」です。特に空気が乾いている午前中は、湿気を外に逃がすチャンス。窓は対角線上に2か所以上開けて、空気の通り道を作りましょう。また、トイレや浴室などの換気扇は常時稼働させておくのが理想です。湿度がこもりやすい場所には、扇風機やサーキュレーターを併用して、空気を動かす工夫も有効です。なお、雨の日でも室内の湿気が高い場合は「外の方が乾燥している」ケースもあるので、湿度計を使って判断すると失敗しにくくなります。

秋雨シーズンに特に重宝するのが「除湿機」です。湿度が60%を超えるとカビが繁殖しやすくなるため、除湿機を使って常に50〜55%をキープするのが理想です。寝室やリビング、クローゼットなど、湿気がこもりやすい空間には積極的に活用しましょう。また、除湿機は「部屋の中央に置く」ことが効果的で、壁際に置いてしまうと除湿効率が下がってしまいます。さらに、空気中のカビ胞子を吸着・分解する「空気清浄機」も併用することで、臭いや健康被害の軽減につながります。ただし、空気清浄機は「集塵フィルターの掃除」を怠ると逆効果になることがあるので、定期的なメンテナンスも忘れずに行いましょう。

カビ対策というと「見えてから掃除する」という方が多いですが、実際には目に見えるカビよりも、壁の裏や空気中に浮遊する“見えないカビ”の方が危険な場合があります。こうしたカビを放置すると、臭いだけでなく健康被害につながることもあるため、早期発見が重要です。ここでは、目に見えないカビのチェック方法と、「見える化」の考え方をご紹介します。

「見えるカビ」は、壁や天井、家具の表面に黒や白、緑色で現れるもので、比較的わかりやすいのが特徴です。一方で「見えないカビ」は、目に見えないほど小さい胞子の状態で空気中に浮遊していたり、壁紙の裏や断熱材の中に隠れている場合もあります。この状態では目で確認することは難しく、臭いやアレルギー症状、体調不良などが“サイン”になることもあります。特に、家族に咳や鼻水、目のかゆみなどが続く場合には、カビの影響を疑ってみる必要があります。

目に見えないカビを正確にチェックする方法として、「カビ検査キット」や「空気中の菌の測定」が有効です。これにより、室内の空気中にどれだけのカビ胞子が存在しているかを数値で把握することができ、「見える化」することが可能になります。さらに、壁内部や床下など、外からでは確認できない場所の調査には、専門業者による「プロのカビ診断」がおすすめです。見えないカビを放置すると、アレルギーや喘息、カビ毒による慢性疾患のリスクも高まるため、早期に状況を把握することが、家族の健康と安全を守るための第一歩になります。

自分でできる掃除や除湿対策を行っても、カビの再発や臭いが続く場合は、すでに見えない場所で深刻なカビ汚染が進行している可能性があります。そのようなときは、専門業者による「カビ検査」と「除去施工」が必要です。ここでは、プロが行う検査の内容や、実際の施工で得られる効果についてご紹介します。

プロによるカビ調査では、まず室内の空気を採取し、浮遊するカビ胞子の種類や濃度を測定します。これにより、どのようなカビが、どの程度存在しているかが明らかになります。また、壁の裏や床下など、目視できない部分には専用の機器を使って湿度や菌の存在を確認します。必要に応じて、壁紙の一部を剥がして内部のカビを確認することもあります。検査の結果に基づいて、「カビの発生源」「汚染範囲」「必要な処置」が具体的にわかるため、無駄のない対策が可能になります。検査は1〜2時間ほどで完了し、報告書として結果を受け取れるのが一般的です。

カビが確認された場合は、専門業者が専用の薬剤や機材を使って除去作業を行います。家庭用の洗剤とは異なり、プロの使用する薬剤はカビの根までしっかりと届き、再発を防ぐ効果があります。また、ただ表面的に除去するだけでなく、再発防止のための「防カビコーティング」や「空気清浄・除菌処理」なども同時に行われます。これにより、臭いの元も完全に断ち切ることができ、空気環境が目に見えて改善されるのを実感できます。施工後にはビフォー・アフターの数値比較も可能で、安心して生活を再開できる状態になります。家族の健康を守るためにも、深刻なカビ被害が疑われるときは、早めにプロの力を借りることが大切です。

一般社団法人 微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を柱とする専門団体として設立されました。近年、住宅や施設内で発生するカビが原因となる健康被害や建物の劣化が深刻化しており、それらのリスクに対応するために、私たちは室内空気の状態を「見える化」し、健全で安心できる住環境づくりを目的としています。

この活動の根拠となるのは、平成27年に施行されたアレルギー疾患対策基本法です。この法律では、アレルギー疾患の予防や症状軽減のために生活環境の改善が強く求められており、当協会はこれを受け、室内の空気質と微生物環境の改善に取り組んでいます。

当協会の主な活動内容には、住宅や車内に浮遊する微生物による影響の調査・分析、健康と公衆衛生に関する啓発、ならびに環境保全に資する活動が含まれます。特にカビに関しては、目に見えない空気中の胞子の濃度測定や、壁の裏などに潜むカビの検査を通じて、被害の可視化を行い、科学的根拠に基づいた対策を提案しています。

建物内での微生物被害の多くはカビによるものであり、これらは一度発生すると自然に消えることはありません。**落下したカビ胞子は死滅せず、再び空中に舞い上がる可能性もあります。**だからこそ、カビの被害状況を正確に把握することは、安心・安全な空間を実現するうえで不可欠なのです。

私たち微生物対策協会は、「見えないリスクを見える化する」ことで、より良い住環境の維持と健康被害の予防をサポートし続けています。

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