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微生物対策協会

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2025/07/25   

長期不在で部屋がカビ臭い?旅行前後の予防&リセット方法を詳しく紹介

旅行から帰宅すると部屋がカビ臭くなっていて驚いた経験はありませんか?
【記事を読んで分かること】不在中にカビ臭が発生する原因と、帰宅後すぐできる対策・予防法がわかります。
【記事を読むメリット】旅行前後に実践するだけで、カビ臭を防ぎ快適な室内環境を保つ方法を知ることができます。

久しぶりの旅行から戻ってドアを開けた瞬間、部屋に広がるカビ臭に驚いた経験はありませんか?数日〜1週間程度の不在でも、室内環境の条件がそろえば、カビは一気に繁殖し、そのにおいが部屋中に充満することがあります。ここでは、不在中に部屋がカビ臭くなる主な原因を整理して解説します。

カビの発生に最も影響を与えるのが「湿度」です。特に日本の気候は湿気が多く、室内の湿度が60%を超えるとカビが発生・繁殖しやすくなります。普段は換気や生活動作(開閉・人の動き)によって自然と湿度が下がるタイミングがありますが、旅行などで長期間不在にすると、空気が滞留し湿気がこもりやすくなります。

さらに、梅雨時期や雨天が続いたあとは、家全体の湿気が上昇し、空気の動きがない閉め切った室内では、押し入れやカーテンの裏、家具の隙間などに湿気がたまり、カビの温床になります。また、エアコンの内部や洗面所・浴室の排水口も、使用されないことで乾燥が進まず、逆に湿ったままとなってカビが発生しやすくなります。

カビ臭の原因は、実際に目に見えるカビだけではありません。空気中に飛散したカビの胞子や、カビが発する「MVOC(揮発性有機化合物)」と呼ばれるガス成分が、鼻につく独特の「カビ臭」を生み出します。

特に注意すべきなのは、布製品・木材・紙類です。ソファやカーテン、畳、押し入れにしまった衣類や布団などは、湿気を吸いやすくカビの好物でもあります。また、冷蔵庫の裏や家具の裏側など、空気の流れが悪い場所も見落としがち。普段はあまり動かさない場所にこそ、旅行中にカビが広がっている可能性があります。

つまり、帰宅後に感じるカビ臭の多くは、「カビが発生している場所から揮発しているにおい」であり、空気全体に広がっている状態です。原因を放置すれば、カビはどんどん広がり、見た目にも健康にも悪影響を及ぼすことになるため、早急な対処が必要です。

旅行から帰宅して部屋がカビ臭いと感じたら、まずは慌てずに「原因の拡大を防ぐ」ことと「においを軽減する」ことを意識して行動しましょう。カビ臭は放置すると広がる一方ですが、初動対応をしっかり行えば、被害を最小限に抑えることが可能です。この章では、帰宅直後にすぐできるカビ臭対策を解説します。

まず最初に行うべきなのは、徹底的な換気です。部屋の窓を2か所以上開けて風の通り道を作り、10〜30分ほど空気を入れ替えましょう。可能であれば、玄関ドアやベランダ側の窓など、空気が直線的に抜けるように開放すると効果的です。

カビ臭は空気中に揮発した成分(MVOC)が原因のため、新鮮な空気を入れることで臭気を一気に軽減できます。また、扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させると、室内の空気がよどまず、カビ胞子の拡散も抑えることができます。

ただし、雨天時など湿度が高い日には逆効果になることもあるため、外の湿度が低いタイミングを選んで換気を行うことがポイントです。

換気と同時に、カビ臭を抑えるためのアイテムを使うことで、より快適な空間を取り戻しやすくなります。以下はすぐに使えるおすすめアイテムです:

  • 重曹:消臭効果があり、小皿に入れて部屋に置くだけでもカビ臭を吸収します。特に靴箱や押し入れなどの狭い空間に効果的です。
  • 消臭スプレー(アルコール・除菌成分入り):ソファやカーテンなどに軽く吹きかけて、においとともにカビ菌の拡散も防止。使う際は素材に合った製品を選びましょう。
  • 空気清浄機:カビの胞子やにおいの元を吸着してくれるため、帰宅後の常時運転が有効です。HEPAフィルター搭載型が特におすすめ。
  • アロマオイル・エッセンシャルオイル(ティーツリー、ラベンダーなど):抗菌・消臭作用があり、においを和らげながら空間をリラックスさせる効果があります。

これらの対策を組み合わせることで、帰宅直後の強烈なカビ臭も徐々に軽減できます。ただし、においが強く残る場合は「発生源」を突き止める必要があります。次章では、その見つけ方について解説します。

部屋全体に広がるカビ臭を取り除くには、表面的な消臭だけでは不十分です。根本的な原因である「カビの発生源」を見つけて対処しなければ、においは何度でも再発します。この章では、カビがどこに潜んでいるのかを見極めるための、具体的なチェックポイントと調べ方を解説します。

まずは、においの強い方向をたどって、疑わしい箇所を一つひとつチェックしていきましょう。以下は特にカビが発生しやすい要注意ポイントです:

  • カーテンの裏側や裾部分:窓からの結露で湿気を含みやすく、長時間閉じた状態だとカビが繁殖します。
  • 壁と家具の隙間:空気が流れず、ホコリや湿気が溜まりやすいため、においの元になりがちです。
  • 押し入れ・クローゼットの中:通気性が悪く、布団や衣類にカビが付着していることがあります。
  • 畳・カーペットの裏側:目に見えない裏面にカビが繁殖していて、カビ臭の原因になっているケースもあります。
  • 浴室や洗面所の隅・排水口:旅行中に水気がそのまま残っていると、湿気が充満してカビが発生しやすくなります。

こうした場所を目視と嗅覚の両方でチェックし、「においが集中しているか」「表面に黒ずみが見えるか」などを確認しましょう。

  • 光をあてて見る:懐中電灯などで斜めから光を当てると、壁紙の浮きやシミ、カビの根が視認しやすくなります。
  • 白い布を使う:においのする場所に白い布を置いておき、黒い粉状の付着物が見られればカビの可能性があります。
  • 除湿器のタンクを確認:設置していた場合、タンク内の水が濁っている・異臭がする場合は、空気中にカビ菌が多いサインです。

さらに正確に調べたい場合は、**市販の「カビ検査キット」や「空気質チェッカー」**を活用することで、空気中のカビ濃度やカビ菌の有無を数値で把握することも可能です。

カビの発生源を見つけることは、臭い対策だけでなく、健康を守るうえでも重要です。次章では、見つけたカビの掃除と除去方法について解説していきます。

カビの発生源を特定できたら、次は「どうやって安全に除去するか」が重要です。放置すれば広がるだけでなく、空気中に胞子を放出し続け、健康リスクも高まります。カビ掃除には注意すべきポイントが多いため、自己流ではなく正しい方法で行いましょう。この章では、自分でできる掃除法と、プロに任せた方がよいケースを解説します。

まず準備として、マスク・ゴム手袋・メガネなどの防護アイテムを着用しましょう。掃除中にカビの胞子を吸い込んだり、皮膚に触れたりすると、アレルギーやかゆみの原因になるためです。

【掃除の手順】

  1. カビ取り剤を使う
     → 市販のカビ取りスプレー(塩素系・アルコール系)をカビに直接噴霧し、5〜15分放置します。
  2. やさしく拭き取る
     → 浸透させた後、ペーパータオルや布で丁寧に拭き取ります。壁紙や木材など傷みやすい素材は、力を入れすぎないように注意しましょう。
  3. 再発防止の処置をする
     → 防カビ剤を併用したり、アルコールで仕上げ拭きすると効果が持続しやすくなります。

注意点として、**カビが深く根を張っている素材(畳・石膏ボード・木材など)**は、表面をきれいにしても内部に残る可能性があります。再発が続くようであれば、素材そのものの交換を検討することも必要です。

以下のようなケースでは、無理に自分で対処せず、カビ対策の専門業者に相談することを強くおすすめします

  • カビの範囲が広い(壁一面、天井全体など)
  • 何度掃除しても再発する
  • においが強く、部屋全体に染みついている
  • 木造住宅やマンションで構造内部にカビが及んでいる
  • 家族にアレルギー体質や小さな子どもがいる

専門業者は、空気中のカビの数値測定や高濃度除菌、壁内の構造チェックまで対応できるため、再発を防ぐための根本的な処置が可能です。費用はかかりますが、家全体の快適性と安全を守るための投資として考えれば十分に価値があります。

次回旅行に行く前に、もうカビ臭で悩まないためにも、掃除とあわせて「予防」が何より重要です。次章では、旅行前にできる具体的なカビ予防策を紹介します。

旅行後に「またカビ臭が…」と後悔しないためには、出発前のひと手間がカギとなります。ちょっとした工夫をするだけで、長期不在中のカビ発生を大きく減らすことができます。この章では、旅行前に実践しておきたい具体的なカビ対策と、おすすめの便利アイテムをご紹介します。

出発前に必ずやっておきたい基本対策は、次の3つです:

【1】部屋の湿度を下げる

出かける数日前から除湿機やエアコンの除湿モードを活用して、室内の湿度を60%以下にしておくのが理想です。浴室やキッチンなどの水回りも、使用後はしっかりと水気をふき取り、扉を開けたまま乾燥させておきましょう。

【2】可能な限りの換気を確保

旅行中でも安全に換気ができるように、少しだけ窓を開けてロックできる金具や、24時間換気機能をONにしておくのも有効です。マンションなどで換気が難しい場合は、空気清浄機のタイマー機能を活用するのも一つの手段です。

【3】カビの温床を掃除しておく

カビの好物であるホコリや汚れを残さないよう、床・壁際・窓まわり・押し入れ・エアコン内部などを重点的に掃除しておきましょう。布団やクッションは風通しのよい場所に移動し、濡れたタオルやマットは必ず乾かしてから収納してください。

旅行前には、防カビグッズや除湿剤を適切に設置しておくことも効果的です。以下のアイテムを活用すると、不在中でも空間を清潔に保ちやすくなります。

  • 押し入れ・クローゼット用除湿剤:シリカゲルや活性炭タイプがおすすめ。湿気のこもりやすい場所に複数配置します。
  • 防カビスプレー・シート:浴室や窓のサッシ、エアコンフィルターに吹きかけておくと、カビの発生を防ぎます。
  • 消臭&抗菌効果のある重曹や炭:空き瓶に入れて設置するだけで、カビ臭の発生を和らげます。
  • アロマオイル(ティーツリー、ユーカリなど):天然の抗菌作用でカビを抑制し、リラックスできる香りも楽しめます。

また、旅行前にエアコンのフィルターを掃除しておくことも忘れずに。フィルターが汚れていると、帰宅後の運転時にカビ臭が一気に広がってしまうことがあります。

一般社団法人 微生物対策協会は、**「カビの検査と対策」**を専門的に行う機関として設立されました。目に見えないカビの存在が、私たちの健康や建物の安全性に大きな影響を及ぼすことに着目し、室内空気環境の健全化を目的としています。

当協会の活動は、平成27年に施行された**「アレルギー疾患対策基本法」**に基づいています。この法律では、アレルギー疾患の予防や症状の軽減のために、生活環境の改善や建築構造の見直しが求められており、当協会はこの理念を実践の形で支えています。

私たちの主な活動内容は、次の3つです:

  1. 空気中のカビや微生物の「見える化」
     → 専門の測定器を使い、空気中に浮遊する微生物やカビ胞子の濃度を測定し、その状態を数値で可視化。目に見えないリスクを明らかにします。
  2. 建物内のカビ被害調査とリスク評価
     → カビが発生している可能性のある場所を詳細に調査し、健康や建物への影響を評価。その結果をもとに、科学的で実用的な対策を提案します。
  3. 安心できる住環境の啓発と支援活動
     → セミナーや講演を通じて、一般の方々や事業者にカビ・微生物の知識を広め、予防意識の向上を図ります。

特に住宅や宿泊施設、保育園・病院など、「空気の質」が人の健康に直結する現場において、当協会の技術と知見は大きく活用されています。見えない空気を「見える形」で評価・改善することが、私たちの使命です。

現代では、建物の気密性が高まる一方で、換気不足や湿度過多が原因でカビ被害が増加傾向にあります。そうした背景のなかで、当協会は微生物災害から暮らしを守る“空気環境の番人”として、多くの現場で信頼をいただいています。

カビや空気の状態が気になる方は、ぜひ一度、一般社団法人 微生物対策協会までご相談ください。
安心・安全な住まいと生活環境をサポートいたします。

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