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2025/09/08   

カビ臭いのは換気扇のせい?今すぐ知っておきたい掃除の目安

換気扇にカビが生えているのを放置すると、健康や住環境に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
【記事を読んで分かること】カビの原因や繁殖時期、適切な掃除時期と方法、カビ予防の使い方が分かります。
【記事を読むメリット】換気扇のカビを根本から防ぐ知識が身につき、健康で快適な住まいを維持できます。

換気扇は空気を外に排出してくれる便利な設備ですが、実はカビの温床になりやすい場所でもあります。湿気や油分、ホコリが溜まりやすい条件がそろうため、定期的な点検や掃除を怠るとカビが発生し、健康被害や室内の空気環境の悪化につながる恐れがあります。ここでは、換気扇にカビが生える原因と、特に注意すべき時期について解説します。

カビは「湿気・栄養・温度」がそろった環境で活発に繁殖します。換気扇周辺はまさにこの3つが集中しやすい場所です。特に浴室やキッチンの換気扇は湿度が高く、調理中の油分や食材カスなどが空気中に飛び散り、それらがフィルターや内部に付着します。さらに、時間が経つとホコリがその上に積もることで、カビにとっては「快適な居場所」が出来上がってしまうのです。

また、換気扇は外気と室内の空気を循環させるため、外からの汚れや湿った空気も入りやすく、内部の清掃が行き届いていないと汚れが蓄積されていきます。これがカビの原因となり、放っておくと繁殖が進み、黒カビなどの目に見える被害が現れるようになります。

カビが最も活発に繁殖する季節は「梅雨から夏」にかけてです。気温が20~30度で湿度が70%を超えると、カビの成長速度が一気に加速します。特に6月から9月にかけては、気温と湿度の両方が高くなるため、換気扇の内部に湿気がこもりやすく、カビにとっては絶好の時期となります。

一方で、冬場でも油断は禁物です。寒い季節でも浴室やキッチンなどでは結露が発生しやすく、換気が不十分な状態が続けば、内部に水分がたまりカビが発生することもあります。カビは一度発生すると除去が難しく、再発しやすいため、季節に関係なくこまめな掃除と換気が必要です。

換気扇にカビが生えないようにするためには、適切なタイミングでの掃除が欠かせません。しかし「どのくらいの頻度で掃除すればいいのか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、掃除の目安となる時期と、健康や快適な暮らしを守るために押さえておきたいポイントを解説します。

換気扇の掃除は「3か月に1回」が理想的なタイミングとされています。特に湿度が高くなる梅雨前(5月頃)と、夏が終わる9月頃は重点的にチェックすべき時期です。また、冬に入る前の11月頃も、年末の大掃除を兼ねてしっかり清掃しておくと安心です。

チェックすべきポイントとしては以下のような状態が見られたら掃除のサインです。

  • 換気扇から異臭がする
  • フィルターにホコリや黒ずみが付着している
  • 換気の効果が落ちたと感じる
  • 吹き出し口にカビのような斑点がある

このような症状があれば、すぐに掃除を行うことでカビの繁殖を防ぐことができます。

掃除の頻度を守ることで、家の中の空気環境が大きく改善されます。特にアレルギー体質の方や小さなお子さんがいるご家庭では、換気扇のカビが健康に与える影響が大きくなるため、定期的な清掃が重要です。

また、定期的に掃除をすることで換気効率が保たれ、湿気のこもりやニオイの滞留も防げます。結果として、部屋全体の空気がクリーンになり、快適な生活空間が維持できます。掃除のタイミングを逃さないことで、カビの温床となる要素を未然に防ぎ、余計なトラブルや修繕費も減らすことができます。

換気扇の掃除を後回しにしていると、見えないところでカビや汚れがどんどん蓄積され、さまざまなリスクを招く可能性があります。健康面だけでなく、住まいそのものへの悪影響も少なくありません。ここでは、換気扇の掃除を怠ったことで起こり得る具体的なトラブルについてご紹介します。

カビは見た目だけでなく、健康にも深刻な影響を与える存在です。換気扇内部で繁殖したカビの胞子は、空気の流れとともに室内に拡散し、呼吸器系に影響を及ぼすことがあります。特に免疫力が弱い子どもや高齢者、アレルギー体質の人にとっては注意が必要です。

よくある症状としては、咳・鼻水・目のかゆみ・喉の痛みなどがありますが、慢性的な頭痛や喘息を引き起こす原因になることも。目に見えないカビの胞子が空気中に舞っている状況は、まさに“静かな健康リスク”と言えるでしょう。

カビだけでなく、ホコリや油汚れが溜まりすぎると換気扇の回転が鈍くなり、換気機能が著しく低下します。その結果、室内の湿気やニオイがこもりやすくなり、壁紙や天井にまでカビが広がることもあります。これが建材の腐食やシミの原因となり、家の劣化を早めてしまうのです。

また、換気扇のモーターに負荷がかかることで故障のリスクも高まり、修理や交換に高額な費用がかかるケースも少なくありません。放置が続けば続くほど、健康面だけでなく家計にも悪影響を及ぼすことになるのです。

換気扇にカビが発生してしまった場合、早めに正しい手順で除去することが大切です。しかし、やみくもに掃除をしてしまうと、カビの胞子を拡散させたり、機械を傷めてしまう恐れもあります。ここでは、家庭でも実践できる安全かつ効果的な掃除方法をご紹介します。

カビ取り掃除を始める前に、以下の道具を用意しましょう。

  • ゴム手袋
  • マスク(できればN95レベル)
  • 中性洗剤 or 重曹スプレー
  • 歯ブラシや小型ブラシ
  • 雑巾やキッチンペーパー
  • スプレーボトル
  • ドライバー(取り外し用)

掃除の基本手順は以下のとおりです。

  1. 換気扇の電源を切る(安全のため必須)
  2. 取り外せるパーツ(カバーやフィルター)を外す
  3. ぬるま湯に中性洗剤を入れたバケツで浸け置き洗い
  4. カビがひどい部分には重曹スプレーを使ってブラッシング
  5. 本体部分は直接水で濡らさず、雑巾で拭き取る
  6. 十分に乾燥させてから元に戻す

掃除中は、カビの胞子を吸い込まないようマスクをしっかり着用し、手袋も忘れずに装着してください。

効率よく掃除を進めるには、「浸け置き洗い」と「こまめな拭き掃除」の組み合わせが効果的です。特にフィルターやファン部分はこびりついた油分とカビが混ざって固まりやすいため、事前に重曹水や中性洗剤で柔らかくしてから擦ると労力が大幅に軽減されます。

また、本体部分は水分をかけすぎないように注意が必要です。換気扇内部には電気部品が含まれているため、誤って濡らしてしまうと故障や感電のリスクがあります。乾いた布や、よく絞った雑巾で丁寧に拭き取るようにしましょう。

最後に重要なのが「乾燥」です。濡れたまま戻してしまうと、カビが再発する原因になります。掃除後は自然乾燥かドライヤーなどでしっかり乾かしてから取り付けましょう。

カビの発生を防ぐためには、掃除だけでなく日々の使い方やメンテナンスも重要なポイントです。換気扇は「使い方次第」でカビの温床にも、カビ予防の強い味方にもなります。ここでは、日常生活の中で実践できるカビ予防の工夫と、プロの力を借りるべき場面についてご紹介します。

まず意識しておきたいのは、**「こまめな換気」と「湿気をためないこと」**です。たとえば、浴室の使用後やキッチンでの調理中は必ず換気扇を回し、使用後も30分~1時間は稼働させ続けることで、湿気や油分をしっかり排出できます。

また、以下のようなちょっとした工夫もカビ予防に効果的です。

  • 雨の日でも換気扇を使う(室内の湿気は意外と高い)
  • 換気扇フィルターに防カビ加工のカバーをつける
  • 使用後にフィルターの表面を軽く拭いておく
  • 換気扇のスイッチをタイマー式に変更して自動運転化する

毎日のちょっとした工夫が、カビの発生を抑える大きな力になります。

家庭での掃除や予防策には限界があります。特に以下のような場合には、専門の業者にクリーニングを依頼することをおすすめします。

  • 換気扇内部に手が届かず、掃除できない箇所が多い
  • 黒カビやぬめりが奥の方まで広がっている
  • 掃除してもニオイが取れない
  • 分解や組み立てに自信がない

プロの清掃業者は、分解して見えない部分まで徹底的に洗浄し、再発防止のコーティングを施すことも可能です。年に1回でもプロの手入れを入れることで、換気扇の寿命を延ばし、家全体の空気環境を良好に保つことができます。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」に特化した専門機関として設立されました。近年、カビによる健康被害や住宅の劣化被害が深刻化しており、特に室内空気の質が暮らしの快適さや健康に直結することが明らかになっています。当協会は、室内空気を「見える化」することで、より健全な住環境を実現し、皆様の健康を守ることを目的としています。

この取り組みの法的根拠となっているのは、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」です。この法律では、生活環境や建築構造の改善を通じて、アレルギー症状の予防や軽減を図ることが求められており、当協会はその理念に基づいて活動しています。

具体的な活動内容としては、空気中に浮遊する目に見えない微生物や汚染物質の検査・調査を実施し、それらを数値で把握・可視化することで、確実な対策へとつなげています。建物内で発見される微生物被害の多くはカビによるものであり、カビ菌は空中を浮遊し、落下しても死滅することなく生き続けるという性質があります。

だからこそ、カビの有無や発生源、被害の程度を明確にし、見えない脅威に対して正確な判断を下すことが必要です。微生物対策協会では、見えないカビも、すでに見えてしまったカビも、的確に調査し、対応策をご提案します。安心・安全な空間づくりが求められる今の時代に、皆さまの暮らしと住まいを守るパートナーとして、専門性と信頼性を持ったサポートを行っています。

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