一般社団法人
微生物対策協会

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2025/08/08   

夏のカビからペットを守る!今日からできる安心カビ対策

夏はカビが増える季節ですが、ペットがいる家庭ではより注意が必要です。
【記事を読んで分かること】カビの発生原因とペットに与える影響、対策方法が分かります。
【記事を読むメリット】カビを未然に防ぎ、ペットと安心して過ごせる夏を迎えられます。

夏になると、家の中でもカビが急増することがあります。特にペットを飼っているご家庭では、カビの影響が健康や生活環境に直結するため注意が必要です。ここでは、なぜ夏にカビが発生しやすくなるのか、そしてそれがペットにどのような悪影響を及ぼすのかについて詳しく解説します。

カビは「温度」「湿度」「栄養源(ホコリ・皮脂など)」の3条件が揃うことで繁殖します。特に夏は気温が25℃以上、湿度が70%を超える日が続き、この条件が簡単に整ってしまいます。さらにペットがいる家庭では、呼吸や排泄、体温などによって室内の湿度がさらに上がりやすくなります。

加えて、ペットの毛やフケなどはカビにとって格好の栄養源となるため、知らないうちにカビの温床を作ってしまうことも。特にトイレ周りや水飲み場、ベッドなど、湿気がこもりやすい場所は要注意です。梅雨明けから本格的な夏にかけては、こうした環境が急激に整いやすいため、カビの発生リスクが一気に高まります。

カビは目に見える状態だけでなく、空気中にも胞子として浮遊しています。ペットがそれを吸い込むと、アレルギー反応や呼吸器系のトラブルを引き起こす恐れがあります。特に犬や猫などは人間よりも床面に近い場所で生活しているため、カビの影響をダイレクトに受けやすいのです。

また、皮膚が敏感なペットは、カビによる皮膚炎やかゆみの症状が出ることもあります。耳の中や足の間など、湿気がこもりやすい部分は特に注意が必要です。慢性的なカビの影響を受け続けると、免疫力が低下して体調を崩すリスクもあるため、カビの発生を見過ごすことはできません。

ペットがいる家では、人間だけの生活とは異なり、特有の湿気や汚れが発生しやすくなります。そうした環境では、放置すればすぐにカビが発生してしまいます。しかし、適切な方法で日常的に対策を取ることで、カビのリスクは大きく下げることができます。ここでは、基本的な掃除と除湿、そしてペットに配慮したカビ対策グッズの選び方について解説します。

カビ対策の基本は「汚れをためないこと」と「湿気を逃すこと」です。まずは、ペットのトイレや食事スペース、寝床などを毎日拭き掃除し、フケや毛、水分を取り除くよう心がけましょう。特に水飲み場やケージ内は、水はねやヨダレが残って湿気がたまりやすいため、こまめな清掃が重要です。

除湿については、除湿機やエアコンの除湿モードを活用するのが効果的です。湿度計を設置して、室内の湿度が60%を超えないよう管理することをおすすめします。窓の結露や、押し入れ・家具の裏側にも注意し、定期的に空気の入れ替えを行うことがカビ予防に繋がります。

掃除の際は、塩素系の強い薬剤はペットにとって有害な場合があるため、使用する製品の成分表示をよく確認し、安全性の高い製品を選ぶようにしましょう。

市販のカビ対策アイテムには、ペットが舐めても安全な天然成分由来のものがあります。たとえば、ティーツリーオイルや重曹、クエン酸などは、殺菌・防カビ効果があるうえに、ペットの健康にも影響が少ないため、日常のケアに取り入れやすい素材です。

また、消臭・除湿効果のある炭や珪藻土(けいそうど)を使ったアイテムも人気です。これらはケージの近くや押し入れ、下駄箱などにも置けて、室内全体の湿気コントロールに役立ちます。

空気清浄機の導入もおすすめです。HEPAフィルター搭載の機種であれば、空気中のカビ胞子やペット由来のアレルゲンをしっかりキャッチしてくれます。ペットがいるからこそ、こうしたアイテムを取り入れて、健康で快適な室内環境を整えることが大切です。

ペットと一緒に暮らしていると、見えないところにカビが発生していることに気づかないケースも少なくありません。特にペットの生活スペースや、湿気がこもりやすい場所はカビにとって理想的な環境です。ここでは、カビが発生しやすい具体的な場所と、それぞれの予防方法について紹介します。

ペットのトイレやベッド、ケージの周囲は、湿気と汚れが集中しやすい場所です。特に夏場は、排泄物の水分や汗、ヨダレなどが原因で湿度が上がり、カビの温床になります。ベッドやマットに含まれた汗や湿気は、時間が経つとカビを発生させる原因になるため、定期的な洗濯と乾燥が重要です。

また、トイレシートや猫砂などを長時間放置すると、微細なカビ胞子が発生しやすくなります。毎日決まった時間に交換する習慣をつけましょう。ケージの床や隅には、目に見えない汚れが溜まりやすいため、1週間に1回は水拭きと乾拭きをセットで行い、通気性の良い場所に設置するのが理想です。

意外と見落とされがちなのが、エアコンの内部です。冷房使用中に内部で結露が起き、フィルターや吹き出し口にカビが繁殖することがあります。その空気をペットが吸い込むと、アレルギーや呼吸器トラブルを引き起こすリスクが高まります。エアコンのフィルターは2週間に1度を目安に掃除し、必要に応じてプロのクリーニングを依頼すると安心です。

また、カーテンやソファカバーなどの布製品も湿気を吸いやすく、カビの温床になりがちです。とくに窓際のカーテンは結露による湿気が溜まりやすく、夏でもカビが繁殖することがあります。定期的に洗濯し、天日干しを心がけると清潔な状態を保てます。布製品は見た目には分かりにくいですが、ペットが直接触れる機会も多いため、こまめなケアが必要です。

夏にカビが発生しやすい最大の要因は、室内の「湿度」と「通気性」の悪さです。ペットがいる環境では、体温や呼吸、水の使用によってさらに湿度が上がるため、カビ対策には室内環境の調整が不可欠です。ここでは、カビが好まない環境をつくるために実践したい湿度・温度の管理と、正しい換気方法を紹介します。

カビの発育を防ぐには、室温は20~25℃、湿度は50〜60%を目安に保つのが理想です。この数値を意識することで、カビの繁殖を大幅に抑えることができます。室温と湿度を正確に把握するには、温湿度計を各部屋に設置すると良いでしょう。特にペットが長時間過ごす部屋には必須です。

エアコンの除湿モードや除湿機を活用するのも有効です。最近では「ペットモード」や「空気清浄機能」を備えた家電もあり、ペットに優しい室内環境づくりがしやすくなっています。また、扇風機を併用すると空気の流れが生まれ、湿気が一箇所に滞りにくくなります。エアコンを使用する際も、冷やしすぎによる結露に注意しながら、適切な温度設定を心がけましょう。

換気はカビ対策の中でも見落とされがちですが、実は非常に効果的な手段です。特に朝夕の涼しい時間帯に窓を開けて空気を入れ替えることで、室内の湿度と二酸化炭素を下げ、空気を新鮮に保つことができます。ただし、外が蒸し暑い場合は逆効果になることもあるため、タイミングが大切です。

窓を2か所以上開けて風の通り道をつくると、効率よく換気ができます。また、キッチンやお風呂場など湿気がこもりやすい場所は、換気扇を常時つけておくのもおすすめです。さらに、クローゼットや押し入れなど閉め切りがちな場所も、時々扉を開けて空気を通す習慣を持ちましょう。空気の流れを意識した生活を続けることで、カビの発生を大きく防ぐことができます。

いくら対策をしていても、完全にカビの発生を防ぐのは難しいことがあります。特に夏場は、ちょっとした油断がカビの繁殖につながってしまいます。ここでは、カビを見つけたときにすぐに実践できる対処法と、同じ場所に再びカビが生えないようにする再発防止の工夫をご紹介します。

カビを発見したら、まずはペットをその場所から離し、換気を十分に行ってから除去作業を始めましょう。市販のカビ取り剤には強い化学成分が含まれているものも多く、ペットが吸い込んだり、肌に触れたりすると健康被害を起こす恐れがあります。できるだけ天然成分や弱アルカリ性のものを使用するのがおすすめです。

具体的な除去方法としては、まずカビ部分にスプレーを噴霧し、数分置いてからキッチンペーパーや布で丁寧に拭き取ります。素材によっては水拭きだけでも十分効果があります。その後、しっかり乾燥させることが非常に重要です。濡れたままにしておくと、かえってカビが再発してしまいます。作業後はペットが触れる前に完全に乾かし、ニオイが残っていないことを確認しましょう。

カビは「湿気」と「汚れ」がある限り、何度でも再発します。そのため、発生源を断つ生活習慣を身につけることがカビ対策の基本です。まず、カビを除去した場所は、定期的にチェックして状態を確認し、数日に一度軽く拭き掃除をする習慣をつけましょう。

また、ペットの生活用品は定期的に洗濯し、完全に乾燥させてから使用するようにします。使用後の食器や水入れも、水分を残したまま放置しないよう注意が必要です。湿度管理についても、夏場だけでなく、梅雨や冬の結露シーズンにも気を配りましょう。

さらに、見えにくい場所こそ丁寧に掃除を行い、必要に応じて除湿剤や防カビ剤を使用して、予防を徹底することが大切です。日々のちょっとした心がけが、ペットと家族の健康を守る大きな一歩になります。

一般社団法人微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を軸とした活動を行っている専門団体です。私たちが目指すのは、カビによる健康被害や建物の劣化といった問題に対応し、室内空気の「見える化」を通して人々の健康を守る、健全な住環境づくりです。

この活動の法的根拠は、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいています。この法律では、アレルギー疾患の予防と症状の軽減のために、生活環境や建築構造の改善が求められています。微生物対策協会は、これを受けた具体的な対策の実施と啓発活動を行っています。

私たちの主な目的は、環境中に存在する微生物、特に室内や車内の空気中に浮遊するカビなどによる健康被害を防ぎ、人々の公衆衛生の向上に貢献することです。さらに、保健医療、福祉、環境保全の観点からも、持続可能で安全な社会づくりをサポートしています。

活動の一環として、建物内の空気中に浮遊する微生物の調査と検査を実施しています。空気中の汚染物質は目に見えませんが、私たちはそれを測定し、状態を「見える化」することで、適切な対策を講じるための情報を提供しています。カビ菌は一度発生すると簡単には消えず、落下しても死滅しないため、被害状況の把握と早期対応が不可欠です。

特に現代では、安心・安全な空間づくりがより一層求められており、見えないカビと見えるカビの両方に目を向けることが重要です。微生物対策協会は、その専門的な知識と技術を活かし、皆さまの生活環境を守るパートナーとして活動を続けてまいります。

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