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2025/04/17   

「気温20度超えでカビ急増!? 今すぐ始めたい5つの対策とは」

気温が20度を超えると、カビが急激に増えるリスクが高まります。
【記事を読んで分かること】カビが発生する条件と20度を超えた時に取るべき対策が分かります。
【記事を読むメリット】健康や住環境を守るために、気温上昇に合わせた適切なカビ対策を実践できます。

気温が20度を超えたあたりから、「なんとなく部屋がジメジメしてきた」「窓に結露が増えた」「浴室の隅に黒い点が…」といった小さな変化に気づく方も多いはずです。これこそが、カビにとっての絶好の繁殖シーズンの始まりなのです。ではなぜ「気温20度超え」がカビ発生の目安となるのでしょうか。その理由を詳しく解説していきます。

カビは、私たちが快適と感じる温度とよく似た環境を好みます。一般的にカビが活発に繁殖するのは「温度20〜30度」「湿度70%以上」の状態です。つまり、春から初夏にかけて気温が上がり始めると、湿度と合わせてカビにとって最適な繁殖条件が揃い始めるのです。

特に室内では、調理や入浴、洗濯物の部屋干しなど日常生活の中で湿度が高くなりがちです。この湿気がこもったままになると、20度という温度はカビにとって「よし、動き出そう」と判断するサインのようなもの。人間にとって過ごしやすい季節こそ、カビにとっても天国になるのです。

春は日中の気温が20度を超える日が続き、夜はまだ涼しくなるため、朝晩の気温差が生まれます。この気温差によって、室内の窓や壁、床などに結露が発生しやすくなります。結露は、カビにとって「水分供給源」。そして日中の20度以上の暖かさで一気に繁殖を始めるのです。

また、春は外から花粉やホコリも入りやすく、これらがカビの栄養源にもなります。気温20度という数値だけでなく、春特有の環境変化が重なることでカビにとっての「ゴールデンタイム」が訪れるのです。このタイミングで適切な換気や除湿を行わなければ、目に見えないカビが静かに、でも確実に広がっていくことになります。

カビは単に「湿気が多いから」発生するわけではありません。実際には「湿度」と「温度」のバランスが揃ってこそ、カビは活性化します。特に気温20度を超えたあたりから、空気中の湿気がカビにとって居心地の良い環境に変わり始めます。ここでは、気温と湿度の関係からカビの仕組みを詳しく見ていきましょう。

カビの活動開始には「気温20度以上、湿度70%以上」が一つの目安とされています。この条件を満たすと、カビは胞子を飛ばして繁殖を始めます。特に梅雨の前後や初夏の時期は、晴れと雨が交互に来ることで室内の湿度が高止まりしがちです。

また、気温が上がると空気中の水分保持力も高まり、結果的に湿度も上昇します。この「高温多湿」の組み合わせが、まさにカビの理想的な環境を作り出すのです。エアコンや加湿器、暖房機器などが加わると、知らず知らずのうちにカビのスイッチが入ってしまうこともあるので注意が必要です。

カビの怖いところは、「目に見えるカビ」が出てきたときにはすでにかなり広がっている可能性が高いという点です。その背景には「見えない湿気」の存在があります。たとえば壁紙の裏、家具の裏側、クローゼットの奥など、空気が動きにくい場所は湿気がこもりやすく、カビにとって最高の隠れ家になります。

さらに、日中は窓を閉め切ってエアコンや加湿器を使う生活スタイルが、湿気の逃げ場を奪っています。外の空気が乾燥していても、室内だけがジメジメしているという状況は珍しくありません。このように、「湿度は見えないからこそ油断しがち」なのです。こまめな換気や湿度計の使用などで、湿気の見える化を意識することが重要です。

カビの発生は「水回り」や「湿気の多い場所」に限られると思われがちですが、実はそれだけではありません。見た目には清潔に見える場所でも、湿度と温度が揃えばカビは簡単に繁殖してしまいます。ここでは、特に注意したい代表的な場所と、つい見逃してしまいやすいカビの温床をご紹介します。

まず真っ先に注意すべきは、やはり水を日常的に使う浴室やキッチンです。浴室は常に湿度が高く、シャンプーや石けんの成分が壁や床に残ることでカビの栄養源にもなります。特に排水口やパッキン部分、タイルの目地などはカビが根を張りやすく、こまめな掃除を怠るとすぐに黒カビが広がってしまいます。

キッチンでは、シンク下や冷蔵庫の裏、調理中の湯気がこもる壁面などが要注意ポイントです。食材のカスや油汚れがカビの養分になるだけでなく、温度も比較的高めなため、カビの成長を加速させてしまいます。使用後にしっかりと乾燥させる習慣をつけることが重要です。

見落としがちなのが、表面からは見えない場所に潜むカビです。例えば家具と壁の隙間や、押し入れの奥、クローゼットの隅などは空気が流れにくく湿気がこもりやすいため、カビの発生率が非常に高いです。特に布団や衣類など、湿気を吸いやすいものがあるとその被害は広がりやすくなります。

また、窓際のカーテンやその裏のサッシ部分も見逃しやすい場所です。結露が溜まりやすく、掃除もしにくいため、カビの温床になりやすいのです。見た目には何もなくても、壁紙の内側などでカビが繁殖していることもあるので、定期的な確認と対策が欠かせません。

気温が20度を超えたら、「そろそろカビが動き出す」と意識して行動することが重要です。カビは一度発生すると除去が大変で、根本的な解決には時間も手間もかかります。だからこそ、気温が上がり始めたこの時期に、先回りして対策をしておくことがカギとなります。ここでは、家庭で手軽にできる実践的なカビ対策をご紹介します。

カビ対策の基本は、「湿気をこもらせない」こと。まず実践してほしいのが、毎日のこまめな換気です。朝晩の気温差がある時間帯に窓を開け、風の通り道を意識した換気をすると効果的です。特に湿気が溜まりやすい水回りや押し入れなどは、定期的に空気を循環させることが大切です。

また、除湿器やエアコンの除湿モードも積極的に使いましょう。おすすめは湿度60%以下をキープすること。湿度計を設置して、目に見える形で湿気を管理すると意識が変わります。洗濯物の部屋干しも、なるべく浴室乾燥機や換気のよい場所で行い、室内全体の湿度上昇を防ぎましょう。

換気や除湿に加えて、日常生活の中で実践できるちょっとした工夫もカビ対策には効果的です。たとえば、家具を壁から5〜10cmほど離して配置することで、空気の流れが生まれ、カビが発生しにくくなります。また、クローゼットや押し入れには市販の除湿剤を設置し、湿気を吸収させましょう。

さらに、掃除の頻度も重要です。ホコリはカビの栄養源となるため、こまめな拭き掃除でカビの元を取り除いておくことが肝心です。特にカビが好む「暗くて湿気が多い場所」は、掃除のときに重点的にチェックしましょう。梅雨前のこのタイミングで習慣化できれば、カビのリスクを大きく減らすことができます。

「ちょっとぐらいカビが生えても大丈夫」と油断していませんか?実はその小さなカビが、私たちの健康や住まいに大きなダメージを与える可能性があります。カビは見た目の問題だけでなく、呼吸器系への影響や建物の劣化など、深刻なトラブルを引き起こす原因になるのです。ここではカビがもたらす2つの大きなリスクについて解説します。

カビが原因で起こる健康被害の代表例が、「アレルギー症状」と「呼吸器トラブル」です。カビは空気中に胞子を飛ばし、その胞子を吸い込むことで、くしゃみや鼻水、咳といった症状を引き起こします。特に小さなお子様や高齢者、アレルギー体質の方にとっては、喘息や肺炎の原因となることもあるため注意が必要です。

また、カビが発生する環境ではダニも増殖しやすくなり、これがさらにアレルゲンとなるため、ダブルで健康被害を招く可能性があります。カビの見た目が気にならない場所でも、空気中に漂う胞子は見えません。だからこそ、見えないカビへの対策が重要なのです。

カビは健康だけでなく、建物の寿命にも影響を及ぼします。例えば壁紙の裏にカビが広がると、素材が劣化して剥がれてしまったり、木材部分に根を張ると腐食が進行してしまったりします。特に木造住宅では、カビと湿気による腐敗が構造部分にまで及ぶと、リフォームや修繕の費用が高額になってしまうケースもあります。

また、マンションや賃貸住宅では、カビによる内装の損傷が「原状回復義務」として借主の負担になることもあります。早めの対策を怠ると、結果的に時間もお金もかかってしまうのです。見た目には問題がないうちに、湿気や温度の管理を徹底しておくことが、長い目で見て大きなメリットになります。

一般社団法人 微生物対策協会は、「カビの検査と対策」を中心とした活動を行う専門機関です。カビによる健康被害や建物の劣化といった生活に関わる深刻な問題に対応するため、室内空気の状態を「見える化」し、健全な住環境の構築を目指して設立されました。

この協会の取り組みは、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいています。法律では、アレルギー疾患の予防と症状軽減のために、生活環境や建築構造の改善を推進することが求められており、微生物対策協会もこの理念のもとに活動しています。

協会の主な目的は、環境中に存在する微生物による災害から住まいや生活環境を守ることです。空気中に浮遊する目に見えないカビ菌などの存在を「見える化」することで、その特性を把握し、適切な対策を講じることが可能になります。これは公衆衛生の向上に寄与するだけでなく、保健医療、福祉、そして環境保全の面でも重要な役割を果たしています。

実際の活動としては、専門的な機器を使ったカビの検査や調査を実施し、空気中に漂うカビ菌の有無や濃度を正確に測定しています。建物内ではカビの被害が最も多く見られ、その多くは放置されがちな「見えないカビ」によるものです。微生物対策協会では、こうしたカビを「見える化」し、明確な対策を提示することで、より安心・安全な空間づくりを支援しています。

今や、健康や快適な暮らしを守るために「空気の質」に目を向けることは欠かせません。微生物対策協会は、専門知識と技術を通じて、現代の住環境に求められる“見えないリスク”への気づきと対処を提供しています。

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