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2023/11/03   

足水虫の真犯人:白癬菌の知られざる事実

白癬菌カビ水虫
白癬菌カビ水虫イメージ

白癬菌感染は一般的ですが、その基本知識や予防方法を知っていますか? ​​この記事では白癬菌の種類、感染経路、症状、治療法を解説します。 ​​正しい白癬菌の知識を身につけ、効果的な治療法を学ぶことができます。

1. 白癬菌の基本情報

白癬菌は、私たちの生活に密接に関わる真菌の一種です。この菌は、皮膚糸状菌として知られ、特に足に感染すると水虫と呼ばれる症状を引き起こします。驚くべきことに、世界中に40種類以上の白癬菌が存在し、日本では10種類が主に見られます。この記事では、白癬菌の種類や感染経路、症状について詳しく見ていきます。

白癬菌は、皮膚に感染する真菌の一種で、主に足の水虫の原因となります。白癬菌には、ヒト好性菌、動物好性菌、土壌好性菌という3種類が存在し、それぞれ人間、動物、土壌に寄生します。中でも、日本で最も一般的なのはトリコフィトン・ルブルムという種類です。

白癬菌は、皮膚の接触や、感染した物に触れることで広がります。特に公共の更衣室やプールなど、湿気が多く人の出入りが激しい場所での感染が多いです。予防には、清潔な環境を保つことと、直接の皮膚接触を避けることが重要です。また、免疫力を維持し、皮膚を健康に保つことも、感染を防ぐ一つの方法です。

2. 白癬菌の主な種類と特徴

白癬菌には複数の種類があり、それぞれ異なる特徴と感染の仕方を持っています。

トリコフィトン・ルブルムは、足白癬(足水虫)の最も一般的な原因菌です。この菌は、特に足の裏や爪に感染しやすく、一度感染すると再発しやすいという特徴があります。

トリコフィトン・メンタグロフィテスは、小水疱型の足白癬(足水虫)を引き起こすことが多い菌種です。一方、トリコフィトン・トンスランスは、格闘技の選手の間で感染が広がることがあり、新型水虫とも呼ばれます。これらの菌は、体の上半身や頭部にも感染することがあります。

3. 白癬菌による感染症の症状と診断

白癬菌による感染は、多種多様な症状を引き起こします。

白癬菌に感染すると、皮膚のかゆみ、赤み、ひび割れなどが起こります。感染部位によって症状は異なり、足の場合は特にかゆみが強くなる傾向があります。

白癬菌の診断は、皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察することで行われます。症状だけでは正確な診断が難しいため、疑わしい場合は速やかに医療機関を受診することが推奨されます。

4. 白癬菌の治療法

白癬菌感染症の治療には、抗真菌薬が用いられます。

抗真菌薬は、外用薬として皮膚に直接塗るタイプや、内服薬として口から摂取するタイプがあります。白癬菌の種類や感染の程度に応じて治療薬が選ばれます。

白癬菌感染症の治療は根気が必要です。症状が改善しても菌が完全に死滅するまで治療を続けることが重要です。また、ペットや家族も感染している場合は、彼らも同時に治療を行う必要があります。

5. 白癬菌と市販薬・民間療法

市販薬や民間療法での白癬菌感染症治療についても考慮する必要があります。

市販薬は症状緩和には効果がありますが、根本的な治療には限界があります。また、誤った自己診断による市販薬の使用は症状を悪化させる可能性があります。

民間療法は一部で人気がありますが、科学的な根拠は乏しく、場合によっては皮膚を傷める恐れがあります。白癬菌感染症は専門の治療が必要です。

一般社団法人微生物対策協会について

微生物対策協会は、主に「カビの検査と対策」に特化した団体です。この協会は、カビによる健康被害や建物の劣化に対処するために、室内空気の「見える化」を通じて健康を支え、守るための「健全な住環境」を目指して設立されました。この取り組みは、平成27年に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいています。この法律では、アレルギー疾患の予防と症状の軽減のために、生活環境の改善や建築構造の改善を図ることが定められています。

協会の目的は、環境微生物災害から住まいや生活環境を守ることです。具体的には、室内や車内を含む様々な環境で浮遊する微生物による問題を理解し、公衆衛生の向上に寄与することです。また、保健医療、福祉、環境保全の推進も重視しています。

協会では、カビの検査と調査を行い、空気中の目に見えない汚染物質を測定しています。私たちはその空気を呼吸しながら暮らしており、浮遊物質の有無や濃度を知ることは重要です。この「見える化」により、カビに対する確かな対策が可能になります。特に、建物内でのカビ被害は多く、カビ菌は浮遊し落下した場所での死滅はほぼ無いため、被害状況を正確に把握することが不可欠です。このように、見えないカビと見えるカビの被害を明確にすることは、安心・安全な空間を求める現代において極めて重要です。

この協会の活動は、アレルギーや環境に関する健康問題に対する意識の高まりとともに、ますます重要性を増しています。カビによる健康被害や環境問題に対する理解と対策を深めることで、より良い生活環境を守ることができるのです。

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