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2025/07/01   

カーテンにカビが…?梅雨明け後に注意すべきポイントを徹底解説

梅雨が明けてホッと一息…その油断がカーテンのカビ被害を招く可能性があります。
【記事を読んで分かること】カーテンにカビが生える原因とその対処法、予防策について詳しく理解できます。
【記事を読むメリット】見えないカビ被害を未然に防ぎ、清潔で安心な室内環境を保つ具体的な方法が分かります。

梅雨が終わると、晴れ間が増え、気分も晴れやかになりますよね。しかし実は、梅雨明けこそカビの繁殖が活発になりやすいタイミングです。気温と湿度が一気に高まるこの時期は、家の中の見えない場所でカビが急成長することも少なくありません。とくに、換気や除湿を怠ると、カーテンや壁、家具の裏などがカビの温床になることがあります。以下では、梅雨明けにカビが増える理由について詳しく解説します。

梅雨が明けると気温が一気に上昇しますが、空気中の水分量は依然として高いため、室内の湿度が下がりにくい状態が続きます。この「高温多湿」の状態は、カビの繁殖に最も適した環境です。特に、外気温が高くなってエアコンを使用し始めると、室内と外気との温度差により窓やカーテン周辺に結露が発生しやすくなります。結露は湿度の溜まり場となり、そこにホコリや皮脂汚れが加わることでカビの栄養源になります。つまり、湿度の急な変化とそれに伴う環境の乱れが、カビ発生のスイッチになってしまうのです。

梅雨明け直後は「やっと雨が終わった」と安心してしまいがちですが、この油断が思わぬリスクを招きます。たとえば、梅雨の間に溜まった湿気や汚れがまだ室内に残っている状態で換気や掃除を怠ると、そのままカビの繁殖が始まってしまいます。特にカーテンやクローゼットの奥など、風通しが悪く掃除しにくい場所には注意が必要です。また、夏に入ると日中の外出が増えるため、日中の室内温度が上がり、夜間との気温差で結露が増えることもあります。こうした微妙な環境変化がカビの発生源となるため、梅雨明け直後はむしろ「最も注意すべきタイミング」と言えるでしょう。

カーテンは部屋の空気と窓周辺の環境を直接受ける場所にあります。そのため、湿気・汚れ・温度差などの影響を非常に受けやすいのです。にもかかわらず、定期的に洗濯したり、状態を確認したりする人は少ないのが実情です。その「見落とし」が、知らぬ間にカビの温床をつくってしまう原因になります。ここでは、カーテンにカビが発生しやすい具体的な原因を見ていきましょう。

カーテンの素材によって、カビの生えやすさは大きく異なります。特に綿や麻などの天然素材のカーテンは、湿気を吸いやすく乾きにくいため、カビの温床になりがちです。また、厚手の遮光カーテンも通気性が悪く、内部に湿気がこもりやすいため注意が必要です。一方で、ポリエステルなどの化学繊維は比較的カビが付きにくい素材ですが、それでも完全に防げるわけではありません。窓の近くは外気との温度差で結露しやすく、カーテンに水分が移ると、どんな素材であってもカビのリスクはあります。素材の特性を理解し、定期的な手入れが不可欠です。

多くの家庭では、床や棚の掃除には気を配っていても、カーテンは「洗うもの」という意識が薄く、掃除の対象になりにくい傾向があります。しかし、空気中のホコリや花粉、皮脂汚れが日々カーテンに付着しています。これらはすべてカビの栄養源となります。また、部屋の換気も意外な落とし穴があります。窓を開けても、カーテンが閉じたままだと空気の流れが遮られ、湿気がカーテンにたまりやすくなるのです。つまり、カーテンは「見た目がキレイでもカビのリスクが潜む」場所であり、意識的に掃除や換気を行うことが大切です。

実際にカーテンに黒や緑のカビが生えてしまったら、慌てずに正しい方法で対処することが大切です。自己流でこすったり、洗濯機に放り込んだりすると、かえってカビが広がったり、素材を傷めてしまう可能性があります。ここでは、家庭でできる効果的なカビ除去方法と、避けるべきNG行動について詳しく解説します。

まず、カビを見つけたらできるだけ早く対応しましょう。軽度のカビであれば、以下の手順で対処が可能です。
① ゴム手袋とマスクを着用し、カビ胞子の吸い込みを防ぎます。
② カビ部分を乾いた状態で取り扱い、外でブラッシングして表面の胞子を軽く落とします。
③ ぬるま湯に酸素系漂白剤(液体タイプ)を溶かし、カーテンを30分ほどつけ置きします。
④ 手洗いまたは洗濯機の「弱水流」で洗い、よくすすいだ後、天日干しします。

酸素系漂白剤は素材を傷めにくく、色柄物のカーテンでも使用できるため便利です。ただし、完全に除去できない場合や、厚手素材・特殊加工のカーテンはクリーニングに出すのが無難です。

よくある間違いが「とにかく強くこする」「塩素系漂白剤を使う」「乾燥機で一気に乾かす」といった方法です。特に塩素系漂白剤は色落ちや繊維の劣化を招くため、家庭での使用は避けた方が良いでしょう。また、乾燥機で乾かすと、縮みや変形の原因になることもあります。カビ部分をこすりすぎると胞子が飛散し、かえって広がることもあります。
また、カビが生えた状態で長時間放置するのもNGです。見た目だけの問題ではなく、空気中にカビ胞子が放出されて、アレルギーや喘息などの健康被害につながるおそれもあります。安全かつ確実に対処するには、素材に合った方法を選ぶことが肝心です。

一度カビが生えてしまうと、取り除くのは手間がかかります。だからこそ、日ごろからの予防がとても重要です。特に梅雨明け後の暑く湿った空気が残る時期には、ちょっとした習慣がカーテンの清潔さを保つ決め手になります。ここでは、カビを未然に防ぐために取り入れたい予防策と、日常で意識すべき管理ポイントをご紹介します。

まず見直したいのが、カーテンの素材とお手入れ方法です。防カビ加工が施されたカーテンは、湿気が多い季節でもカビの発生を抑える効果が期待できます。購入時に防カビ・防臭機能があるか確認すると安心です。また、洗濯の頻度もポイントです。理想は季節ごとに一度、特に梅雨明け直後は必ず洗濯を行いましょう。カーテンを取り外して洗うのが難しい場合は、布用除菌スプレーをこまめに使用するだけでも予防に繋がります。レースカーテンは汚れやすいため、特に気を付けたいポイントです。

カビ予防には「湿気をためない環境づくり」が鍵です。朝晩の2回、窓を開けて5~10分の換気をすることで、湿気を効果的に外に逃がせます。特に、エアコン使用中は空気がこもりやすくなるため、1日1回は自然換気を取り入れましょう。また、除湿機やサーキュレーターを使って空気の流れを作ると、湿気が一か所に溜まりにくくなります。カーテンの裏側や窓との隙間に空気が通るよう、家具の配置を工夫するのも有効です。
さらに、結露が多い窓ガラスは、こまめに拭き取り、カーテンに湿気が移らないようにしましょう。こうした日常の小さな工夫が、カビを寄せつけない清潔な空間づくりに繋がります。

カビは目に見えるものだけが問題とは限りません。見えない場所で広がっていたり、空気中に浮遊していたりすることで、健康や住宅に深刻な影響を及ぼすケースもあります。特に、何度もカビが再発する、カビ臭がとれない、体調に変化があるといった場合は、早めに専門家に相談するのが安全です。ここでは、見逃してはいけないカビ被害のサインと、専門検査の流れについてご紹介します。

室内に入った瞬間に「カビ臭い」と感じることはありませんか?このニオイは、カビが発する揮発性有機化合物(MVOC)によるものです。見た目では分からなくても、壁の裏や天井裏などでカビが広がっている可能性があります。また、最近になって咳やくしゃみが増えた、目や喉に違和感があるといった症状が出ている場合は、カビが原因のアレルギー反応であることも少なくありません。特に、乳幼児や高齢者、アレルギー体質の方がいるご家庭では、健康被害に注意が必要です。こうした兆候を感じたら、自己判断せずに専門家の点検を受けることが重要です。

カビの専門検査では、空気中に浮遊するカビ菌や、壁やカーテンなどの表面に存在するカビの種類や濃度を「見える化」することが可能です。一般的な流れとしては、まず目視点検と聞き取り調査を行い、その後に専用機器で空気中の微生物を採取・分析します。必要に応じて、壁の裏側や床下の点検も行われることがあります。費用の目安は、簡易検査で1万円〜2万円前後、詳しい分析を含めた本格調査では3万円以上が一般的です。ただし、被害の規模や地域、検査内容によって変動します。被害が拡大する前に早期対応をすることで、健康と建物を守ることができます。

一般社団法人微生物対策協会は、主に**「カビの検査と対策」を柱とした活動を行う団体です。近年、住宅や建物内でのカビによる健康被害構造物の劣化**が社会的に大きな問題となっている中、私たちは「室内空気の見える化」を通じて、住まいの安全性と健康を守ることを目的に設立されました。

この活動の法的な根拠となっているのは、平成27年に施行された**「アレルギー疾患対策基本法」**です。この法律では、アレルギー症状の軽減や予防のために、生活環境や建築構造の改善が必要と明記されており、私たちはこれを実行に移すべく、さまざまな取り組みを行っています。

当協会では、空気中の見えない汚染物質を測定し、その濃度や種類を分析することで、カビの発生原因を明確にします。とくにカビ菌は、空気中を浮遊し、落下したあとも容易には死滅せず、さまざまな場所に影響を与えます。そのため、見えないカビも、見えるカビも的確に把握し、最適な対策を講じることが重要なのです。

また、私たちのもうひとつの使命は、住環境の公衆衛生向上です。カビをはじめとする環境微生物による問題を正しく認識し、住まいや車内の空気を健全に保つことで、誰もが安心して暮らせる社会を目指しています。保健医療・福祉・環境保全の観点からも、専門的な知見と調査手法をもって、持続的に活動を展開しています。

安心・安全な空間づくりのために、専門的なカビの調査・検査をご希望の方は、ぜひ一般社団法人微生物対策協会までご相談ください。

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